北里大学獣医学部の数学
数学は他の科目より10分長い70分(前期)で、得点は他と同じ100点満点となっています。
2020年から獣医学科のみが解く問題が新設され、岡山理科にすこし近くなりました。
大問は7つありますが、
2020は大問1~4が獣医学科のみ異なる問題
2021は後半の(5)、(6)が獣医学科の受験生のみの問題
となっていました。
2021年の出題も他の学科と共通である問題と、
獣医学科のみの問題の複合になることが予想されます。
獣医学科のみの問題が追加され、
動物資源科学科、生物環境科学科、海洋生命科学科と問題構成が一部異なるのは、
現在のところ数学のみです。
変化は少しで、難易度は大きくは変わらない
北里の数学は岡山理科と並んで獣医系で最も簡単でした。
獣医学科専用問題の出現で少し難しくなりましたが、ほんの少しだけです。
今回の変更は、獣医学科の問題を難しくするためのものではなく、
動物資源科学科、生物環境科学科、海洋生命科学科
の入試を取り組みやすくするためのものでしょう。
これまで同様に数学が最も点が取りやすい科目であり、日大や麻布などと比較すると、明らかに取り組みやすく、これまで同様に岡山理科と同程度といえるでしょう。
数学が苦手でなければ、ここで75%は確実に上回ることが、合格の条件にもなってきます。
数学が得意な生徒は85~95%を目標にしましょう。
全体的に難易度は基本~標準レベル。
時間も余裕ではありませんが、十分すべてを解答する時間はあります。
他の獣医学科分析は → こちら
とにかく基礎計算
私立獣医の入試では標準レベルの問題が多く、学校の定期テストでいうと、最終問題クラスであったり、それ以上の難易度の問題が中心になっています。
しかし、北里は違います。
学校の定期テストで出題されるような、必ずおさえておかなければいけない計算問題や、典型的な流れの問題が非常によく出題されています。
他の私立獣医では解法の流れを増やすために根本理解をとにかく優先しますが、北里はなによりも基礎計算を重要視してください。
特に浪人生で北里の数学の前半が全問正解できないのであれば即刻勉強法を変えた方がいいです。
基礎計算の中にはパターンを知らないと非常に解きにくいものもあります。
とにかく問題集の分野の最初にあるような基礎計算は確実にマスターしておかなければいけません。
微積以外の範囲を中心に大問1~3くらいは基礎的な問題中心。
大問3~5くらいで、典型的な標準問題が出題されやすくなっています。
計算ミスが合否を分ける
北里は2019年までは大問1~6は解答のみを記載しました。
問題数に変動がありそうですが、回答のみを記載する問題が半分以上になるのは、
2022年入試でも継続されると予想しています。
つまり、ちょっとしたミスで大きく点を落とす可能性が、全記述の出題より高くなります。
基礎計算のパターンをしっかり理解しておくだけでなく、計算ミスをいかに防ぐか?ということにも正面から取り組みましょう。
私の生徒にも指導していますが、計算ミスはちゃんとした対策で大幅に減らすことができます。
「ケアレスミスだからまあいいか」と甘く見ないでください。
北里の数学は計算力が合否をわけます。
大問6,7は微分が中心
最後の大問は獣医系数学でメインとなる微積です
大問6は他と同じ解答のみを記述しますが、大問7では完全記述。
途中の解法も記載していきます。
複合の微積
単純に微積の問題よりも対数関数や三角関数などの式変形から微積と絡めてくる問題が多く出題されています。
ただし、その複合のやり方は典型的で、一般的な問題集をきっちり練習しておけば、必ず似た問題を見ることができます。
最後の記述も、なぜ最後だけ記述にしているのか不思議なくらいです。
他の問題同様取り組みやすいので、北里の大問7のために記述式を練習するという特別対策はほぼ不要といえるでしょう。
獣医学科専用問題
例が少ないですが、はっきりいって難しくありません。
他の私立獣医や基本に忠実な本質的勉強をしていれば全く無理なく時間に余裕をもって解くことができます。
対策・勉強法
使う問題集のレベルは注意が必要です。
大切なことは難しすぎる問題集は逆効果になるということ。
使う問題集としては黄チャートなどがちょうどいいレベルですし、センター問題集もかなり使いやすいです。
注意点として、共通テストではなくセンター問題集であることです。
共通テストは数ⅠAの出題形式が変更されたので、北里対策として使いにくくなりました。
私立獣医レベルの数学には、基本的には本質的な理解に基づいた数学が有利です。
しかし、北里はそこまで高いレベルがなくても合格点にたどり着くことができます。
定理の根本的解説がない4STEPや基礎問題精講などは、他の私立獣医を視野に入れるのであれば推奨しませんが、北里に限っていえば十分に有効な問題集といえます。
とにかく基礎計算
基礎計算のパターンは網羅しておく必要があります。
対数関数や三角関数、数Ⅰでよく出てくる計算などは、基本的な計算が非常に多く出題されています。
難易度の高い大学ではあまり聞かれないような定理を使っていることも時々あるので、基本計算は何度も反復練習し、身に着ける必要があります。
範囲はしぼりやすい
北里の数学はⅠAⅡBの全範囲から出題されますが、明確に出にくい範囲があります
- Ⅰのデータの分析
- Aの空間図形、整数の性質
- Ⅱの図形と方程式
です。
といっても必ず出ないと決まっているわけではなく、過去に上記範囲から出題されたこともあります。
逆に出題頻度が高い分野は集中的に勉強する必要があります
- Ⅰの計算問題、2次関数
- Aの場合の数と確率、平面図形
- Ⅱの計算、三角関数、指数対数関数、三角関数、微積
- Bのベクトル、数列
です。
出題頻度が低いことは明らかなので、出題頻度の高い分野を優先し、効率的に対策をすすめましょう。
ただし、北里以外が第一志望の場合は、北里の数学に惑わされず、全範囲を根本理解してがんばりましょう。
まとめ
- とにかく基礎計算を大切にしよう
- 典型的なパターンをしっかり学習しよう
- 難しい問題は不要なので、基礎問題を大事にしよう
- 計算ミスを意図的に防ごう
保護者の方へ
数学が苦手でも北里の獣医に合格することは間違いなく可能です。
現在の偏差値が40くらいでも1年半~2年あれば合格ラインまで行くことができるでしょう。
ただし、現在偏差値40~50程度の生徒は勉強法を間違えているので、ちょっと改善した程度では大きな成長は難しいでしょう。
獣医に特化した数学の勉強をするのであれば、ぜひお問い合わせください。
大丈夫、大丈夫といいながらお子さんの成績が明らかに不足している状況を改善できます。
よくある質問・料金などは → こちら
他の記事一覧は → こちら