社会は対策するだけで確実に点が上がる
社会が苦手な生徒の中には、社会は単純暗記を頑張るだけと勘違いしている生徒が非常に多くいます。
社会を単純暗記だけで頑張ると、長期的な暗記が難しく、高得点は取ることはできません。
ただし、公立入試は基礎~標準の内容が多く、覚えるべきポイントを限定しやすいです。
数学や英語、国語など全体を通した継続が重要な科目と異なり、
分野(地理、歴史、公民)ごとの勉強がしやすいのが社会の特徴。
つまり、直前の勉強でも点を向上させることができ、努力を点につなげやすい科目といえます。
社会は勉強に自信がない生徒ほど有利
英語や数学のように学校選択問題がないので、埼玉県の公立高校を受験する場合には、学校の偏差値にかかわらず、同じ問題となります。
浦和高校や大宮高校、蕨高校など偏差値の高い高校を目指すのであれば
80点、90点という高得点が当然必要になります。
理系科目は得意だけど、継続した暗記科目が苦手な生徒ほど、暗記に頼らない勉強法で、早くから対策をすべきです。
自分の目指す学校や、今の学力に合わせて勉強法を変える必要があります。
社会でも理解に基づいた暗記で、効率的で楽しさを向上させることができます。
正しい勉強法である理解の4段階を身につけましょう。
大問1,2は地理
大問1は地理の分野からの出題で、完全に出題傾向が決まっています。
最初の2~3問は世界地理に関する問題。
埼玉県公立高校入試の社会では、最初に必ず世界地図があります。
それを利用し、経度や緯度と世界との関係性を問う問題が出題されています。
後半はデータと世界地理
大問1の後半では、輸出入金額や農産物に関するデータ、気温などといった、世界地理に関係する図表が与えられており、それを読み取る問題です。
ここでは、世界地理の総合的で、基本的な知識と、与えられたデータを総合して考える思考力が必要とされます。
一見難しそうですが、与えられているデータと問われている知識は基本的で、学校の定期試験でも基礎~標準レベルといえるもの。
大問1は、しっかり日々の勉強をしていれば特別な対策はいりません。
授業を聞くよりも世界地図、地図帳を楽しく読んでいた方が点になるかもしれません。
令和の高校入試では、データを見るだけでなく見たうえで読み取る力が必須となっています。
数値やグラフを覚えるのではなく、その理由を考えることが重要です。
地図でも論理的な思考力が重要です。
世界地図を単独で考えるのではなく、実際に世界の国々の生活や環境、産業をイメージしながら見ると、非常に効果的だといえます。
私の授業でもそうですが、実際のイメージを生徒自身が持つことで、世界地理の勉強効率は大きく変わります。
これは、高校入学後だけでなく、大学生や社会人になっても役立ちます。
大問2は日本地理
この大問では、小学校時代から勉強してきた日本地理に関する問題が出題されています。
ここでも大問1と同様に最初に日本の全体、もしくは一部の地図が与えられています。
基本的に図表といったデータが、それぞれの問題に与えられています。
データは世界地理と同様に気候や、産業、特徴的な地理条件などが問われています。
出されているデータは一般的で学校の授業や参考書でよく見るものなので、取り組みやすいといえるでしょう。
大問の最後には拡大した地図(2万5千分の1の地形図)が出題されます。
詳細地図の意味も等高線や地図記号などしっかり読み取れる必要があります。
丸暗記だけでは不十分
地理では、大問1,2を通して、データの活用が必要なことを述べてきました。
これは、単純暗記だけでは意味がないという、出題側の意思表示です。
ただ覚えるのではなく、理解をベースとした王道の勉強法をしっかり行いましょう。
また、データの読み取りには国語力も鍛えることが重要です。
大問3,4は歴史
大問3では近代以前の歴史が出題されています。
学校では縄文時代やその前~江戸時代の範囲を習いますが、流石に古墳時代以前の出題頻度は非常に低いのが実情です。
(出ないわけではありません)
古墳・飛鳥(・奈良)時代から1~2問
(平安・)鎌倉・室町時代から1~2問
安土桃山・江戸時代から1~2問
といったイメージで、幅広い時代をまんべんなく出題するようにしています。
絵や写真が重要
ここでは圧倒的に知識問題によっていますが、知識でも建物や絵、書物の写真がふんだんに使われています。
これらの史料には注釈で大体の説明がついており、
史料がそこまでわからなくても解答できます。
浦和高校、大宮高校、川口北高校、蕨高校などなど
上位校を狙うのであれば、きっちり史料と出来事をマッチさせておく必要があるでしょう。
大問4は近現代史
ここでは、明治(江戸の開国)以降の歴史が中心で扱われます。
基本的に最初に5~10項目の簡単な年表があり、それぞれの時期に対しての知識問題が問われます。
近現代史はニュースでも扱われることが多く、もっとも範囲が狭く、最も優先して勉強すべき分野。
図表も合わせて、まず勉強をしましょう。
特に社会が苦手であったり、勉強そのものが苦手な生徒は、ここの大問を集中的に勉強することで点を取ることができます。
高校に進学後に文系を目指すつもりがある生徒は、大学入試でも使いやすい範囲であり、集中して勉強するのがおすすめです。
逆に単純暗記の要素が強いので、暗記が苦手で理系が強い生徒には勉強しにくい範囲。
その場合は知識がなくても解きやすい地理分野や公民分野を優先して頑張りましょう。
大問5は公民分野
大問5は前半に政治、後半が経済となっています。
公民は一つの分野と捉えがちですが、いくつかの分野に分けることができます。
最も単純なのが政治分野と経済分野の2分割です。
経済分野で歳入出やインフレデフレ、需要と供給などで思考問題がありますが、それ以外はほぼ暗記問題。
勉強が苦手な人や暗記が得意な人には非常に取り組みやすい問題といえましょう。
浦和第一女子高校、浦和西高校、春日部女子高等学校、川口北高校、川越高校、所沢高校、蕨高校など
上位校を狙う生徒は単純暗記の勉強をしてはいけません。
政治も経済も、他の分野と比較してその根拠が明白であり、理解すればするほど暗記がしやすくなっています。
社会だから暗記だろうという思考停止では、上位校には最終的に通用しなくなります。
なぜそういった政治制度なのか、なぜ経済がそのように展開していくのかという、「なぜ?」の気持ちをしっかり持ちましょう。
理解自体は正しい先生に習えば簡単です。
最後は総合
最後の問題は地理、歴史、公民のすべての分野から出題されますが、基本的に図表などとセットになっていることが特徴です。
図表と知識を複合することはこれまでの大問でも実施してきているので、基本的な勉強法は変わりません。
今まで通りを、より広くしていきましょう。
まとめ
- 暗記の効果が強いのは大問4と5
- 上位校を狙うなら思考力を鍛える
- 図表や絵などを知識と複合しよう
保護者の方へ
高校入試の社会科は、複合要素が非常に強くなりました。
特に国語と数学の2科目と合わせて勉強することで、効率的でわかりやすい勉強になります。
高い質で複数科目教えられる先生は少ないですが、お子さんのために用意されるとベストでしょう。
本人の努力があれば、偏差値が1~2ランク上とされる高校の入学も現実になるでしょう。
思考力を身に着ける社会の指導は → こちら
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