都立高校入試の理科は対策するだけで確実に点が上がる
大問1は基礎問題の小問集合
大問2は思考力のようで、難易度の低い基礎問題
大問3は地学分野、まんべんなく基礎が出る
大問4は生物分野、植物が特に大切
大問5は化学分野
大問6は物理分野
まとめ
保護者の方へ
都立高校入試の理科は対策するだけで確実に点が上がる
都立高校の中でも、「進学指導重点校」に指定されている7校は、
英語(リスニング除く)、数学、国語で独自問題を作成しています。
(都立日比谷高、都立西高、都立国立高、都立八王子東高、都立戸山高、都立青山高、都立立川高)
ですが、上記7校も理科と社会は都立共通問題を採用しています。
進学指導重点校レベルであれば理科と社会は高得点が必須ですが、それ以外の都立高校を受験する生徒にとって重要な科目が理科と社会なんです。
理由は簡単。
中学レベルの理科では難易度を上げるのに限界があり、勉強が苦手な生徒でも点がとりやすいからです。
数学が苦手、英語が苦手という生徒ほど、理科と社会で点を稼ぎましょう。
大問1は全範囲からの基礎問題の小問集合
中学校の理科は、高校同様に
物理・化学・生物・地学
に分かれています。
大問3~6は上記4つの区分が独立した大問を形成していますが、この大問1は全範囲から出題。
あくまで基本的事項からしか出題されません。
まんべんなく出題されるので、中学3年間で基礎事項をしっかり勉強してきたが試されます。
また、物理分野や化学分野から光とレンズであったり、食塩水の濃度などひねってはいないものの、計算問題も出題されます。
難しくない計算は公式通りに解ける場合も多いので暗記で何とかなります。
ただし、上位校や高校で理系を選択する可能性が高い生徒は、中学生の時から理解を大切にしてください。
大問2は論理力や科学的思考力を試す問題だが、難易度は低い
大問2は分野別という分け方ではなく、全範囲の中から、思考力を試す問題が出題されます。
自由研究や四季の変化、登山のレポートなど、一つのテーマに沿った中で気づくような身近な現象と理科の考え方を結び付けています。
落ち着いて読めばいつもの基礎問題
一見出題方法が異なり、普通の理科の問題と異なるように見えます。
ですが、実際には理科の授業で扱った暗記や計算の基礎問題。
文章を落ち着いて読みましょう。
注意が必要なのが、しっかりと基礎項目を理解していないと、
日本語の書き方と自分の知識を結び付けられない、
ということ。
私の指導で最重要視していることですが、暗記ばかりではなく、理解をするということです。
理解の判断は理解の4段階をご覧ください。
大問3は暗記だけじゃない地学
大問3は第2分野の地学からの出題
高校で勉強する地学は暗記要素が濃いですが、中学レベルの地学は理解が大事。
地学は暗記だけで一定の点は取れますが、満点を取るのは大変になっています。
天体や惑星の範囲と地層の範囲からの出題が多いですが、昨年は天気と気象の範囲から出題されているので、まんべんなく勉強することが必須です。
大問4の生物は植物がかなりの頻度で出題
大問4は第2分野の生物からの出題
大問3の地学分野はまんべんなく出題されましたが、この大問4は生物の中でも植物から出題されやすくなっています。
生物を指導する先生は、国語や社会の先生と同じ人であることが理想です。
植物の実験問題はヨウ素液と細胞分裂が定番
特にでんぷんとヨウ素液の話や、植物の蒸散、細胞分裂そして遺伝の簡単な計算は頻出。
遺伝分野は社会的注目度が年々高まっているので、当分は最重要分野であり続けるでしょう。
この辺りは優先的に理解しておくと簡単に点が取れます。
でんぷんは唾液との関連性も聞かれるのでここは注意が必要です。
一方で人体に関しては大問1で聞かれることが多いですが、大問4ではほぼ聞かれません。
人体は多少でOKですが、2020年は出題されています。
植物や細胞生物の部分をしっかり理解できてから、人体に取りかかりましょう。
大問5の化学は電池と酸塩基(アルカリ)反応は確実に
大問5は第1分野の化学分野からの出題
第1分野は第2分野より理論的な分野で、論理的思考力がより必要となります。
化学は先生の質が大きく左右します。
頻出分野は電池と酸・アルカリ。
あくまで頻出というだけなので、熱反応なども出ます。
酸・アルカリは金属とセット
酸性物質と金属片やその他の個体との反応がやはり狙われます。
また、pHであったり、BTB溶液をつかった判定もしっかりと問われます。
同時に酸化と還元の意味もしっかり理解しましょう。
化学分野ということもあり、化学反応の前後の関係を模式図で表現されたものを選ぶものもあるので、化学反応式の基本はしっかり勉強しましょう。
この辺りはエネルギー問題と密接な関係があり、ずっと重要分野です。
記述で出たこともあります。
大問6の物理は電気と運動
大問6は第1分野の物理分野からの出題です。
計算や図表の読み取り、グラフから速度を考える問題など、難易度が最も高く、苦手だという生徒も多い分野だと思います。
また記述問題や、近年では電気の回路などを書く問題も出ています。
内容自体は基礎的あり、学校のワークや定期テストレベルのものばかり。
出題範囲も狭いので、きっちりとした対策をすれば、十分に対応できます
電気が最頻出
電気では、電流と電圧の関係性や、電気エネルギーを他のエネルギーに変換。
また、電気と磁力の関係性などがよくきかれています。
電気自体は理解をしていれば、簡単ですが、理解するまでが大変。
物理が苦手でなければ優先的に勉強しましょう。
ちゃんとしたプロ家庭教師や塾の先生などにしっかり習えば、確実に解けるようになります。
物体の運動は球や台車の坂道移動
滑車や記録テープを使った物体の運動もよく出題されます。
こちらも問題は難しいものは出ず、学校のテストでもよく出るような問題。
しかも、意外と計算問題はあまり出ません。
ただし、運動エネルギー、位置エネルギー、その和である力学的エネルギーなどの変動要因が出題されたりと、暗記よりも理解を求められています。
まとめ
理科が苦手な場合
数学や論理的思考力に自信がないなら、まずは暗記からはじめる
難易度でいえば大問1が一番簡単
生物は植物を中心に勉強する
理科が平均くらいの場合
一定以上の点数を取るためには、第1分野もしっかり勉強が大事
理解をメインにする感覚を養う
長い文章でもきちんと理解しよう
理科が得意な場合
面倒な暗記もおろそかにしないようにしよう
中学1~3年生用の定期テストレベルのワークの章末問題などを一気に解いて復習しよう
満点を狙おう
やっぱり大事な教科書レベル
都立入試の一貫した方針として、教科書レベルの基礎~標準問題が出題されるという特徴があります。
ひねったわかりにくい問題は出題されず、基礎事項をしっかり理解し、理解に基づいて暗記を行うことが要求されます。
真面目に3年間理科を頑張れば、勉強が苦手でも確実にいい点がとれるでしょう。
保護者の方へ
理科は暗記だから。
という考えは、半分くらいしか合っていません。
どのレベルを目指すのか。
大学受験を視野に入れて勉強するのか。
分野で得意不得意の偏りがあるのか。
お子さんがすべき理科の勉強法は、お子さんによって大きく異なり、受験への取り組み方も変わります。
お子さんの能力・目標・他の科目状況を総合的に考え、適切に指導してくれる先生であれば、理科の点数と楽しさは、1年で大きくアップします。
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