「数学(算数)の文章題が解けない」を解決する方法

 

文章題を算数(数学)単独で考えると成長しない

文章題は、

中学受験
高校受験
大学受験

だけでなく、

一般企業での就職試験や公務員試験

でも出題される分野となります。

「文章題が出来ないということは一生の問題となる」 といって、差支えないでしょう。

 

質の高い教育を求めるなら複数科目指導できる先生がおすすめ

基本的に算数(数学)と国語(現代文:特に評論)は同じ先生に教わるのが理想です。

複数科目を統一した理論で指導してくれる先生は限られていますが、科目別の先生より質が高いことが多いです。

普通の学校や集団指導塾では受けられない理論です。

ただし、単純に指導科目が複数なだけで、複合させるような理論を持っていない先生もいるので注意してください。

 

似ている科目・似ていない科目

前述したように算数(数学)と現代文を同じ先生に指導してもらった方がいいのには理由があります。

実は2科目とも、本質的な指導をする場合に似ているからです。

ちなみに英語長文の読解も共通点が非常に多く、似ている科目といえます。

 

一方で、生物・地学と歴史・地理も似ている科目です。

理科は理系で社会は文系と考えている方が多いですが、文理選択も含めて複合的に考える時代になっています。

こういった考えは、算数の文章題にも通じる理論であり、できれば中学生の間に指導を受けておきたい内容でしょう。

 

ここにあげたのははっきりと似ている部分が多い科目の組み合わせですが、基本的にどの科目も共通性があります。

ただし、古文と数学のように(高校までの勉強や大学受験では)共通性が少なく、あまり似ていない科目も存在します。

 

文章題を算数(数学)単独で考えると成長しない

算数(数学)と国語(現代文)がどちらも、根本理解をもっとも求められる科目であるということ。

言い方を変えると、論理的思考力を育てるための科目でもあります。

どちらも =(イコール) をつなげていくことで最終的な解答に達するという面でも同じです。

現在話題の就職戦線では何十年も言われている、地頭力に直結しているのが、この論理的思考力です。

今大人気のプログラミング思考も論理的思考力とほぼ同じです。

 

こういった論理的思考力を上げる第一歩として、正しい理解の工程を知るということがあります。

にもかかわらず、一般的な塾や予備校では教えてもらえません。

 

英語、理科(生物・地学分野)、社会(歴史・公民)においても、もちろん根本理解は非常に重要ですが、
国語や算数(数学)に比べると暗記要素が圧倒的に強いです。

ただし、何を目標にすえるかで、単なる暗記科目から脱却しやすくなりますし、前述したように共通性は高まります。

 

文章題が解けないのは、論理的思考力が身についていない証拠

算数(数学)の基本的な計算問題は、その計算ルールさえ暗記してしまえば、誰でも解くことができます。

 

なぜそうなるのか?

が、わかっていなくても、ひっ算をすれば、桁数の多い掛け算や割り算を解くことは誰にだってできる、ということです。

 

ですが、

  • 小学校4年生から増えてくる算数の文章問題
  • 中学受験で求められる高度な算数の問題
  • 中学校2年生で習う2次関数とxy平面
  • 中学校3年生で習う数学証明問題
  • 高校の偏差値50以上で求められる難しい数学

 

こういったレベルでは、計算力 + 論理的思考力が求められます。

いわゆる、「暗記では算数(数学)は解けない」ということです。

 

有名な数学の本に、タイトルでは数学は暗記だ(Amazonリンク)というものがあります。

タイトルでは暗記だと言っていますが、根本理解の上に暗記のパターンを乗せましょうと言っており、単純暗記ではないことをしっかり説明してくれています。

高校数学勉強法に関する良書です。

 

暗記力が高い生徒は、定期テスト前に覚えることである程度解けることもありますが、
学年末テストや実力テスト、もちろん入試などでは完全に忘れていて、解けないということになります。

 

文章を読んで論理的思考力を問う問題は、難関中学の入試だけでなく、
都立をはじめとした公立高校入試の理科社会でも出題頻度が高まっています。

 

また、2021年1月からスタートした大学入学共通テスト(旧センター試験)では、数学での文章題が大幅に増加しました。

2025年もその傾向は継続中ですし、今後も続いていく予定です。

今の小中学生だけでなく、高校生も文章を論理的に正しく理解するということは必須事項である証明といえます。

この傾向は、受験(推薦・一般の両方)を中心とした学生時代に役立つのは当然ですが、実は社会人になってからの方が役立つ能力ですので、いいことしかありません。

 

中学入学前にはこちらをご覧ください

文章題が解けない原因

解答を見たときに、計算式さえあれば答えば出る生徒が多いです。

つまり、文章から式が作れないから、文章題が解けないのです。

 

なぜ式が作れないのか?

 

日本語で書かれている文章の意味が理解できていないからです。

つまり、国語(現代文)が出来ていないんです。

 

子供たちに聞くと、

「日本語なんだから当然読める」

なんて解答が返ってきます。

 

それは、読めている(発音ができている)だけであって、
読めている(理解できている)わけではないのです。

 

文章題は、論理的構成に従って、書かれています。

日本語の論理のルールを理解していれば、内容もしっかり理解できます。

 

文章題が苦手な生徒に、数学の文章題の内容について聞いてみて下さい。

びっくりするほど、文章の意味が理解できていません。

ですが、文章自体は難しくないものが多いので、しっかり説明すれば理解をしてくれます。

最初は理解が出来なくても、正しい指導をうけていけば文章題も文章の意味を理解しながら解けるようになっていきます。

計算の上達が、論理力向上の近道

実は、論理的思考力を上達させるには非常に時間がかかります。

 

ちなみにその一助となるのが理解の4段階です。

そのためにも、算数(数学)では、論理的思考をしていく時間を増やす必要があります。

さらに、後述する構造化は大きなポイントとなります。

 

実際には計算に時間がかかったり、計算に意識が奪われることで、論理をちゃんと考えられていない場合が非常に多い。

それを小学校の高学年や、中学のはじめに繰り返すと、自然と算数(数学)が解けなくなります。

 

理解ができない → 問題が解けない → つまらない → 勉強しない → 次の分野も理解ができない

このサイクルで、1か月もすれば算数(数学)が苦手科目に変わります。

少なくとも計算ができれば基礎問題は解けます。

 

もちろん計算に自信があれば論理の部分を考える余裕ができ、論理に頭を使うので論理力も向上しやすくなります。

 

だから、論理力向上のためにも、まずは基礎計算力を向上させましょう。

計算ミスを減らす方法は → こちら

 

論理的思考力の育成には王道が必須

論理的思考力とは根本を理解し、物事を分解し、関係性を明らかにしていくことで、育っていきます。

そのためにも、王道の勉強方法を読んでください。

 

暗記やその場しのぎに頼らない、王道の勉強方法を続けると論理的思考力は自然と育つように、作られています。

現代文と算数(数学)は、それ自体が論理的思考力を育成するための方法になっているのです。

 

論理的に算数や数学をとらえた証拠が構造化

数学でもそうですが、算数の文章題は構造化が非常に大事です。

構造化とは、『図や表に表すこと』と言い換えるとわかりやすいでしょう。

読むだけでは理解しにくい文章を内容を整理しつつ重要な部分を強調し、数と数の関係性を明確にすることが目的です。

構造化することで理解が促進され、文章を計算に変換しやすくなります。

 

前述した理解の4段階というものも、学習方法を構造化してステップで表現したものです。

コンサルなどでよく使われるロジックツリーやフレームワークも構造化の型のことです。

 

図や表、場合によっては計算の工夫など、授業を受けてみると多様さと難しさがわかります。

構造化は特殊算(つるかめ算、植木算、など)の授業でもよく使われます。

 

構造化を勉強するのは難しい

構造化は算数だけでなく、

数学
理科や社会の図表問題
英語や国語の文章読解
大学や社会人でのプレゼンテーション
社会人の営業活動や普段のコミュニケーション

といったあらゆる場面で役立ちます

 

ただし、構造化を学ぶには大きな落とし穴があります。

文章を構造化するための練習は、意外と難しいということです。

 

難しさの理由は3つある

1つ目は、そもそも文章を構造化する理由がわからない

2つ目は、どうやって文章を構造化すべきかやり方がわからず、できたとしても正しいのか判断できない

3つ目は、構造化を暗記してしまい考える力がつかない

 

1,2は構造化の練習をしていけば自然と解決していく問題です。

ここでは3つ目の暗記についてとりあげます。

 

暗記は悪いことではない

3つ目の暗記は、いい部分と悪い部分があります。

ただし、受験算数では悪い部分が目立ちます。

いくつかの構造化は塾の授業で扱われたり、解説集に載っています。

そのせいで、丸暗記してしまい、構造化する能力を育てるのではなく、単なる公式暗記の延長になっている生徒が多いということです。

 

最初は構造化が難しいので、いくつかのパターンを暗記することは必須。

新しいことを学ぶときに、暗記を活用しながら真似ていくことは非常に重要ですし、一般的な学習方法です。

何も真似してはいけない、という制約をつけたら、子供でも大人でも前に進めなくなる人がほとんどでしょう。

 

つまり、初期段階で真似ること、暗記することは有効だといえます。

ただし、真似てばかり、ただ暗記するだけではその先に進めません。

特に難関中学を目指す生徒では、単なる暗記では不十分ですので、構造化が中学受験でも必須です。

 

代表的な2つの解決方法

構造化をただ暗記してしまい先に進めない問題を解決する方法として、別解があります。

よくあるパターンをベースにして構わないので、ちょっとでいいからアレンジしようということです。

問題にもよりますが、複数の解答を作成できることはよくあります。

一部例外を除いて、別解は算数や数学でしか存在せず、別解の存在を知ることで思考の幅が広がったり、1つだけじゃないという部分から思考の深さを育てるのにも役立ちます。

 

別の解決方法として、先生からの誘導があります。

構造化を途中まで書いてあげたり、書くときにポイントを絞ってあげることです。

つまり、真似るべき解答を一部だけ教えてあげますが、全ては教えない。ということです。

これは指導として非常に有効であり、私も授業でよくやります。

ただし、質の高い先生が一対一で教えなければいけないという欠点もあります。

 

構造化は難易度が高く、生徒ごとに困っているポイントが異なることがほとんど。

中学受験では集団指導塾が人気ですが、算数だけは家庭教師や個別指導塾のサポートを付けているご家庭が多いのには、暗記の算数にならないようにして、思考力を育てる狙いがあるからです。

 

まとめ

  • まずは基礎計算力を身に着ける
  • 正しい勉強方法で国語(現代文)と算数(数学)を学ぶ
  • 構造化は難易度が高いが、身につくと一生役立つ

 

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