津田塾大学の数学
津田塾大学の数学は2種類あります。
数学科と情報科学科が一般A方式で受験する理系数学(ⅠAⅡBⅢC:120分)と
その他学科が受験する文系数学(ⅠAⅡBC:80分)
津田塾大学の学力試験を伴う一般入試は
A方式(津田塾大学の独自問題)
B方式(独自問題 + 共通テスト)
C方式(共通テスト)
の3方式。
推薦入試は学科によって小論文や英語が課される場合があります。
数学科と情報科学科の学校推薦型選抜(公募制)は事前提出で数学の課題がある、少し変わった形式です。
文系数学は主に変更なし
ここでは主に文系数学側をあつかった分析となります。
Aは図形の性質、場合の数と確率
Bは数列
Cはベクトル
が範囲となります。
難しすぎず、楽過ぎず
数学では計算量が極端に多いことはないので、時間が不足する可能性は低くなります。
80分で大問3つは決して簡単ではありませんが、合格点を考えると無理してすべてで満点を狙う必要性は全くありません。
その分丁寧に正しく解答を進めていく必要があるでしょう。
女子大分析 → 日本女子大 東京女子大 実践女子大 昭和女子大
数学が必要な学科
理系数学が必須なのは
数学科
情報科学科
の2学科。
文系数学が選択なのは、
英語英文学科
国際関係学科
多文化・国際協力学科
の3学科です。
総合政策学科は数学不要です。
文系学科とみられがちな英語系、国際系でも数学選択がしっかりできることから、
理系能力の高い女子生徒を重要視していることがうかがえます。
出題範囲が狭い
文系数学では、出題のほとんどがⅡBCからです。
さらに、微積、数列、ベクトルの出題頻度が非常に高いです。
学科によって合格最低点は異なりますが、50~65%をとることを考えると、微積と数BCさえやっておけば50点程度は高確率でとれます。
基礎力がある程度あれば、比較的短期間の対策でも点数を上げやすいのが特徴といえます。
実際には、微分積分の理解には数学Ⅰの理解が必須。
数列やベクトルには中学数学だけでなく小学校の算数が活かされる部分も多くみられます。
微積と数BCのみというのは、あくまで極端な対策であり、実際には高校1年生から少しずつ積み上げることが確実に合格するための最短ルートとなります
図形と方程式が曲者
上記の3範囲に次いでよく出題されているのが図形と方程式。
単独で出題されることもありますが、他の分野と絡めて、特にベクトルと一緒に出題されやすいです。
津田塾の特徴として、円に関連する問題が多いこと。
また、頻度は低いですが過去には球も軽く出題があるので、深い勉強が必要です。
ほかの数Ⅱと確率
高次方程式と式の証明、指数対数関数、三角関数という上記以外の数Ⅱの範囲も、2~3年に1度くらいで出題されています。
当然対策をしておきましょう。
この分野から難しくはないですが、証明問題が出題されることもありました。
やるならこだわってしっかり勉強しましょう。
無理であれば出題頻度の高い分野に絞って時間をかけましょう。
数ⅠAではここ数年で出題されたのは場合の数・確率のみ。
ただし、図形と方程式、ベクトルの出題傾向を考えると、平面図形はしっかりと勉強しておくことをおすすめします。
ⅡBCの典型をおさえよう
最も出題頻度の高い微積は、びっくりするほど典型的です。
基本計算から、接線法線、最大最小、面積。
これらを2次関数と3次関数、絶対値などの変化も含めておさえておきましょう。
数BCの典型は注意が必要
ベクトルは平面も空間も重要です。
空間ベクトルの出題率が高まっています。
空間ベクトルを理解するためには平面ベクトルの徹底が重要なので、結局両方頑張る必要があります。
数列は漸化式だけじゃない
数列は全範囲出題されます。
漸化式の出題率が高いですが、単純な等差等比数列が重要な年もありました。
数列もベクトル同様全範囲しっかり勉強しましょう。
また、旧センター試験や共通テストで見られてような出題も多いので、
旧センター過去問をしっかり勉強し、パターンをいれておくことが重要です。
ほかの分野も典型問題が大切
ほかの数Ⅱや数Aも基礎の理解度を高めて、標準的な典型パターンを勉強してください。
言い方を変えれば、典型パターンだけ勉強すればいいです。
一部の問題集にしか載っていないような定理や問題。
難しい問題には触れる必要がありません。
難易度と問題集
入試問題のレベルは圧倒的に標準です。
典型的な標準問題をしっかり解きましょう。
また、大問が2~4個に区切られている場合も多く、最初の1~2問は基礎レベル。
学校の定期テストでも最初~中盤にありそうな、公式をそのまま当てはめるだけの問題も出題されています。
公式の徹底理解は可能な範囲で
公式を単純に当てはめるだけでなく、理解して使うことが理想です。
一方で完璧に理解していなくても解ける問題がほとんど。
数学でしっかり点を稼ぎたい、大学入学後を考えて理解度を高めたい、
という場合は徹底すべきですが、とりあえず合格であれば、公式暗記でも通用します。
高校3年生や浪人生で時間がもう半年しかない。
というときには暗記でもいいと思います。
2年生であればじっくり時間をかけて公式理解を頑張り、王道の勉強法を身に着けるのがよいでしょう。
複合問題に注意
複数のジャンルを組み合わせた出題が多いです。
図形と方程式 + 微積
ベクトル + 平面図形
といった感じです。
これらは一見難しいですが、実は基礎~標準レベルの組み合わせ。
津田塾の数学で応用・発展問題は出題されません。
基礎~標準レベルがしっかり身についていれば、ぱっと見が難しい問題も落ち着いて解答できる実力がついているでしょう。
問題集
基礎~標準レベルをいかに頑張るかがポイントです。
基本の問題集としては黄チャートレベルがいいでしょう。
学校で使っている問題集でもいいですが、4STEPなどは問題の解説ばかりで、定理の解説がないので不足があります。
青チャートは難しすぎるので不要です。
白チャートでもほぼ完ぺきに仕上げれば、合格点は確実に上回ることができます。
数学の偏差値が45以下の場合は白チャートから始めましょう。
高校3年生の6月くらいまでで徹底してチャートをやりこんでおきましょう。
3回は解いておきたいですね。
夏にすべきこと
3年生の夏休みでは、センター試験の過去問や問題集を使いましょう。
数ⅡBだけなら共通テストでもOK
ただし、数ⅠAは共通テスト対策の問題集や過去問を使ってはいけません。
形式が違いすぎるので、間違えて買わないようにしましょう。
第1志望が国公立の場合は共通テストが必要なので、その場合のみ共通テストの対策問題集や過去問を使っても大丈夫です。
秋以降も変わらない
夏休みで徹底して標準レベルの演習を重ねたと思います。
その後は赤本を1度解いてみて、レベルを確かめましょう。
夏に発見した苦手分野を引き続きセンター問題集と黄色チャートで復習していきましょう。
得意分野は章末問題など受験形式のみでもいいと思います。
パターンを増やしたい。初見問題も解きたい。
という場合は、標準、中堅私大向けの問題集を使うといいでしょう。
ただし、黄色チャートは継続して使用してください。
まとめ
保護者の方へ
津田塾大学では、理系であれば数学必須ですが、学芸学部の文系であれば数学は社会との選択。
多くの生徒が社会を選択しますが、実は数学は点数が非常にとりやすいです。
お子さんのほとんどは、大学の分析をなんとなくしか知らず、具体的な科目別分析を知るのは早くて高校3年生であることがほとんど。
本来は、大学の分析をしてくれる先生とともに、高校2年生の夏には具体的な進路相談が必要となります。
私の生徒では、高校1年生から少しずつ対策を進める子もいます。
早くから適切な勉強をするには面談が欠かせませんが、そのためには保護者の方の早い動きが絶対条件となります。
津田塾の数学をどうするかという狭い範囲にとらわれず、お子さんの大学選択・将来の準備をどうするかという長期的な視点のためにも、早めに動いてあげてください。
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