大人でも何が言いたいのかわからない人は少なくない
お子さんが
- うまく伝えられていない
- 何が言いたいのかわからない
そんな悩みを抱えている保護者の方は意外と多いです。
しかも、お子さんは幼稚園児や小学校の低学年ではありません。
中学生や、場合によっては高校生のこともあります。
年を重ねて成長すれば、コミュニケーション能力が上がってなんとかなるはず。
保護者の皆さんはそう思っていませんか?
よく話にあがることとして、
といった重要な話をしているもしくはしたいのに、コミュニケーションがうまくいかずに話が進まないというのがあります。
お子さんに正しい伝え方を示すことで、お子さん自身の伝える力も向上します。
私の指導では、私の伝え方がそのまま見本になるようにしています。
学校の成績という点数で示されるものに加えて、お子さんのコミュニケーション能力、中でも伝える力が向上するように構成しています。
時間が解決策になる保証はない
成長によって改善する場合もありますが、
上手くいかないケースも少なくありません。
あなたの周りに、大人でも何を言っているのかわからない人はいませんか?
部下や同僚、後輩、営業に来た社会人、お友達など。
気にしてみると、意外と簡単にみつかるのではないでしょうか?
伝え方は大人になった時に絶大な効果を発揮する
小中学生レベルであれば、上手く伝えられずにやきもきする。
親子喧嘩や友達との関係性に悪影響を与えることもあります。
もちろん、これも重要なことですが、大学生、さらには社会人になった時にはさらに大きな影響を与えます。
大学のレポートや就活の面接、社会人になれば報告書やプレゼンなど、
自分が言いたいことをわかりやすく整理して伝えることは、社会人の最低限の能力です。
「伝える」を上手に使いこなせば優秀な社会人として、高収入を手にすることも難しくありません。
コミュニケーション能力は間違いなく、現代人に必須の能力です。
私の指導では、国語(現代文、小論文)や英語の勉強の際に、論理的思考力の育成として同様の指導を行います。
高校卒業、大学入学、就活対策のどこかのタイミングで短期での指導でもコミュニケーション、プレゼンテーションの指導を行っています。
お子さんは自分が言いたいことはわかっているか?
そもそも、お子さんが何を言いたいのか?がうまく伝わらない原因はなんでしょうか。
コミュニケーション能力だと思っていませんか。
実は、上手く思考を言葉にできない生徒よりも、思考の整理ができない。
つまり、考え方(頭の中)の時点で上手くいっていない生徒が多いんです。
上手く言葉として発することができないのではなく、上手く考えられていないんです。
自分が何を考えているかを、整理するためには2つのポイントがあります。
そもそも伝えたいことの理解が不十分
実は、言いたいことがなんとなくしかわかっていないことが非常に多いです。
特に多いのが単純な知識不足。
今は情報は検索できる時代です。
その結果として、知識を暗記することに対する重要性を甘くみる傾向。
加えて、子供たちが暗記以外のことを重要視する傾向にあります。
やはり、基礎知識は暗記しなければ上手く使えませんし、物事を理解できません。
中学生や高校生がニュースを完璧に詳しく理解し、知識を覚える必要もありませんが、最低限の知識が必要です。
その最低限の知識は学校で習いますが、ニュースなどで身近な話題として出てきた場合には、
保護者の方と一緒に知識を身に着けていくことがよいでしょう。
整理が不十分
保護者の方が思う原因は、こちらでしょう。
言いたいことが頭にしっかりとあるのに、伝え方がわからない。
伝える順番がわからない状態です。
いわゆる焦って伝えようとする男の子に多くみられる現象です。
思考の整理には書き出すことが重要
まずは、頭の中を文字に起こし、紙やスマホなどにメモすることが重要です。
慣れてくると頭の中で同様のことができるようになりますが、
慣れるまでは書き起こすことが必要です。
この時点で何も書けない場合は、そもそも伝えたいことの理解が不十分。
つまり、お子さん自身が何を伝えたいのか、内容が不足しているということです。
私の授業でも階層化および具体・抽象などの話を論理的思考の練習として話をすることがあります。
これは社会人になっても役立ちますし、質の高い先生であれば普段の勉強との関連性を交えながら話すことができます。
伝え方ではなく、考え方を根本から身に着けなおす必要があります。
考え方には国語(現代文)が最適です。
国語の学習による理解力の向上は、すべての学問の基礎であると同時に、社会生活の基礎でもあります。
もちろん、英語や数学などすべての勉強にも大きく役立ちます。
複数科目を一人の先生が指導すべきなのも、他の科目に論理思考を組み込む必要があるからです。
論理を加えるには、国語とほかの科目をリンクさせなければいけません。
重要度と結論を書く
頭の内容が紙にかければ、ほぼクリアしたも同然です。
箇条書きでも、一つの文章になっていても大丈夫。
重要な項目順に順番をつけてみましょう。
その1位になったものが、本当に伝えたいことです。
1位さえ伝えられれば、相手に最低限の情報が伝わります。
そして、この1位を最初に伝えてしまうのが、アンサーファーストです。
アンサーファーストを身に着けよう
日本人はアンサーラスト。
つまり、結論を最後に言う習慣が身についています。
これは、場合によっては有効な方法ですが、意志を上手く伝えるには高度すぎます。
自分の言いたいことを上手く伝えられないお子さんは、アンサーファーストを身につけましょう。
アンサーファーストの例
最初に結論を言うのがアンサーファーストです。
アンサーファーストは、言いたいことがズバリ伝わるというメリットがあります。
普段の何気ない会話などは、アンサーラストがオススメです。
私たちは、人に何かを伝える場合には、前置きや基礎知識などを先に話します。
場合によっては頭の中を時系列で紹介してしまいます。
アンサーラストは、ストーリー調で感情移入しやすく楽しい反面、結論が最後までわからないので、聞き手には伝わりにくくなります。
アンサーラストの例
私たちは何かを伝えるときに、前置きから話はじめます。
まずは自分の思考経路と同じように、現在の状況から少しずつ伝えていくのです。
前置きや基礎知識を言うことで、結論に前に必要な知識をしっかりつけることができます。
聞き手には結論がわからないので、話は伝わりにくくなりますが、ストーリー調で感情移入しやすくなります。
おもしろい話や小説などには、最後に結論をいうことがオススメです。
このように、最後に結論をいうのがアンサーラストです。
赤い文字になっている部分が結論です。
今回は短い例ですので、そこまで違いがありませんが、
話が複雑になることで、伝達力は大きく変化します。
「困っています」というスタートも重要
少しずつアンサーファーストが身についてくると、上手く結論が言えずに、話はじめられないことが増えてきます。
つまり、何も言えなくなっていまうのです。
引っ込み思案な女の子などによく見られますが、
大人でも陥りやすい状況です。
それを解消するのが、魔法の言葉
「困っています」
です。
伝えたいことがあるけど、上手く伝えられない感じがする、アンサーファーストができなくて、困っています。
と伝えることです。
子供がしっかりと困っている、と伝えた場合に邪険に扱う大人はほぼいません。
子供がこれをいってくれたら、親御さんを中心に周りの大人が一緒に思考を書き出し、一緒に整理して、正しい伝え方の練習をしてあげてください。
ちなみに、大人でも、「困っています」といえることは重要です。
意外と就活や仕事などでも役に立ちます。
人間、頼られると助けたくなるものですよね。
アンサーファーストの練習には言葉の定義化が最適
アンサーファーストと思考の整理、思考力の向上の3つを同時に行うトレーニング方法が、言葉の定義化です。
身近にあるものを説明する。
ということです。
言い換えると、辞書を自分で作るイメージです。
例えば「ペン」
これを定義化(1つに絞り切れるように説明する、とこのHPではいいます)してみましょう。
筆記用具の一つ。
物を書くための道具で、主に紙などの平面に色を付けることで、跡を記載するもの。
といった説明ができるでしょう。
ちなみにウィキペディアには、
「ペン(蘭: 、英: pen)とは、硬筆の筆記具のうち、インクによって書く物の総称である。」
と書かれています。
このように身近にあるもの、ニュースで出てきた言葉、漫画や本に書いてある言葉などを定義化して説明してみましょう。
保護者の皆さんも是非一緒にやってみて下さい。
意外と難しいことに驚くと思います。
答え合わせはネットだけでなく、国語辞典などでも行うことができます。
プロ家庭教師による論理力と学力を同時に向上させる指導は → こちら
他の記事一覧は → こちら