算数と数学の根本は同じでも、違いはしっかりある
算数は数学のベースとなっているので、算数で用いた技法の多くは、数学でも当然使います。
実際に、中学受験で学んだ
平面図形の手法
規則性(数列)
組み合わせ(場合の数)
など、ほぼ大学受験の入試問題と変わらないレベルが、中学受験で出題されることもあります。
小学校時代の算数は確実に数学に活きます。
算数が得意な子は、数学も得意になる可能性が高いです。
逆に、算数が苦手だった子は、数学に進む前に、小学校レベルの算数をしっかり復習することが、最終的に早く数学を上達する秘訣となります。
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高校への基礎であることを理解する
高度な数学は大学でも一部の学科でしか使わないことを考えると、とりあえずのゴールとして大学受験があります。
「あれ?その前に高校受験があるのでは?」
と思うかもしれませんが、高校受験(中学数学)で問われる内容は、
高校での数学の基礎になっています。
勉強法としては、中学数学も高校数学もほぼ同じ。
中学1年生から正しい数学の勉強法を身に着けることで、6年間の活用(さらに先でも有効)が約束されます。
中高一貫の場合はさらに有効
東京を中心とした中学では、私立ではほぼすべてが中高一貫(大学附属のことも多い)です。
現在では公立中学(都立中学)でも
千代田区立九段、桜修館、小石川、三鷹
など中高一貫校が増えてきています。
神奈川にも、川崎高等学校附属中、横浜市立南高等学校附属中など5校、
埼玉でも、浦和中学や大宮国際、伊奈学園が公立の中高一貫となっています。
私立公立にかかわらず、中高一貫校では、中学3年の春~夏ごろには高校レベルの数学をスタートさせます。
そういった生徒には、大学受験を前提とした数学の勉強法が必須。
中学生の最初から身に着ける効果はさらに大きくなるといえるでしょう。
具体的にはどう違う?
細かいルールでの違いは多くありますが、最大の違いは、
中学以降は、x(エックス:文字式)を使うということです。
小学生では、アルファベットをつかわずに、□や〇、△などを使っていました。
(一部中学受験塾などでは、小学生のときから文字を使います)
中学受験の勉強をした生徒であれば、文字は比較的スムーズに対応できます。
逆に中学受験をせずに、公立中学にあがった生徒にとって、最初の障害の一つになります。
最大の敵はあてはめ病
中学受験では、ある程度範囲を絞った後に、具体的な数値を何パターンか当てはめて、答えを探る手法がよく使われます。
これは中学以降の数学では、利用する機会が激減します。
(あてはめて正答を導き出す行動は、実生活では非常に役に立ちます。さらに、高校数学以降の数学でも使うことがあります。あてはめを練習する行為自体は非常に重要ですし、意味があります。
具体的には、概算思考と科目複合で中学以降も大人になってからも役に立ちます。
中学以降は数学では当てはめを活用する機会が激減するので、困ったらまず当てはめるという小学生の考え方では、成長を阻害することになる、という面があります。中学生になったら、いったん当てはめから卒業する必要性が高いと言えます。)
迷ったら、小学校のときのようにとりあえず当てはめてしまう、
というあてはめ病は、中学受験で偏差値50~60程度という、算数がまあまあ得意だった生徒によく見られます。
特に入試の直前対策に力を入れている生徒は、イメージを変える必要があるので、切り替えに時間がかかります。
小学校のときに算数ができたのに、数学でちょっと難易度が上がった問題でつまずく場合には、あてはめ病にかかっているケースがあります。
これが厄介なのは、自分であてはめばかりして、中学の計算方法が身についていないことに気づかないことです。
中学ではなんとなく絞って当てはめるのではなく、正しい計算式を追加して、ズバリ正答を導き出します。
小学校のときに、範囲の都合で使えなかった理論が使えるようになるからです。
理解の4段階でも書きましたが、わからない(改善すべきポイントがある)ことに気づいていないと、変えようという行動がとれません。
家庭教師など、子供のあてはめ病に注意して日々観察してくれるいい先生がいない限り、見つけるのは至難の業といえるでしょう。
最初に学ぶべきこと
中学入学時には、負の数の考え方や絶対値など、算数では用いなかった考えが入ってきます。
しかし、そういった一つ一つの技術は、算数がある程度わかっていれば問題なく習得できます。
その習得が遅れても、数学全体への影響は軽微といえます。
文字を学ぶ上で欠かせないこと
実はあてはめ病もxも、文字式を使った計算形式を理解することで解決できます。
そのxを学ぶためには、
- イコールの性質
- 方程式における四則計算の意味と関係性
の2つをマスターする必要があります。
これは中学1年の1学期に習う「移項」をしっかり理解しておくということです。
移項をルール暗記ではなく、根本で理解しているのか?が、中学以降の数学理解に明確な差を生み出します。
実際、数学が苦手な高校生のほぼ100%が移行を理解せずに3年以上使い続けており、これが数学が苦手になるきっかけの一つになっています。
マイナスが楽勝から油断がはじまる
数学も英語も、中学1年生の1学期の内容は非常に簡単。
ここで、中学校の勉強は難しくないと勘違いする生徒が非常に多いです。
逆に、中学の最初で失敗すると、やる気を失いがちです。
つまり、最初は上手くいっても失敗しても油断してはいけません。
私の生徒では中学入学準備や、入学直後の勉強で油断を徹底的に排除します。
受験が終わって部活など新生活が始まる、小学校6年生の2,3月~中学1年のGW(5月)までに切り替えを完璧に行うことが肝要です。
小学校の復習をしよう
中学生だから、いきなり中学校の教科書を広げるのは間違いです。
特に、算数の偏差値が50を下回っていた生徒は、小学校時代の算数でのルール確認が必須。
実際には中学知識を交えながら、復習と予習を複合させて再確認する必要があります。
算数は日本に限らず全世界の共通言語であり、ルールは小学校も中学校以降も同じになります。
国語力が低い生徒や算数が苦手な生徒には、正しいルールを守らずに、自分にしかわからない独自ルールを作る生徒がいます。
一般の生活での独自ルール自体は、生徒の独創性にかかわるものなので、安易に否定できません。
数学のような形式がすでに決まっている者に対して、小学生や中学1年の、基礎がない時点での独自ルールは絶対にダメです。
算数レベルの独自ルールは絶対に、改善し、正しく、全員と同じ理解をし、共通ルールを手に入れましょう。
私の指導では、お子さんの個性を伸ばしつつ、必要なルールは守るように授業を組み立てています。
共通ルールを確認しよう
小学生が間違えがちな算数のルールとして、
- かっこの使い方と計算手順
- 分数の計算と、仮分数・帯分数の使い分け
- 少数と分数を切り替える
の3点があります。
これらを見て、怪しいなと思ったら必ず復習してください。
絶対に間違えない自信がある状態が作れて初めて、中学校レベルの数学に取り組みましょう。
問題集と使い方
偏差値が55程度あり、上記の基礎理解を徹底させればある程度は一人で数学を進めることができます。
学校の授業に頼ることなく、毎日一人で一定の問題数を解く習慣をつけましょう。
オススメ教材
基礎からのチャート式(Amazonリンク)
といったものがおすすめです。
大問構成が高校レベルの問題集と同じで、習慣化を生み出しやすく、解説も多めにあるので一人で取り組みやすいです。
算数が苦手だった生徒は、
ニューコース 問題集(Amazonリンク)
中1数学をひとつひとつわかりやすく
は、解説が丁寧で問題も取り組みやすいものが多いです。
毎日4問すすめよう
どの教材でも構いませんが、毎日〇問すすめる、と決めましょう。
基本的に平日には毎日進めて、家庭教師などを利用されていれば、わからない部分をまとめて質問するのがいいでしょう。
もちろん、学校の先生、親、兄弟姉妹、学校のお友達、など聞ける人には誰にでも聞いてください。
自分で1日の量が設定できない生徒は、
- 数学が苦手だったり、難しく感じる分野は2~3問
- 数学がそこそこ得意なら毎日3~5問
- 頑張れる子は毎日5~8問
を目安にするといいと思います。
これだけであれば、1回の数学の勉強時間は15~45分程度になります。
問題集に〇△×
ひとりで完全に正解できた問題は〇、
わからない問題には×、
やりかたはわかっていたけど計算ミスなどをした惜しい問題には△
というマークをつけましょう。
最初は×でも、勉強するうちに△になり、〇になります。
2回連続で〇がつけば、その問題はクリア。
復習する必要は、基本的にありません。
×や△がたまってくるのは、努力の証。
何度でも間違えましょう。
そして、×が△になったら大いに喜びましょう。
いきなり○にする必要はありません。
週末は復習
土曜や日曜を利用して、1週間で上手くいかなかった問題を復習しましょう。
ただし、復習の前にわからない部分をしっかり解決してください。
わかるけどできなかった問題、を一人で復習することがポイントです。
人に聞いた後に、しっかり自分ひとりで復習しなければ、2週間もすれば忘れてしまいます。
ひとりで解ききる練習が最も力になります。
まとめ
- 小学校の復習からはじめよう
- ずっと役立つ方法を身に着けよう
- ひとりでやりきるチャレンジをしよう
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