保護者は進路の重要性がわかるのに、子供に伝えきれない
高校1年生の終わりになると、生徒と親御さんと必ず話すことがあります。
文系理系の選択(文理選択)についてです。
(この問題は、大学選びにも共通しています)
そこで多いのが、高校生における文理選択や、大学選択。
中学受験における受験校の選定。
この重要性は大人は理解していますが、子供は理解していないケースも50~70%くらいみられます
進路選択は塾や学校でも行われますが、間違いなく不十分です。
私の指導では、必要なタイミングで2者面談と3者面談を何度も(1か月かけて毎週のように話すときもあります)繰り返す生徒もいます。
逆に1~2回でさっと決まる生徒もいます。
そもそも論になりますが、現在は文理選択という考え方自体への疑問があり、その流れは加速しています。
好例なのが、経済系学部です。
一般的に経済学部や商学部、経営学部は文系に分類されますが、
私立大学でも早稲田など、受験で数学が課されることが増えています。
逆に、ITなど情報系の分野は、一般的に理系です。
ですが、ITは社会学といった文系的要素との組み合わせへの注目度が年々高まっています。
また、ITの実務ではコミュニケーションスキルも重要になります。
今後は文系理系の境界はあいまいになってきます。
大人になった後まで考えると、文系理系に高校1年からこだわることはないでしょう。
ただし、現時点では一つの目安になっていることは間違いありません。
その時に必ず出る話題が、
- 数学が苦手なので文系がいいのでしょうか?
- 暗記が苦手なので理系がいいのでしょうか?
といったことです。
進路指導もついているプロ家庭教師へのお問い合わせは こちら になります。
中学受験は大学で選ばない
一方で、小学校5年生、6年生の生徒からは、
「(高校・大学)受験をしたくないので大学付属を志望校にいれたい」という話も出てきます。
また、
保護者の方から、○○大学に将来入れたいから、
という相談を受けることもあります。
大学まで考えて、中学受験校を選ぶことは悪いことではありません。
実際、大学付属の中学校人気は、有名大学への進学が半ば保証されていることは、周知の事実です。
早慶やMARCHでも内部生であれば100%に近い保証がある学校も多いです。
ですが、6年あれば大学の序列は変わりますし、
そもそも大学付属系の中学に行くことで子供の進路を限定してしまうこともあります。
現在は大学内でも学部や学科で偏差値差が大きいです。
学歴はいまだ重要ですが、子供たちがしたいことの方が圧倒的に重要です。
本質的な部分を見失わないようにしましょう。
進路はお子さんの心の中から選ぶ
進路選択、特に高校1年の終わりごろにある文理選択は何が重要なのでしょうか。
また、中学受験で算数や理科の配点が大きい受験形式と4科目で点数の偏りがない形式のどちらを選ぶべきなのでしょうか
答えは明確。数学や暗記は進路選択における本質ではありません。
「本人が何をしたいのか?」
から進路を選びましょう。ということです。
文系理系の選択であれ、大学選び、学部や学科選びも基本的には同じです。
「子供が何をしたいのか」
これにつきます。
文理状況や得意科目、受験科目は確かに重要ですが、最初に考えるべきことではありません。
現在の能力から考え始めると、進路選択を間違えることになります。
この話をすると、親御さんからよく言われるのが、
「うちの子は特にしたいことがないんです。」 ということです。
これも間違いなことが多いです。
実際私が生徒と話してみて、将来の明確な夢がなくても、
興味があることやこういったことをもっと知りたいという内容は必ず出てきます。
この時の興味が、理系ならば理系に進学し、文系ならば文系に進学すればいいだけです。
もちろんスポーツや芸術ということもありえます。
実は、高校3年で志望校に合格した後に、難しいところに来年以降チャレンジしたい。
とうことで、浪人した生徒もいます。
その生徒は浪人生活を見事成功し、現在は夢に向かって頑張っています。
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コロナは進路を考える助けになる
新型コロナウイルスは、日本だけでなく世界中に大きなインパクトを与え、
学校の授業が出来なかったり、模試が受けられなかったりと教育にも影響がありました。
交代カクテル療法の予防利用や、イギリスでの経口治療薬など、根本的解決策の可能性が高まっていますが、世界中からコロナをインフルエンザレベルにするには、まだ時間がかかりそうです。
2011年の東日本大震災のときもそうですが、
社会が大きく変化したときこそ、「自分がなにをしたいのか?」という問いかけがしやすくなります。
ピンチはチャンス
このコロナの状況を活かす考えを持つことが重要です。
私自身も、コロナをきっかけにweb授業を取り入れ、現在では
- 対面授業のみ
- web授業のみ
- 対面授業とweb授業の組み合わせ
の3パターンに対応しています。
社会が乱れたときこそ、その人の本質が現れます。
コロナ前後でのお子さんの反応の違いに注目してみてください。
科目から選ぶのは、自分の中から選びきれないときだけ
最初に否定しましたが、科目から選ぶ方法もあります。
なぜならば、好きな科目は興味が強いことが多く、進路に強く影響するからです。
また、高校の難しい科目を2年間、大学ではさらに難しい内容を学ぶので、好きか嫌いかは結局は重要です。
高校2,3年、大学、大学院(修士)と考えると、8年です。
もちろん博士号取得まで考えると10年以上。
苦手な教科を長く続けるのは確実に苦痛です。というより不可能に近い。
ですので、科目も考える要素になります。
中学受験でも理数系の配点が高い受験形式や、理系クラスの進学を前提としている学校もあります。
実例
私の実例をご紹介します。
私自身は理系を選択しました。
大学が生物系だったのが最大の理由ですが、実は法律関係とも迷っていたのです。
生物系なら理系。法律系なら文系です。
生物系に関して学びを深めたい。
生き物にかかわる仕事をしてみたい。
ということで、最終的には生物系が第一志望であった、ということが決定打でしたが、
科目も考えて総合的に選びました。
実は、高校2年の途中までは生物を本格的には勉強しておらず、途中から生物のクラスに入れてもらったという経緯もあります。
学校によっては途中変更を受け入れてくれますし、学校が受け入れてくれなくても複数科目を指導できる先生がいれば、簡単に新しい科目の対策ができます。
私も暗記で科目選択を迷いました
私は暗記が苦手であり、嫌いでした。
ちなみに今も嫌いです。
高校2年になるときに、暗記が重要な、古典・社会は学びたくありませんでしたし、受験上でも不利というのは、選択の1つの要素になりました。
ですので、最初から理系選択でした。
逆に、数学や化学・生物が好きだったというのも、もちろん一因となりました。
注意してほしいのが、大学受験という意味では暗記は多いですが、
法律系は暗記ばかりではないということです。
法律系で最も重要なのは基本的には論理的思考力だからです。
ですので、高校1年の終わりのときの私の、進路の第一志望が法律系であれば、おそらく文系を選択していたと思います。
(大学受験まで古典と歴史は頑張ろう、2年頑張り、大学に行けば古典や歴史は勉強しなくていいから、ということです。)
理系でありながら、最初から生物を選択していなかった理由は、高校1年の時点では、生物系より化学の勉強が楽しかったことがあります。
どちらにも興味がありましたが、実は成績は化学の方が圧倒的に良かったのです。
結果的には、化学と生物のどちらも頑張る選択をし、最終的には生物系である獣医学科に入りました。
決定の順番を整理すると
- 生き物にかかわる仕事に興味が一番ある
- 生き物なら生物系の学科
- 生物系に行くなら理系。数学と理科を長く勉強することになる。
- 理系の科目は好きだし、得意
- よし、理系にしよう
という流れでした。
今まで私が指導してきた生徒の興味は多岐にわたります。
具体的には、医療系、生物系、文学系、芸術系、IT系、観光、工学、文化学、心理学、スポーツ…
若いほどコロコロ変わりますが、
どのような興味に対しても、それにあった職業はあります。
また、今は新しい職業を作ることも可能です。
夢はどんどん膨らんだり、変わっていくものです。
ですから、まずは自分の興味をより深堀できることを進路を考えるファーストステップとしてください。
好きな科目嫌いな科目はその次以降に考える要素です。
私が指導している生徒は、こまめに進路の話をしています。
進路選択のまとめ
- 自分(お子さん)が何をしたいのか?が最重要
- 嫌いなことは興味が多少あっても長続きしにくい
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コメント
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