淑徳与野の理科は科目複合的
理科は社会と合わせて60分。
医進コースが15人で、特進コースが95人が2024年1,2月入試の定員。
配点も算数や国語の半分と重要性が低く見られがちですが、だからこそ差になる科目。
女子校は淑徳与野に限らず国語や社会では差がつきにくく、算数と理科が合否に大きく関わります。
淑徳与野の理科は知識に偏りすぎず、算数や国語との複合が必須です。
淑徳与野分析 → 算数
知識が不要なわけじゃない
理科もそうですし、社会や国語、算数もそうですが、理解重視というと知識の暗記はあまりいらないと勘違いされる場合もあります。
違います。
知識は必須です。
特に中学受験の理科で知識が不要な入試は一つとしてありません。
20~30年前は知識だけで合格にどんどん近づけた学校がたくさんありましたが、今はそういう学校の方が少数。
淑徳与野も知識だけでなく、知識がある前提で思考と絡めて問題に取り組む必要があります。
知識と思考力の両方が必須だということを忘れないでください。
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4分野からまんべんなく
淑徳与野の理科は大問が4つ。
物理・化学・生物・地学の4分野からそれぞれ1つずつ出題されるわけではありません。
科目複合的であると同時に、分野複合的な要素もあるからです。
前述したとおり、丸暗記したものをそのままテスト用紙に書くような前時代的な部分は少ないです。
理論に基づいて積み重ねた暗記と、文章理解を複合させなければ答えを作成することは難しいです。
一方で、文章理解には極端に高いレベルは求められず、書いてあるままに理解が出来れば大丈夫です。
生徒の中には、長い文章から必要な部分を抽出し、自分にわかりやすい形に読み替える工程が苦手な生徒も少なくありません。
大人が思う「ここが重要」という感覚は大人の視点。
生徒の受け取り方には個性があり、個性と論理を結び付けて、正しい理解に導いてくれる先生が必須となります。
理解と計算のために単位の意味を理解する
中学受験では、主に算数で単位が重要視されます。
そして、単位変換の計算に重きをおかれるあまり、単位そのものの理解が不十分な生徒がみられます。
淑徳与野の理科では、単なる暗記では不十分。
単位は計算問題を解くための記号ではなく、理科の理解を深める上で重要です。
本質的な勉強をすすめつつ、同時に理科の計算問題で点数を取るには単位をしっかり説明してもらい、お子さんがそこそこ説明できるくらいのレベルを目指しましょう。
各分野の特徴を読み解こう
淑徳与野の傾向として、興味と理解があります。
それぞれの問題には、「なぜ?」という問いかけがあり、一問一答のように問題と答えを対応させてはいけません。
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地学は少なめ、化学が多め、生物でもしっかり理解、物理は計算と合わせて
出題年にもよりますが、基本的に地学の大問は出題されない年が多いです。
大問1が4分野の小問集合となっており、そこで地学にかかわる出題があります。
大問2,3,4で物理、化学、生物を中心とした大問となり、時間と配点の都合上、地学の大問が省略されているようです。
高校レベルの地学では思考問題もありますが、中学受験の地学はどうしても暗記になりがち。
あえて地学を外していることからも、淑徳与野の求める生徒像が浮かび上がってきます。
物理は王道の思考と計算
淑徳与野の物理は、しっかり考えられる生徒を求めていることがわかります。
実験の図や表と文章から物理的構造を理解していきます。
物理は計算も多く苦手な生徒もいますが、典型的でよくあるパターンを基本として問題が作成されています。
算数や理科の計算に若干苦手意識があっても、丁寧な指導と理解のポイントを明確にすることでしっかり点数がとれます。
化学は数値を比較する
淑徳与野の化学は、数値の表が頻出。
数値は変化を見る必要がありますが、グラフと比較して表は数値単独でとらえがち。
実際の計算には表の数値を使用するので、数値にばかり目がいきやすいですが比較が重要となります。
数値・表に実験の文章を複合させる必要がありますが、時間をかければ確実に攻略できます。
生物は暗記が強くない
生物・物理・化学の3分野で比較すると、生物が最も暗記比率が高いです。
前述したとおり、基礎知識が必要になりますが、生物でも理解と思考力が必要です。
物理や化学より数値や表が少なく、図と実験の流れが重要。
国語力としっかり合わせて考えられるようにしましょう。
大切なのは、実験の流れを整理することと、知識の暗記に絵をからめることです。
難易度と参考書・問題集
淑徳与野の理科は、全体としては標準レベルをもれなく全範囲勉強することが重要です。
知識の暗記は基礎と標準を何よりも大事にしましょう。
基礎暗記が進んだら、典型的な問題を中心に暗記と理解に少しずつ移行します。
参考書と問題集
よくあるミスが問題を解くことばかりになること。
淑徳与野の理科は理解が重要になるので、問題を解く前に市販の参考書や塾のテキストなどを使って理解する工程が重要になります。
「自由自在」や「?に答える」、「まんが攻略BON」など市販の参考書でも、塾のテキストでも解説のクオリティは変わりません。
よくある勘違いとして、大手塾の専用テキストでなければ合格率が落ちると思われがちですが、そんなことは決してありません。
塾か市販かではなく、お子さんに合っているかどうかがポイントです。
実際には一人で読むだけでは難しいですし、わかりやすく解説してくれる人が隣にいると効率も上がります。
問題集も同様に、市販でも塾でもお子さんの現状に合っていることが重要。
まとめ
保護者の方へ
淑徳与野の理科は、算数や国語より配点は低いですが重要性はしっかりあります。
国語や社会では差がつきにくく、理科や算数での差が合否に直結します。
暗記だけじゃなく、理解が必須の理科。
小学校4,5年生できっちり暗記をすすめつつ、5年生の夏ごろから理解の力を使って算数や国語の能力を理科にも活かせるような勉強をしていく必要性があります。
複数科目を組み合わせるためのポイントは、お子さんの性質に合わせた勉強が必須。
中学受験では大手塾を利用するご家庭が多いですが、集団指導が中心の指導では組み合わせる能力はお子さん任せになってしまいます。
現在のお子さんに不足している能力を理解し、ピンポイントでの対策が理科の点数アップ、ひいては合格へと近づく最善の方法となるでしょう。
淑徳与野に向けた理科の勉強をしていれば、ほかの中学への対策にもなりますし、中学入学以降にも使える勉強方法が身に付きます。
お子さんの自主性を大切にしつつ、合わせた指導をしてくれる先生を探してあげてください。
理科もほかの科目も同時に指導できる先生が絶対条件です。
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