成績が上手く上がらないのはテキスト選びを間違えているというパターンが多い
頑張って勉強しているのに成績が上がらない、という相談は非常に多いです。
特に、質の高い塾や家庭教師を選ぶことが難しい地方の生徒に見られる傾向です。
勉強において唯一ともいえる頼れる存在が学校の先生であることが多く、そしてその先生の質が決して高いと言えないことも多くあります。
これは学校の先生批判ではなく、生徒自身がそう感じているという話が非常に多いのです。
にもかかわらず、教科書を使い続けている生徒がたくさんいます。
非効率な勉強方法で時間だけかかり、ストレスを抱え遊びや趣味や友達との時間が減っています。
学校や教科書という狭い世界から脱出し、自分の頭で考える習慣がつくと、より楽しく効率的な勉強方法が見えてきます。
正しい勉強法は、大学生や社会人になると今以上に大きな効果を発揮してくれます。
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教科書が悪いのではなく、有効な使い方を知らないだけ
注意してほしいのが、教科書は質が低いからダメだという話ではありません。 (一部質が低い教科書も実際にはあります)
教科書の目的と、一般的な生徒やご家庭の目的にズレがあることが問題なのです。
最大のずれは、教科書は「自習に向いていない」ということです。
そもそも自習用に作られていません。
家庭学習に教科書を使うという行為自体がそもそも間違いなのです。
ですが、この事実を知らない人が非常に多いのです。
例外にだまされるな
よくある反論として、
クラスの成績がいい子が教科書を使っている
学校指定の問題集を使って○○大学(高校)に合格した生徒がいる話を聞いた
といったものがあります。
落ち着いて考えてください。
あなたやあなたのお子さんは上手くいっていますか?
周りの子のほとんどが教科書で楽しく勉強できていますか?
たしかに教科書(だけ)で勉強して学力が高い生徒はいます。
ただし、ほんの一部のはずです。
1割もいないでしょう。
わずかな例外をみて、現実から目を背けることはおすすめできません。
自習には教科書を使うな
私の生徒でよく起こる大きな変化は、
「自習の質が向上し、勉強が楽しくなり、自習時間も伸びる」
というものがあります。
この変化は、私と出会う前に教科書を使っている生徒だと顕著に起こります。
教科書が自習に向いていない理由
前述しましたが、教科書は自習用ではありません。
学校の授業と合わせて使う用です。
つまり、学校の授業の指針となり、学習指導要領という法律で決まっている範囲を漏れなく教えるための本です。
分かりやすく言い換えると、受験対策を考えて作っていないということです。
受験用ではない教科書で受験勉強が上手くできないのは当然です。
解説がついていない
問題集には解説が必須です。
解答解説がないと、問題集の効果は半減どころか1割もないといえます。
しかも、学力に合わせて解説の精度を変える必要もあります。
にもかかわらず、学校で配られる問題集には、解答解説の質が低い、もしくは付属していないケースがかなり見られます。
学校で教科書とセットで配られる問題集は解答解説がついていなかったり、学校の先生が意図的に解説を配らないようにしている場合が多いです。
これは、問題集の解説に相当する部分が学校の授業になっているからです。
生徒は自習で問題を解いてくる、解説は授業を聞いてノートを取る、復習は授業のノートを見ながら行う。
最悪です。
お子さんのペースで授業をするな、無理でも学校に合わせろと指定しています。
体調が悪くて学校を休むと生徒が悪い、という前提で設計されています。
ノートを取るのが下手な生徒は自習の効率まで強制的に低下させられます。
お子さんのやる気があるときに勉強ができないという害もあります。
さらに、解いて即復習が出来ません。
勉強効率が恐ろしく落ちますし、何が疑問だったか忘れたりすることもあります。
私は生徒に、解説がついていない問題集は捨てなさい(もしくは使わないように)と指導しています。
ちなみに、学校の先生のご機嫌と評価のために、仕方なく非効率な教科書や学校指定の問題集を使わざるを得ない生徒が非常に多いです。
真面目な生徒に非常に多く、男女で言うと女の子に多い傾向ですが、近年は男の子でも増えている印象です。
資料集とか面倒くさいと思う生徒がほとんど
中学校でも高校でも、地図帳や資料集などが付属しています。
教える側がみると、質が高く作られている本も多いですが、お子さんからすると大きくて重い、持って帰りたくない。となります。
最近はタブレット化も少しずつ進んでいますが、タブレットを有効活用できている生徒はほぼいません。
理由としては、
正しい使い方を理解していないこと
使いにくいこと
面倒くさいこと
が大きいです。
資料集は毎回使わないので、生徒が存在を忘れます。
実際には先生が使い方を複数回説明すべきですが、ほとんど実施されていません。
そもそも1回目で聞かない生徒は2回目、3回目でもその先生の説明はほぼ聞きません。
市販の高品質に作られた参考書は、普通の説明の間に資料が上手く挿入されているので、使いやすくなっています。
日々の勉強には「参考書+問題集」
教科書は使うな。
といわれると、じゃあどれを使えばいいの?ということになります。
このとき重要なのが、「この本なら誰でも大丈夫」という本は基本的にないということを知ることです。
つまり、お子さんの性格や学力に合わせて参考書や問題集を選ぶべきです。
まずは参考書
一番重要なのが、参考書から始めるということ。
つまり、問題集から買わない・選ばないことが重要です。
生徒に正しい勉強法を説明すると、いきなり問題集を買うことが非効率であると必ず理解してくれます。
参考書は長く使う(1~3年間くらい)ことが多いので、使いやすさが重要になります。
問題集は選ぶのが難しい
問題集は目的とお子さんの学力の2方向から考える必要があります。
良質で誰でも使いやすい問題集がないわけではありませんが、誰でも合うは誰にとっても合わないことと同義です。
その典型が教科書だったりもします。
実際私が生徒に問題集を推薦するときは、実際に書店にいって生徒一人一人の学力と勉強法・目的を考えて選びます。
さらに、1科目単独ではなく他の科目との相性も考えて推薦のテキストを選定しています。
該当するのは5冊以下
上記のような選び方を説明しても、「選択肢が多すぎて選べない」と思う人は多いでしょう。
私の指導を受けている場合は、数冊に絞ってご案内していますが、この記事を見るだけでも合うテキストがある程度選べます。
そもそも自分の条件に合っているテキストは、そこそこ大きい本屋さんでも5冊以下になります。
あまりテキストの種類が多くない科目の場合は、選択肢にいれるべきものは1,2冊ということもあります。
逆に言えば、本屋さんにいっても選択肢が多すぎる場合には、自分に合ったテキストが何か?をそもそもわかっていない証拠になります。
多いのがレベル感を絞れていないこと。
特に自分にとって難しすぎるテキストが選択肢に入ってしまっている生徒が非常に多いです。
志望校のレベルではなく、今の自分のレベルを模試や定期テストの点数・偏差値をみて再確認しましょう。
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