北里大学獣医学部の英語
北里大学は獣医学部全体で問題が同じです。
英語は60分で100点満点になります。
マークシート形式なのですべてが選択式。
他の私立獣医と比較しても、標準的で他の大学と共通点が多く、
特別な対策は非常に少なくて済みます。
私立獣医を目指す人であれば、仮に第一志望でなくても北里の英語は対策として使用しやすくなっています。
獣医学科以外でも使える
獣医学科の前期試験は、
- 動物資源科学科
- 生物環境科学科
- 海洋生命科学科
- データサイエンス学科
と問題が共通です。
合格最低点が獣医学科と違う部分はありますが、以下の分析では獣医学科以外の学科でも使えるように作成しています。
私立獣医の英語分析
→ 日本大学 岡山理科大学 麻布大学 日本獣医生命科学大学 酪農学園大学
他の獣医学科分析は → こちら
難易度が高い2つの理由
北里の英語の難易度は比較的高いです。
その要因は2つ
- 時間に対して問題の分量が多いこと
- 高い得点率(75~80%)を要求されていること
一つ一つの問題は標準的であったり、簡単な問題も見られますが、総合的にしっかりした難易度になるように作られています。
タイムコントロールも含めて入試の直前には、しっかりした対策をとる必要があります。
大問1は長文からはじまる
最初は700語程度の長文から始まります。
受験問題の英文にその学科に関連する文章が出ることは受験あるあるですが、北里大学獣医学科にも同じ傾向。
基本的に獣医に関係する、特に動物の生態などに関する長文読解が高い確率で出題されます。
ただし、データサイエンス学科なども共通問題なので、生物系ではない理系文章が出たこともあります。
長文内に文法問題
私立獣医の特徴として、長文の中に長文の内容把握以外の問題が多いということです。
北里では、長文内の空欄補充として接続詞や文法的事項を選択する問題が毎回出題されます。
接続詞、前置詞、分詞、関係代名詞などは頻出ですが、それ以外の範囲からも出題されています。
単語の選択は長文読解力も必要
長文中の単語の意味を問われる問題は、
北里大学をはじめとした獣医系ではよく出題されるので、
動物に関する英単語を知っておけばそれだけで1問解答できることがあります。
もちろん、関連の英単語をしっているだけで、長文読解には有利になりますが、
明らかに知らないことを前提としている単語や表現も少なくありません。
長文の前後関係から意味を類推する力は確実に必要になります。
類推力は現代文の勉強と重なる部分があり、生物の文章題にも役立ちます。
複数科目を指導してくれる先生がベストといえます。
内容把握問題は標準的
長文読解のメインともいえる内容把握の問題も当然出題されます。
長文自体の難易度も700語程度では標準的であり、出題傾向も一般的です。
ただし、問題の長文だけでなく、質問文も英語になっています。
時間を気にしすぎると雑になり、質問文を読み間違える生徒をよく見ます。
長文にはしっかり時間をかけ、丁寧に取り組みましょう。
北里の特徴は会話文にあり
一般的な生物系の評論文はどの大学でも出題されますが、私立獣医で長めの会話文が出題される大学は限られています。
北里では会話文が出なかった年もありますが、比較的出題率は高いです。
会話文の内容も、出題されている問題も標準的であり、大問1の長文と比較すると取り組みやすくなっていますが、油断はできません。
私立型の長文対策ばかりしていると、会話文対策がおろそかになるので注意しましょう。
意外性も北里の特徴
また年によっては図表読み取りが出されたこともあります。
私立大学は問題の出題傾向を変化させることは少ないです。
しかし、北里は問題の順番を入れ替えたり、図表問題を取り入れたりと私立獣医英語の中でも最も変化があります。
時間配分を完全に固めても、出題順や内容が変化することがあるのである程度柔軟性をもちましょう。
時間に余裕があれば他の私大など、北里にあまり出ない問題も、多少でいいので練習しておければ理想的です。
文法問題にも変化あり
どの大学でも4~5択の文法問題は高確率で出題され、北里をはじめ私立獣医でも定番です。
問題数は5~10題と年によって変動が大きいです。
一方で難易度は基礎~標準レベル。
一般的なレベルの問題集を何度が取り組めば十分に対策できます。
また、2021は単語ではなく節や熟語で答える選択の文法問題が出題されるという変化がありました。
並び替えはある程度難しい
年によって出題されないことも多いですが、過去には文法問題の1つとして並び替えも出題されます。
並び替えは難易度が高めですが、日本語訳が与えられている分難易度は下がります。
5択の文法問題と同時に対策をしておければ理想です。
ただし、出題頻度が低く、問題数も少ないので、文法が苦手な生徒の場合はあまり時間をかけずに、他の分野に注力しましょう。
2021では並び替えが出題されないなど、英文法の比率は多少下がっていく可能性もありますが、2022は当然のように復活する可能性もあります。
エッセイの穴埋めが最後
最終問題として短めのエッセイに、空欄があり、そこに当てはまる文を選択します。
非常に巧妙なのが、10個の空欄に対して、10個の選択があること。
つまり、すべての問題が連動しており、独立していません。
最後の問題ということで、受験生を焦らせ、1つの文章が2つの空欄のどちらにも入る気持ちになったり、どの選択肢も適さなく感じることもあるでしょう。
大切なのは落ち着いて時間をかけてでも正しい選択肢を見つけること。
時間がなく、焦って10個うめるより、残り時間で適切な3つを確定させる方が点になります。
文章自体は比較的シンプルで、難易度は決して高くありません。
いかに落ち着いて取り組めるかが、最大のポイントです。
また、過去には文ではなく単語を挿入したり、TorF(〇か×か)であったり、そもそも形式が全く違う問題が出題されたこともありました。
しっかり問題文を確認しましょう。
対策・勉強法
まず大切なのは英単語です。
現役で合格するのであれば、共通テストレベルの英単語帳は、梅雨時期までには9割くらいはマスターしておきたいです。
浪人生であれば、
4月中に共通テストレベル、
梅雨時期までに共通テストレベルよりも1つ上レベル(ターゲット1900や速読英単語の必修編、生物系の英単語帳など)
を8割くらいは覚えておきたいところです。
単語は復習も大事なので、1度覚えてからも定期的に復習しましょう。
文法問題は反復練習
文法問題は最も早くから解く組みやすい対策です。
もし高校1,2年のときに獣医学部や医学部などの難関大、難関学部を目指す可能性が高ければ、早くから対策しましょう。
高校3年からでは、かなり厳しいです。
文法は時間がかかりますが、時間をかければ誰でも確実に高得点を狙えます。
ただし、長文への恩恵は少ないです。
時間をかけて何度も問題集を反復練習しましょう。
イディオムや並び替えも忘れず対策しましょう。
センター過去問を上手く使おう
会話文や長文の対策としてはセンター試験は有効です。
注意してほしいのは、共通テストは私大英語と形式が違うので対策として適さないということです。
長文・会話文対策に限定すれば共通テスト過去問は十分に利用できます。
センター過去問は、
北里に重要な、単語、文法、会話、長文、図表のすべてが網羅されており、全体的な難易度も近くなっています。
ある程度の英語力がついてきたときにはセンター過去問や模試の問題集などを10~30回分は解いておくのがいいでしょう。
現役生であれば夏休み、浪人生であれば梅雨時期~夏にセンターレベルの問題をたくさん解く時間を作りたいところです。
いきなり赤本は危険
赤本をチャレンジしはじめるのは、現役生だと
早くても9月。
標準で10~11月くらい。
遅くても12月。
その前にセンター試験のレベルで最低でも7割、できれば8割近くは取れるようになる必要があります。
よくある失敗は、単語力が不足していたり、
センターレベルが5~6割しか解けないのに夏休みに赤本を解いて、難しさにショックをうけるということです。
受験では、自分の勉強スケジュールだけでなく、いつなにを勉強するかという参考書や問題集のタイミングも重要です。
私の生徒ではそこに非常に神経をつかって指導しています。
まとめ
- 会話文は確実に対策しよう
- 単語力を早めにあげよう
- 旧センター過去問も有効活用しよう
獣医学科出身のプロ家庭教師の指導は → こちら
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