農工大の受験において化学は非常に重要
東京農工大学は、農学部も工学部も入試問題が同じ。
一方で、志望する学部・学科によって目指すべき点数が異なります。
2次試験で5~6割程度を目指すのか、8割を目指すのか。
勉強方法が変わってきます。
特に最難関の獣医学科は共通テストでも2次試験(個別試験)でも非常に高い点数が必須であり、そうとう早くから準備をしなければ合格はほぼ不可能です。
科目ごとの分析を見る前に、進路に関する分析・相談をしっかり行いましょう。
また、共通テストも含めた勉強方法を考えるべきです。
勉強方法そのものが間違っていると農工大の合格はほぼ不可能。
保護者の方がお子さんの勉強方法の間違いに気づいたり、点数が伸びないのに原因がわかっていない場合には、即座に動くことをおすすめします。
理科の入試科目
農学部も工学部も2科目選択しなければいけない部分が、農工大の難しさの一因となっています。
農学部は化学と生物の組み合わせが多く、
工学部は化学と物理の組み合わせが多いので、
農工大の理科として、化学は非常に重要となっています。
農部(農学部)でも工部(工学部)でも化学は必須科目とほぼ変わらないのが実情です。
農学部
共同獣医学科を含む農学部は 化学・生物・物理から2つ選択。
2次試験で化学が受験に使える工学部の学科
生命工学科
生体医用システム工学科(物理必須)
応用化学科
化学物理工学科(化学・物理必須)
機械システム工学科(物理必須)
知能情報システム工学科(物理必須)
化学は必須の学科も選択の学科もありますが、前期試験では全学科で選択科目の1つもしくは必須科目となっています。
他の獣医学部や獣医学科に関しては → こちら
他の農学・理学・理工学分析 → 早稲田大学 明治大学 立教大学 その他の大学分析
大問1は化学基礎が出やすい
大問1では酸化還元や無機化学など化学基礎が中心なった出題が基本です。
結晶格子や極性に関する分子の基本は特に出題されやすく、2025年や2018年などには結晶格子の計算も出題されています。
2024年は気体が中心の大問となり、必ず化学基礎というわけではありません。
4つの大問の特徴をおさえつつ、同時に共通テストにも農工大にも効果がある対策が必要です。
スタンダードな出題形式
大問1ではどの大学でも出題されるような出題形式。
最初は語群に用語や数字を穴埋めしていきます。
穴埋めがあるのは大問1のみが多く(年によっては大問2もある)、計算や数字を問われる問題(Amazonリンク)が多くなっています。
化学基礎は出来て当たり前
農工大では、すべての学部学科で化学基礎は出来るのが常識です。
共通テスト対策をしている国立志望の学生にとって、化学基礎は出来て当たり前という認識をもちましょう。
逆に、化学基礎レベルで暗記に頼って理解がおろそかになっているのであれば、その先の難易度には太刀打ちができません。
今すぐ勉強方法を根本から見直しましょう。
現在の偏差値が40だとしても、化学基礎はいい先生に教われば理解できます。
共通テストや農工大の大問1で90%以上とれる実力を身に着けることができます。
逃げることなく理解に全力を尽くしましょう。
農工大に現役合格を目指すのであれば、どれだけ遅くても高校2年の夏までには完璧にしておきたいです。
中高一貫校で理科のスピードも早い生徒では、学校の進度が早すぎて基礎分野の理解が不十分な生徒も多く見られるので特に注意してください。
浪人生でも、3~4月を使って徹底的に復習しておきましょう。
残り3つの大問もまんべんなく出題
理論化学と有機化学から出題されますが、無機化学で大問1つが使われることもあります。
基本は理論化学から1問で、有機化学(+高分子化合物)から2問です。
頻出範囲は難易度が高め
理論化学の頻出範囲は
- 化学平衡
- 電池・電気分解
- 気体
の3つです。
基本的に大問1と2で出題されます。
熱化学や結晶格子、溶解度積とイオンなどもよく出題されていますが、難易度が高く頻出と言ったら上記の3つでしょう。
2025年は結晶格子、熱化学
2024年は気体、電気分解
2023年は電離平衡(化学平衡)、気体
2022年は気体、錯イオン(結晶ではないが理解は近い部分あり)
ここ数年の出題率をみても、上記の分野は頻出といえます。
難易度は標準が多い
例えば獣医学科での理科での目標得点率は65~70%くらい。
農学部の環境資源科学科や地域生態システム学科などでは50~55%。
工学部では55~60%くらいの得点率が求められるのが基本です。
農学部では応用生物科学科、工学部なら機械システム工学科や生命工学科などは合格最低点が高くなりやすいです。
(年によって変動します)
農工大の化学は8~9割程度は標準レベルから出題されます。
標準レベルの問題がほぼ完ぺきになっていれば、難問は手を付けなくても無理なく合格点に十分到達できます。
あえて難問に手をあまりつけないことで、共通テストと合わせて対策もしやすくなるのがポイントです。
ただし、獣医学科の生徒は考えるべきポイントが微妙に違うので注意してください。
農工大・獣医受験に詳しい先生へのお問い合わせは → こちら
最後は有機化学
大問4は有機化学からの出題です。
4つの大問のうち、有機化学は1つですが、2019年は有機化学から2つの出題がありました。
2020年は大問5つになり、有機化学は2つの大問で出題。
現在は基本的に、
大問3で鎖式や芳香族などの一般的な有機化学
大問4で高分子化合物といわれる有機化学
の出題が定番化しています。
生物と化学を合わせた理解が出来ている科目複合という本質理解が有利になりやすく、物理とセットで化学を選ぶ生徒には少し大変でしょう。
逆に農学部(工学部もそうですが)で生物と化学のセットで受験する生徒は、化学と生物は同じ先生に習うと非常に有利になります。
有機化学は徹底理解
有機化学は共通テストでも必ず問われる分野であり、農工大以外のすべての大学でも必要になります。
また大学入学後にはさらに高度な化学を勉強することになります。
入試でも入学後でも、農工大でもそれ以外の大学でも、 もっとも必要な分野の一つといえるでしょう。
大問3は意外と対策しやすい
有機化学の中でも、鎖式や芳香族(フェノールなど)の低分子は理解がしやすいです。
注意してほしいのは、化学基礎などが完璧に理解できている前提があれば理解しやすく、化学基礎レベルで欠けがあるならば非常に厳しいという事実です。
直前対策などの短期集中でも対策しやすいですが、構造理解と反応式、性質を合わせて理解するので、復習には一定の時間がかかります。
スケジュールは一人一人違うので、集団指導塾などの画一的な予定管理は合う合わないが大きく分かれます。
お子さんの性質に合わせた環境は保護者の方が整えてあげてください。
大問4は暗記とのバランスが大事
高分子化合物は大問3の低分子の有機化学がどれだけ理解できているかにかかっています。
低分子がわかっていれば、高分子化合物の理解は比較的容易です。
その分、暗記しなければいけないポイントが増えます。
勉強に置いて、低分子と高分子で考え方そのものが変わってくるのが間違えやすいポイント。
正しく勉強できれば共通テストでも簡単に点数が取れるので、現状理解と勉強方法に特に注意してください。
難易度は標準的
有機化学も難易度は標準レベルが中心です。
ただし、一部発展レベルが混ざっているので、容易ではありません。
普通に難しいです。
一つ一つ正しく理解すれば満点が取れる構成にはしてあるので、正しい努力を積み重ねれば確実に合格点がとれます。
無駄に時間をかけるのではなく、効率的に理解を進めなければ間に合わないので、自分に合った勉強法を突き詰めていきましょう。
参考書・問題集
農工大レベルの化学をクリアするには それぞれの現象を正しく理解することが必須。
勉強方法のわずかな効率の差が合否を大きく左右します。
- 理解に国語の論理力を加えて文章題を理解し、記述を記載する
- 数学の計算力を追加する
- 真面目に暗記を上乗せして復習を欠かさない
上記を満たす勉強法と、それをサポートする参考書が必要になります。
このレベルになると教科書は論外です。
おすすめの参考書
自分が分かりやすい参考書が一番ですが、
基礎が充実しつつも農工大レベルが理解できる範囲まで書いていなければ不十分です。
岡野の化学(Amazon リンク)
宇宙一わかりやすい高校化学(Amazonリンク)
ゼロから劇的にわかる(Amazon リンク)
などがいいでしょう。
問題集
まずは基礎レベルを理解して、共通テストで7割くらいの点数がとれることが前提です。
セミナー化学(Amazonリンク)
リードシリーズ(Amazon リンク)
がおすすめです。学校でもよく使われている問題集です。問題集は網羅性が高く、難易度が適切であれば別のものでもOKです。
上記の標準レベルが多い問題集を1~2回転したら、共通テスト過去問(Amazonリンク)などで自分の実力をチェックしましょう。
苦手な分野や得意な分野だけでなく、
- 何が苦手で、それを克服するためにはどうすべきか?
- 点が取れている理由は何か?
まで考え、仮説を立てて検証して、はじめて効率的な勉強といえます。
苦手のある程度の克服と、得意分野の確立。
共通テスト(センター)過去問20年分を正しく解き、復習まですれば、
赤本を一度解いてみたり、難しめの問題集にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
まとめ
保護者の方へ
東京農工大学は農学部も工学部も大学院まで進学する生徒が多く、
大学院は農工大だけでなく東大を含めた関東圏の大学院が中心になっています。
化学は暗記と理解と計算のバランスが必要な科目です。
お子さんが暗記に逃げていないかを確認されることをおすすめします。
理解を助け、共通テストとのスケジュール管理までしてくれる先生がベストな選択といえるでしょう。
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