千葉県の高校入試の理科は意外と難しくない
公立高校の理科は基礎~標準が多く、千葉県でも同様の傾向となっています。
理科は暗記ではなく思考問題という傾向が強まる昨今、千葉では選択問題や短い記述が多く、 実験も比較的シンプルで取り組みやすくなっています。
理科が好きで、高校でも理科を楽しく頑張りたい生徒は、理解と暗記をセットで考える前提を持ちましょう。
今後はより思考力要素が強まっていくことが予想されますが、現状では知識だけで半分くらいは点数が取れます。
理科が苦手な生徒でも標準レベルをこつこつ勉強すれば7~8割くらいまでは誰でも取れる内容となっています。
逆に言えば、正しい対策をすれば点が取れ、対策を間違えると無駄が多くなります。
勉強方法が合否を左右するでしょう。
大問数は9つ
かつては大問8つでしたが、現在は9つ。
大問1が4分野が1問ずつ入った小問集合。
残りの8つの大問は、各分野が2つずつとなっています。
一つの大問のボリュームは少なめ。
無理に急がなくても解き切ることができます。
大問1は超基礎が4問
最初の大問は、もっとも取り組みやすい各分野の小問があります。
超基礎問題なので2年生の冬以降でこの問題が半分とけない場合は、勉強法も勉強時間もどちらも大きく間違えています。
今すぐに改革を行いましょう。
偏差値60以上の高校を目指す生徒は、必ず満点をとりましょう。
3年生になるころには普通に取れるはずです。
普段の定期テスト対策に加えて、模試などの全般的な復習がカギを握ります。
正しい中学入学準備をしていれば、小学校の延長で大問1が解けるようになります。
物理・化学の対策は効率が最重要
かつて第一分野とよばれたこの2つは、中学理科でも理解が重要です。
物理は計算と理解のバランス
千葉の物理は、計算問題の難易度が比較的高くありません。
特に大問2~5は各分野から1つずつ出題されますが、難易度が比較的低く設定されており、知識と理解で解答しやすくなっています。
近年は計算以外にも図表問題が増えてきています。
数値計算よりも、実験の思考過程とその結果を理解することが重要です。
また、中学物理で問われる実験は数に限りがあります。
物理が苦手、実験理解をやりきるには残り時間が足りない。といった生徒では、一定程度は暗記を活用するのもアリです。
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暗記に逃げすぎない
物理で暗記を使うという話をすると、最初から暗記のみだと勘違いする生徒がいます。
先生は、生徒の得意不得意だけでなく、性格まで加味して、極力理解ベースで進められるように工夫が必要です。
理科は身近で、物理ができると○○が楽しくなる。といった話を交えてあげましょう。
高校レベルは理解ができないと物理がほぼ進みません。
生徒の現状に合わせることが最重要ですが、中学時代から勉強の根本を外してレベルを下げてしまうと高校でかなり苦労することとなるでしょう。
化学は理解が重要
千葉県は比較的暗記要素が強いですが、化学は一定の理解をしましょう。
化学はそもそも学ぶ範囲が狭く、効率的に勉強すればあっという間に対策が完了します。
ただし、保護者の方が勉強したときより中学での化学は範囲が広く難易度はしっかりあります。
私の生徒でも、最も指導の効果が早く見られる分野の1つが化学です。
特に、理科の勉強方法を間違えていた女の子で、改善効果が大きいです。
化学をより正確に理解するためには、高校以上の勉強が必要なため、生徒に合わせてどこまで説明するかを変えなければいけません。
化学の先生は、必ず高校の化学を深い段階まで教えられことが最低条件。
生物・地学は暗記だけじゃない
かつて第二分野と呼ばれた生物と地学は、暗記要素が強いことは事実です。
同時に、暗記だけになりやすく、物理や化学よりお子さんが勉強方法を間違えやすいです。
生物や地学で間違った勉強方法を固定化してしまい、物理化学や社会などでも効率が悪いまま勉強し続けてしまう生徒が多いので、保護者の方の動きが重要になります。
生物は分類学
千葉県の生物は、問題文に一定量の文章があり、公立高校入試としてよくある図表が多く用いられています。
大問で文章はつながっていますが、それぞれの問題は独立して理解できるように工夫されています。
なので、途中でわからない部分があっても、指定された傍線部とその周りをしっかり読むことで、個別に解答ができます。
知識をつなげる勉強が必要
近年は分類学の要素がつよい問題が出題されやすく、1固体に着目した動物関連の出題が減っています。
一つ一つの知識をばらばらに理解・暗記するのではなく、それぞれの知識の関連性を理解する勉強が必要になります。
目標が偏差値50程度までであれば、無理せず暗記中心で大丈夫ですが、上位校の受験が視野に入っている生徒は、生物は暗記という考え方そのものを改めましょう。
地学は3つをまんべんなく
地学は
地層や火山と言った地面に関する分野
湿度や天気に関する分野
天体に関する分野
の3つです。
それぞれを1年生・2年生・3年生と学んでいきますが、上手く教える先生が最も少ないというのが私の感想です。
ですので、ほとんどの生徒が丸暗記で処理しています。
現実の現象と地学の勉強を交えて教えてくれる先生に習うと、圧倒的に効率化が達成できます。
一定量の暗記もあるので、正しい先生に習い、真面目に積み上げると、最も点が取りやすい分野といえるでしょう。
難易度と参考書・問題集
難易度は基礎~標準レベル。
特に重要なのが70~95点くらいを狙うハイレベル層。
(千葉高校・船橋高校・柏高校・東葛飾高校・鎌ヶ谷高校など)
理解力を高める必要はありますが、難問ばかりを解く必要はありません。
正しい理解と勉強法で、標準レベルを中心に勉強を進めれば合格点を上回ることができます。
高校の難易度が高いから、教科書レベルを超えた特殊な問題の練習が必要とはなりません。
参考書
参考書や問題集は基礎~標準よりも、根本的な王道の勉強法を継続することが重要になります。
分厚くてある程度値段のするものには、1冊で3年間使えるものがあります。
重要なのは教科書ではなく、受験を前提とした理解の参考書を用意すること。
問題集ではなく参考書が重要であり、学校で配布されるものは自習がしにくく、お子さんに合っていない可能性が非常に高いということです。
とりあえず塾のテキスト、という考えは教科書や学校頼りよりも危険です。
大切なのは志望校のレベルではなく、お子さんが勉強しやすいレベルだということです。
問題集は標準レベル
ほとんどの生徒は、基礎~標準レベルの問題集を使いましょう。
ハイレベル・発展と書いてある問題集は、上位私立や東京の有名校をターゲットとしており、千葉の公立高校受験には不要です。
まとめ
- 分野別にやり方が微妙に異なる
- 暗記と理解のバランスに着目
- 基礎~標準の精度を高めよう
保護者の方へ
千葉県の理科は計算が少なく、理解と暗記のバランスが重要です。
そして、偏差値60以下の生徒のほぼ全員、61~70くらいの生徒でも半数程度が理解という意味が不十分。
一部は短期間で成果が出やすいこともあり、勘違いを誘発しやすいです。
勉強方法を間違えていることが非常に多いです。
お子さんの性質や現状分析に合わせて、正しい指導をしてくれる先生が味方になれば、
点数の大幅アップはもちろん、お子さん自身の興味の拡大も達成できるでしょう。
高校受験は、点数や志望校の偏差値だけでなく、お子さん自身の成長のチャンスです。
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