市川中学校の算数
市川中学校の入試は、第1回も第2回も各100点満点。
定員は圧倒的に第1回が多いので、志望度が高い生徒は全員第1回を受験します。
こちらの分析は第2回にも利用できますが、メインは第1回の受験者用となっています。
算数と国語は50分の試験時間であり、理科と社会は40分。
一般入試における合格最低点は大体220~260点(400点満点)。
他の科目より若干平均点が低い算数は50~60点が一つの目標となるでしょう。
算数で65点がとれれば、4科目のバランスがよっぽど悪くない限り高確率で合格となります。
普段の勉強では6割~6.5割を目安にしましょう。
千葉の中学入試の算数分析 → 国府台中等部 芝浦工業大学柏中学
埼玉県での中学受験を考える
時間との勝負にもなる
大問数は5つ。
50分の試験時間で解き切れない生徒も少なくありません。
最初から傾向を理解し、
時間をかけるべき問題
無理そうなら早めに諦める問題
の取捨選択が合否に重要です。
市川中学の受験を考えて、6年生の秋ごろから具体的な試験対策をしっかり行いましょう。
中学受験の対策塾は集団指導が多いですが、一人一人に合わせた時間配分の細かい調整までは基本的にしてくれません。
算数はもちろん、他の科目でもお子さんの状況に合わせて時間配分と解く順番を決めておきましょう。
方程式は利用OK
中学受験では基本的に方程式を利用しても大丈夫であり、市川もOKとなっています。
というより、問題で普通にxやyが出てきています。
将来のことを考えると、できるだけ方程式を使わない解法を理解していくことが重要です。
一方で、算数に自信がない生徒などは、状況をみて方程式を理解していくのも悪いことではありません。
注意してほしいのが、お子さんの個性を理解せずに、塾などのペースに合わせて方程式を勉強し始めてしまうと、お子さんの論理的思考力や創意工夫力を育てる機会を奪ってしまうということです。
塾の問題集の進み具合やテストの点数を見るのではなく、お子さん自身を見てあげてください。
最初は小問集合
最初の大問では3~5つの小問集合となっています。
ここ4年のうち最新の2025年を含む2年は5問。
大問1の重要性が高まってきており、基本的な計算や、難しくない文章題をいかに正確に点にできるかどうかがポイントです。
特に1問目はベーシックな計算問題が多く、確実に正解しましょう。
計算ミスを防ぐためには、計算に対する工夫の習慣が必須となります。
これは、指導によって改善できるポイントですが、改善には時間がかかります。
2問目に注意
市川中学校の最初の難関が大問1の(2)になります。
食塩水など、苦手な生徒が多い分野からの出題が多いです。
近年は標準的なものが多くはなっているので、そこまで警戒しなくてもいいかもしれませんが、時間の使い方に注意が必要です。
実際の難易度は標準的なので、市川に合格するレベルにあるお子さんであれば、落ち着いて対処すれば解ける子がほとんどでしょう。
3問目以降は典型問題
小問が3つのときの3問目は、グラフや統計関連の問題が出やすくなっています。
近年は3~5問目に図形や、図表をからめた問題が1~2問出題されています。
基本は文章題になっており、ジャンルは多様です。
基本的に典型問題が多く、一度は問題集で見たことがあるようなもの。
計算ミスに気を付けて、焦らず丁寧に正解を積み重ねる訓練をすれば、まったく怖くありません。
小技の誘惑にまけるな
中学受験では、典型問題に対して塾の技とか攻略法みたいな紹介をしているものが多いです。
完全に使いこなせるものであればいいですが、覚えるだけの小技を紹介しまくる塾や本は危険です。
生徒のことを長期的に考えていないので、おすすめしません。
勉強の本質的に間違えているので、中学入学後についていけなくなる原因の一つと言えます。
きちんと理解をさせてくれる先生の指導をうければ、多くの生徒がとまどう5年生の後半から増える応用問題でも対応できるようになります。
逆に小技の暗記という間違った勉強法に頼ると、応用問題、市川でいう大問2以降の正答率が大きく下がることになります。
5年生から伸びなくなる生徒は、算数を暗記で捉えてしまっており、受験日までに修正できず、志望校を2つくらいは落とすことになります。
上手く使えば部分的に便利なことは事実なので、小技を使う時は一部に限定しておきましょう。
大問2は年によって違う
大問2は、年によっては一つのまとまった大問ですが、別の年では小問集合として出題されます。
ここ5年は小問集合としての出題はありません。
2021年、2023年などは速さに関連した問題でしたが、2024年は規則性。
2025年や2022年も別ジャンルからの出題でした。
時間の使い方など細かい部分ばかりを練習せず、本質的な学力・計算速度を向上させる勉強法をしていきましょう。
各大問の難易度は標準レベルが多い
中盤~後半は、一般的な大問となっています。
各大問には2~3つの問題がありますが、基本的に答えを書くだけなので、途中の計算は採点に入りません。
最頻出分野は他の中学と同じ
市川中学の大問での頻出分野は、
- 速さ
- 立体図形
- 整数と比率
- 規則性
の4つです。
近年は規則性といわれることが多い、文章や図形の指定するルールを理解しながら読み解いていく問題が増えています。
前述もしましたが、ただやり方を覚えるのではなく、自分で考えて法則を理解することが求められやすくなっています。
もともと重要でしたが、読解力がさらに求められるようになったといえます。
難易度が高くなっていえますが、もともと正しい算数の指導を受けている生徒からすれば勉強方法を変える必要はありません。
立体図形は得意不得意が分かれやすい
算数・数学にはそもそも一定のセンスが必要ですが、
立体図形ではセンスが如実にでます。
算数は非常に得意だけど、立体図形だけ苦手な生徒もいます。
最初はチャレンジすべきですが、お子さんの性格や理解度によっては、優先順位を下げてもいいでしょう。
ただし、市川中学の立体図形は、そこまで難しくないことから、
正しい勉強をすれば、苦手な生徒でも解けるようになります。
整数におどろきすぎない
中学受験の整数問題では、高校数学に非常に近いレベルの出題があります。
市川でも、一瞬高校数学では?と思わせるものがあります。
一方で、問題文を正しく読み、一つ一つ落ち着いて考えていけば十分に標準レベルの学力で解答が作れるようになっています。
問題文の理解は国語の読解力ですので、国語と算数の先生が同じだと文章題も含めて算数と国語の勉強が効率的になります。
もちろん難しい部分もありますが、チャレンジする前に逃げ腰にならないように注意しましょう。
出題回数の多い分野
最頻出分野よりは少ないですが、出題頻度の高い分野が以下のものです。
- 平面図形
- 食塩水
- 確率
- 動点問題
これらも他の中学でよく出題されている分野なので、市川対策がほかの中学対策にもなります。
また、年によっては立体図形も平面図形もどちらも出題されることがあります。
参考書・問題集
全体的に難易度は標準的なものが中心で、一部が応用発展レベル。
一部難しい問題ばかりを気にするのではなく、標準レベルが安定的にクリアできれば合格に必要な8割は超えます。
奇問難問がないので、正しい対策をした分だけ合格率は高まるといえるでしょう。
問題集
○○塾にしかない、特別な問題集はいりません。
というより、市販されていない、塾に通わないともらえない問題集が必須の学校は関東に10校程度です。
市販されているものでも、塾のものでも、どちらでも成果はほぼ同じです。
問題集選びに迷った際には、お子さんの性質に合ったものを選ばれることをおすすめします。
まとめ
- 標準レベルの質を高めよう
- 6年の秋から細かい部分も対策しよう
- 塾ではなくお子さんの個性に合わせよう
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