高2の春に広げて夏に絞ろう
高校2年のお子さんをもつ、保護者のあなた。
お子さんの将来の目標は知っていますか?
それは現実的であり、実現のための道筋は共有できているでしょうか?
大学受験を考えている生徒で、進路に関して真剣に悩んだり、大学を調べるのは高校2年の冬~高校3年の春という生徒が非常に多く見られます。
それでは手遅れになるケースが多いことを、知っておいてください。
特に子供たちが憧れを持つような社会的な地位や収入が多い職業に直結する大学や学部は、長期的な準備が必要です。
例えば国立大学、早慶上理やGMARCHなどの私立大学、医学部、獣医学部などの難関大学。
この辺りを狙うなら、どんなに遅くとも2年の夏までに本格的な勉強をはじめなければいけません。
なんとなく塾に通わせる、そろそろ大学を調べなきゃと言う
それらも効果がないわけではありませんが、効果が薄い生徒が多いのも事実です。
もちろん、高校1年生から早めに考えらえると、さらに素晴らしいです。
長期的な視点は子供はイメージしにくい
当たり前のことですが、高校2年のお子さんは大学受験や就職試験などをまだ経験していません。
やはり未経験のことをイメージするのは簡単ではありません。
中学受験で大きな競争から離れている生徒も多いです。
そんな子に、いきなり
- 将来を考えろ
- 目標を定めろ
- 大学を決めろ
と伝えても響きません。
逆に、
- 何に興味があるのか
- そのために大学は必要なのか
- 必要な場合、どの大学に興味があるのか
- 受験の場合必要な科目は何か
- 大学の難易度がどれくらいで、現在の自分とどれだけ乖離しているのか
こういった質問にスムーズに答えられるようになることが目標です。
現実を突きつける
なかなか自分だけでは現状分析を行うことは難しいです。
私の授業では、早ければ最初の面談時に、志望校の合格見込みの話をします。
このまま頑張れば合格率は〇%くらい、と言います。
明確に志望校が決まっていない生徒は、○○大学だと〇%くらいと基準を示します。
模試の判定をなんとなく見るより効果があり、ほぼすべての生徒が過信していたことに気付きます。
ほぼすべての生徒が、特に根拠なく大丈夫だと勘違いをしています。
対策が間に合ううちに現実を突きつけ、お子さんに実感させることが、保護者の方の最大の支援だと思います。
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2年の春に可能性を広げる
夏に方向性を定めるために、夏から動くのでは少し遅いです。
2年生の春に候補をいくつもあげてみましょう。
2年の春は可能性を広げるための時期。
私の授業内でも可能性を広げる話を数多くしていますし、保護者と生徒と私の三者面談でも進路の話がでます。
今はオンライン(ウェブ)でも面談は容易です。
- どうせ無理だから
- 自分には合っていないから
- 学力が足りないから
- 難易度が高いから
などという無理な理由は無視して、自分が興味があるお仕事や勉強をしてみたい分野をいっぱいあげましょう。
この時点では10以上の候補があっても大丈夫です。
逆に候補が1つしかない場合は、一度無理やりにでも別の候補を考えてみましょう。
2年の春に調べ始めることができれば、
夏にオープンキャンパスに行ってみたり資料請求をして、とりあえずの目標を2年の夏が終わるころには決められます。
地方で気になる大学が遠くても、web上でパンフレット(デジタルパンフレット)を見ることができますし、webを利用した説明会もあります。
受験まで1年半あるので、選択肢が2,3,4つ。もっとあってもOKです。
1年半あれば偏差値は15伸びる
今の高校のレベルを考えると、
早慶上理なんて無理だ
国立大・医学科・獣医学科なんて夢みたいなものだ
といった、間違った考えをもつ生徒やご家庭が多いです。
学力は正しい勉強法と努力で確実に向上します。
1~2年間真面目に正しく頑張れば、偏差値 50 → 60 は現実的な数値です。
ただし、努力をしても勉強法を間違えれば学力は伸びません。
2年ほどあれば、偏差値45から医学部や獣医学部も十分に可能です。
私の生徒でも、点数を大きく伸ばした生徒は少なくありません。
高校2年の夏が終わるまでに、大体の大学は決めておく
選択肢を広げたあとは、とりあえず絞りましょう。
このときは、『仮』の志望校、志望学部、志望学科を決めるとよいでしょう。
可能性を残しつつ、より具体的な目標をもつことで、勉強しやすくなります。
具体性を持つことで、オープンキャンパスや説明会での視点も変わってきます。
2年生の夏に行くオープンキャンパスは興味を広げるためのものですが、
3年生の夏に行くオープンキャンパスは、志望校を狭めるためのものです。
大体の志望校が決まっていれば、2年生の秋に学園祭などのイベントにも参加しやすくなります。
3年生に確定させるために、2年の夏が終わる頃には具体的な目標を定めておきましょう。
第一志望に次ぐ候補を捨てない
とりあえずの第一志望が決まったとき、おそらくその周辺の大学や学部を調べているはずです。
学生は第一志望だけしか見えない。ということがよくあります。
ですので、保護者の方が、第2、第3、第4の候補となるものを消さないように、
とりあえずで構わないので残しておきましょう。
夢は変わるもの
情報は増えるもの
そのとき、かつての第2志望が第1志望に変化することはよくありますし、受験時の滑り止めとして結局調べる機会がやってきます。
高校2年の間にしておく勉強
具体的な目標校が定まれば、勉強もしやすくなります。
2021年1月に、はじめての共通テストがありました。
2024年1月で4回目となり、ある程度傾向がみられるようになりました。
2025年1月から、数学を中心に社会や国語でも範囲や配点が変化します。
基礎的な学力が重要であり、共通テストも、一般試験や国公立2次試験も、基礎力があれば非常に有利です。
1年~2年の秋くらいまでは、旧センター試験対策のような、基礎理解のための勉強を徹底するのがいいでしょう。
実際には生徒の現状と正確に合わせて、一人一人に合った勉強を考える必要があります。
高校3年からでも進路は決められる
実は高校3年生の春になっても、進路が決まっていない生徒は少なくありません。
私のもとにも、受験の2~6か月前に連絡をいただくこともあります。
また、高校3年になるときに大きく方向が転換する生徒もいます。
知り合いには浪人する際に理系から文系に変わった人もいますし、浪人をきっかけに理系に変更空いた生徒もいます。
進路はコロコロ変わるものです。
まだ20歳にもなっていないのですから、進路変更で1,2年多くかかることがあっても、大したロスではありません。
むしろ人生経験が豊富になるいい機会ともいえるでしょう。
とくに医学、獣医学、薬学、芸術、早慶上理などでは1,2,3浪は普通にあることです。
私自身、1年間の浪人経験があります。
たしかに、現役生と比べて1年多くかかりましたが、大切なことも学ぶことができました。
しっかりとした意志を持っていれば、いつでも進路は変えていい。
保護者の皆様は、ゆるぎない意志を持ったお子さんを応援してあげてください。
やりたいことを目指すのが重要
高校3年生でも、浪人生でも、やりたいことを突き詰めることが重要です。
残り時間や周りの早さに惑わされず、自分がやりたいことをしっかり探しましょう。
ここの1,2年はあなたや、あなたのお子さんに必要な時間であったと、10年後に感じると思います。
もちろん、このときすでにある程度の基礎学力があれば、進路が決まっていなくても、現役で難しい大学に進学することは可能です。
やりたいことがなかなか決まらないのであれば、とりあえず行けるとこまで高い学力を目指しましょう。
また、国公立の可能性を残すのであれば、幅広い科目の学習が必要です。
特に文系の生徒での数学、理系の生徒での古文漢文は進路が未定の生徒は頑張っておきましょう。
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