豊島岡女子学園中の理科
豊島岡女子学園中では、
理科の配点は50点。
算数や国語の半分となっています。
第1回~第3回まですべてに理科があります。
また、出題傾向も基本的に変わらず、大問は4つとなっています。
どの中学でもそうですが、
第1回が比較的取り組みやすく
第3回が一番難しくはなっています。
ただし、第1回、2回、3回でそこまで大きな難易度の変化はありません。
豊島岡女子分析 → 算数分析
中学受験直後にすべき入学準備
4分野がまんべんなく
大問1が物理
大問2が化学
大問3が生物
大問4が地学
となっています。
基本的に毎年この傾向です。
科目を複合させるメリット
国語や算数の力を上手く理科に利用できることで合格率が高まります。
理科にかける勉強時間を最小化するとともに、理科や社会に加えて算数の点数も大幅に向上させることができます。
理科は理科、算数は算数と科目を完全に分割しているようでは、効率が悪いだけでなく、受験に不利です。
大手塾の中には科目別に先生が異なることが一般的であり、経営上のメリットは大きいですが、生徒側の効率としては不十分になりやすく、特に塾のペースより遅れがちなお子さんではデメリットが大きくなります。
さらには中学入学後にも大きな影響を及ぼします。
最初は少し大変ですし、科目を複合して教えられる先生は少ないですが、先生の質にはこだわることをおすすめします。
集団指導塾では、基本的に科目別の指導となっています。
もちろん、集団指導塾にしかないメリットもあるので、お子さんの個性や予算に合わせて併用したり、使い分けたりしましょう。
それぞれの分野で難しさがある
大問1は物理です。
グラフや図が多用されており、理論とともに脳内で実践的な状況をイメージすることが求められます。
物理は計算が非常に多く、豊島岡ではほかの女子中学入試の理科と比べても多いです。
理科は好きだけど計算が苦手だったり、計算ミスが多い女の子は少なくありません。
式を作ることが簡単なようで難しい
式を正しく作るには、公式を暗記するだけでは不十分。
豊島岡女子の物理はかなりレベルが高いです。
ただ公式をパターンで暗記すると、塾の問題集などは5年生くらいまでは解きやすくなっています。
実際超難関中学を除けば、その方法でしっかり合格することができます。
豊島岡女子ではもう一歩踏み込み、公式の意味を可能な範囲で理解しなければ計算式をうまく作ることができません。
このパターンだから、こういう風に式を作るといった暗記では不十分だということです。
(小学生では学習範囲の都合上で原理を十分に説明できない部分もあるので、実践的には暗記をすべき部分も一定量あります)
そもそも物理に苦手意識が強い子も多いので、楽しみながら原理を理解し、まずは標準レベルをしっかり練習してから、入試レベルに向かいましょう。
物理は理解度を高めると、式を作るまでの思考手順がわかるようになります。
大問2は化学
化学は変化の学問であり、豊島岡女子では物質の組み合わせと計算が問われます。
物質の個別の性質は暗記する必要がありますが、ただ暗記するだけではなく比較と理由付けをしながら暗記が必要です。
物理と同様にイメージや実物の映像を加えていくと、暗記の質が上がります。
一方で実験自体は、一つ一つ分解すれば全く難しくありません。
長い文章で、物質と反応が複雑になりがちなので、実験のシンプルさを上手く処理できる練習が必須と言えます。
難しそうなものを簡単に捉えられる指導をしてくれる先生が効果的です。
国語力が大きく活きる分野の1つといえます。
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生物は図表と共に
大問3の生物は知識をいかに図表と合わせられるかがポイントです。
物理や化学より実例の暗記比率が高く、植物などでは特に暗記が重要です。
暗記が重要だからと言って、文章や一問一答形式の問題集ばかりだと、豊島岡女子には対応できません。
一つ一つの知識に、写真やイラストを合わせて勉強していきましょう。
絵を描くのが好きな女の子であれば、生物学の素質あり。
見るだけでなく、描くことは大学でも行う勉強法であり、理解に役立つだけでなく、楽しみもプラスされます。
生物にも実験や計算がある
生物は暗記が重要だと述べましたが、暗記だけでは合格最低点を超えません。
暗記をベースにしながら、実験や観察結果を整理して理解する必要があります。
生物は中学受験でも実験が大事で、実験には理解が必須。
実験理解にはパターンもありますが、国語と算数の力をうまく生物にも応用できるような指導が有効です。
最後は地学
大問4は地学です。
現実問題として、最も知識要素が大きい大問。
実験はありますが、生物などよりも取り組みやすく、計算もほぼありません。
社会や一般常識が活きる部分もあるので、知識欲が旺盛な子が有利になります。
知識量や理解は必要ですが、地学はパターンが限られており、勉強もしやすいです。
4つの大問で一番時間がかからないので、できれば最初に解き始めましょう。
計算も難しい
実験の原理自体は一般的なものですが、配置や組み合わせが非常に複雑です。
物理の重りは数が多く、
気圧のイメージが難しい出題があり、
電気では単なる電球だけでなくLEDも出題されています。
化学では一つの問題に対して数値が多くあり、限られた時間の中でどれが大事なのかを判別する必要があります。
生物や地学でも数値にかかわるものがありますが、数値や実験を選択問題を使って理解できているか問われる問題もあります。
数値的な思考が必要なのは、数がかかわる計算問題だけではないということです。
理科の知識と理解
算数の計算力
国語の読解力
この3つすべてを高いレベルにしなければ、計算問題に対応することは難しくなっています。
理科の先生をつけるのではなく、理科も含めた複数科目を1人の先生に教えてもらいましょう。
生物と地学もイメージが大事
大問3,4の生物と地学。
豊島岡女子の入試では計算自体は多くありません。
一部は計算が出題されますが、物理・化学の計算が出来る子であれば、生物と地学の計算対応しやすいでしょう。
知識があるのは、当たり前という状態を作る必要がありますが、実はこれに結構な時間がかかります。
積み重ねが必須です。
参考書・問題集
理科の難易度の高い問題のためにまず必要なことは、理解と暗記です。
同時に、最重要といえるのが、国語などで身につく読解力です。
理科の勉強も大切ですが、国語の勉強にかなり力を入れてください。
生物と地学はもちろん、化学と物理でも知識がなければ理解も進みにくくなります。
まずはしっかり基礎~標準レベルの勉強をしておきましょう。
参考書や問題集では、一つ一つの項目に対して、詳細な説明がついてあるものが有効です。
深い理解もそうですが、しっかり暗記を固めることも求められます。
理解には図表が必要で、イメージには写真も有効
前述したように、生物では写真が有効な場面も多く、地学や物理では図がイメージづくりに役立ちます。
ただし、図が豊富な参考書は分厚く、持ち運びにくく、使い方が難しく面倒になりやすいです。
使い方を最初に丁寧に説明することは必須。習慣化するまでは、時々一緒に調べて確認していくことが必要です。
前に教えたでしょ、は大人の論理です。
豊島岡を視野に入れているということは、お嬢さんは同世代よりかなり優秀でしょう。それでもまだ小学生です。どれだけ優秀な子でも、抜けもれは発生してしまいます。
問題集は、解説が豊富なものがよいですが、解説だけでわからない場合は参考書を上手く使えるようにすることも重要です。
解説があれば理解ができるか?と言われると問題によります。
問題集の解説だけでなく、参考書の解説が必要なシーンは少なくありません。
豊島岡女子のレベルを考えると、ハイレベルな問題集を使い始めるタイミングも重要です。
加えて、高難易度のものは他の科目とのバランスが重要になります。
まとめ
- お子さんの得意不得意を見極めよう
- 楽しみながら勉強しよう
- サポート選びも重要
保護者の方へ
理科は楽しめる子と楽しめない子の差が大きい科目です。
特に女の子で顕著であり、豊島岡女子の理科はハイレベルだからこそ、楽しく勉強できている子に有利に作られています。
また、他の科目が活かしやすい総合科目であり、豊島岡女子では他の科目を活かせることが合格のための条件と言えるかもしれません。
質が高く、複数科目を複合させて教えられる先生がついてれば、かなり有利になります。
保護者の方のサポートと、塾や家庭教師のサポートの差が大きく合否に影響するでしょう。
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