東京女子大の数学
東京女子大には
ⅠAⅡB の範囲から出題される数学ア
ⅠAⅡBⅢの範囲から出題される数学イ
の2種類があります。
東京女子大学分析 → 基本情報 英語分析 日本史分析 化学分析
女子大分析 → 日本女子大 実践女子大 昭和女子大 津田塾大
数学はどちらを選ぶのか
数理科学科の数学専攻では、数学アと数学イの両方が必須になります。
一方で、数理科学科の情報理学専攻では、数学アは必須。
数学イは選択なので、選ばないこともできます。
他の学科は数学アを選択することも、外すこともできるので、
数理科学科以外では数学なしでの受験が可能です。
ほとんどの生徒には数学アのみをご覧いただければ十分ですが、数学イも合わせて分析を掲載しています。
数学が苦手でも合格できる
数学アもイも完全記述式であり、大問は4つで構成されています。
どちらも計算問題が中心となっており、公式がしっかり使えて、主要な典型問題に対応できる能力があれば、合格最低点は十分に狙えるレベルとなっています。
数学が苦手、難しいというイメージを持っている生徒は多いと思います。
しかし、東京女子の数学は大丈夫。
正しい先生の指導を受けて、正しい勉強をすれば、数学の点が今は低い生徒でも合格することができます。
合格最低点がポイント
数理科学科では、数学が必須。
さらに数学専攻では数学比率が高いので、数学が得意な人は非常に有利。
そして、最大のポイントは、数理科学科の合格最低点が低いことです。
数学は50%程度取れればいいので、得意分野に絞って勉強することで、短期間で合格をつかむこともできます。
王道の勉強法が理想ですが、ある程度暗記に頼っても合格点に届きます。
2025年1月以降(新課程)の入試に関して
現時点で高校1,2年生および浪人生が対象となります。
また、東京女子大学では2025年4月から学科が新設・再編されます。
数学アは大きな変更なし
数学アでは、
ⅠA(Aは全範囲)
ⅡB(Bは数列)
C(Cはベクトル)
となります。
一部改訂はありますが、大枠としては変更なし。
利用する問題集だけ注意していれば大丈夫です。
数学イも2025年はあまり気にしなくていい
数学イでは、
ⅠA(Aは全範囲)
ⅡB(Bは数列)
ⅢC(Cはベクトル・平面上の曲線と複素数平面)
となります。
数学ア分析
数理科学科だけでなく、文系学科で選択する可能性がある科目なので、極端に難しい問題は出題されません。
計算が重視されているのが大きなポイントになっています。
出題範囲は絞りやすい
出題傾向はある程度はっきりとあり、比較的読みやすくなっています。
A
数学A(整数の性質、確率)
確率は数学イでも出題が多い範囲。
普通の確率に加えて、条件付確率が高確率で出題。
確率分野がテストにあれば、条件付確率を疑うようにしましょう。
確率の計算自体は難しくないので、基本問題に加えて典型的なパターンをしっかり勉強しましょう。
また、整数の性質は証明も絡めて出題されます。
東京女子の数学で工夫が凝らされている出題あるので、なんとなくにせず、しっかり理解しましょう。
B
数Bのベクトル、数列はどちらも出題されます。
どの大学でも狙われる分野であり、数学を受験科目するすべての生徒が勉強しておく必要があります。
しかし、数学アではベクトルが圧倒的に出題頻度が高く、毎年出題されています。
微積と並んで優先度は1位です。
ベクトルはほぼ空間ベクトル。
空間ベクトルは、一見難しいですが、平面がしっかり理解できていれば、実は取り組みやすくなっています。
出題が空間ベクトルだからといって、平面をおろそかにせず、まずは平面ベクトルを固めましょう。
空間では球なども出題されているので、幅広い勉強が必要です。
Ⅱ
数Ⅱでは微積は必須。
数Ⅱレベルの微積は難しくないものの、典型的でしっかり勉強しているかどうかが試されます。
微積は空間ベクトルと同様に毎年出題されているので、優先度は1位です。
対数関数や三角関数は数学アでもイでも出題されることがあります。
ベクトルや確率などと比べると出題頻度が低かったですが、ここ2年ほどは出題されており、やはり侮れない分野となっています。
主要な範囲が終わったら、三角関数と対数関数を勉強するようにしましょう。
ア対策
アは難易度が高くなく、公式をしっかり覚え、それを使いこなすことができれば、十分に合格点を狙えます。
つまり、公式の本質的理解や公式の証明までは必要ありません。
まずは主要公式をすべて記載できるようにしましょう。
理系に進むのであれば理解までいけることが理想ですが、現在の学力と残り時間を考えて、先生と相談しながら決めるとよいでしょう。
計算が何より大切
計算問題の出題が非常に多いのも特徴。
公式を使った計算は必ずできるようにならなければいけません。
言い換えれば、これができれば合格に大きく近づくことができます。
黄色チャートレベルが最適
出題傾向として、計算や典型的なパターンの出題が多くなっています。
また、分野複合問題の出題はアでは非常に少なくなっています。
問題集としては黄色チャートや標準問題精講など、典型的なパターン問題を網羅的に演習していきましょう。
黄色チャートなどを使う際は、難しすぎる問題や一部証明問題は、東京女子の数学レベルより明らかに高くなっています。
東京女子が第一志望であれば、問題分析をしてくれる先生に、不要な問題を排除してもらうことで、より効率的な勉強ができます。
範囲が絞りやすく、難易度が高くないからこそ、標準レベルを何度も解く必要があります。
典型問題は頭で理解するだけでなく、体に染みつくくらいに勉強していきましょう。
とにかく、計算問題と典型パターンを大事にしましょう。
優先度
微積・ベクトル > 整数の性質・確率 > 対数関数・三角関数 > 数列・集合と論理 >それ以外の分野
数学イ分析
数学イの分析を見る人は、必ず数学アの分析・対策もみて下さい。
傾向は非常に近く、イの方が明らかに難易度が高いので、アのレベルは十分にクリアできる生徒を基準にイの分析と対策を記載していきます。
また、合格最低点が高くないので、数学ⅠAⅡBで高得点が取れる実力があれば、数Ⅲはできなくても合格を十分に狙うことができます。
高校3年生になる前に数ⅡBまで一通り終わっていれば、なんとか間に合うでしょう。
半分は数Ⅲ
数学アがあることによって、イでは、最低でも半分が数Ⅲから出題されます。
数学Ⅲをメインに勉強しましょう。
数学Ⅲでは、メインは微積と複素数平面です。
極限は一部の計算でたびたび出題されていますが、式と曲線は基本的に出題されません。
もちろん絶対出題されないとは言えませんが、式と曲線は優先順位を大きく下げましょう。
極限は基礎計算がでる程度なので、ここも基礎計算のみできるようになれば、それ以外は勉強する必要性はほぼありません。
なによりも微積
数学アでも最重要にあげましたが、数Ⅲの微積が数学イでの最重要分野になります。
比較的取り組みやすい計算のこともありますが、典型的なパターンをメインとした問題が中心です。
数Ⅲレベルの微積は覚えるべき公式も多めであり、計算は複雑です。
特に微分の計算が東京女子では重要なので、しっかり復習しましょう。
難易度が高くないおかげで、数Ⅱの微積が分かっていれば短時間の対策で点がとれるように作られています。
複素数平面が優先度2位
最重要は微積ですが、点が最も取りやすいのは複素数平面です。
微積は難易度が高めに設定されていますが、複素数平面は明らかに基礎的。
基本的な計算問題が解けるようになれば、大問1つまるごと正解することができます。
最も効率的に得点が取れる複素数平面は、苦手な生徒が多いのも事実。
苦手でも、計算問題のみで十分なので、計算練習を繰り返し行いましょう。
ⅠAⅡBの勉強は当然必要
数学イの得点だけを考えれば、優先順位は低いです。
しかし、数学イのⅠAⅡBは、対策をしなければ、約半分の点を逃すことになります。
数学イのⅠAⅡBでは、数学アであまり出題されなかった分野が重要です。
特に浪人生などは難しい数Ⅲ対策に時間をかけすぎて失敗するので、基礎を大切にしましょう。
最重要な数列
ここではほぼ確実に数Bの数列が出題されます。
難易度としてはアのベクトルとほぼ同様。
基本的計算はもちろん、漸化式が非常に出題されやすくなっています。
漸化式はしっかり学ぶと非常に簡単。
点が取りやすい分野となっています。
数列以外は全範囲
最初の大問はⅠAⅡからの出題です。
ここは唯一分野が読めない範囲。
ただし、もともと数学アの対策をしていれば、ひろく勉強しているはずなので、そこまで特別に感じる必要性はありません。
時間が限られている場合は、ここは捨てて、他の大問で勝負をしても、合格最低点を超えることは十分に可能になります。
イ対策
数学イも、基本的傾向はアと同じなので対策も同様です。
問題集のレベルとしては、アと同じ程度の問題集を利用するのがよいでしょう。
数Ⅲの微積が最優先ですが、当然その前に数Ⅱの微積を学習する必要があります。
基本的には、数ⅡとⅢに境界を作らず、一つのまとまった分野として勉強すべきです。
その後は、複素数平面と数列を頑張りましょう。
複素数平面は計算のみで大丈夫ですが、数列は漸化式が必要です。
漸化式のみを勉強すると考えると、痛い目にあいます。
数列はしっかり基礎の等差、等比数列から学習し、積み重ねましょう。
基礎計算と典型問題
数学イでも基本計算が何よりも大切です。
各分野の最初にある計算問題は何度も反復して基礎計算力をつけましょう。
一部の問題はその基礎計算力だけで解答ができます。
地道な基礎計算が合格への何よりの近道になります。
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