浦和明の星の理科
埼玉県でトップの女子中学として有名な浦和明の星中学。
理科は50点満点。
他の科目は
算数と国語が100点ずつ、
社会50点の合計300点。
算数と国語の半分の点数ですので、理科は最優先科目ではありません。
一方で、国語の読解力と算数の計算、
どちらの科目にも重要な論理的思考力。
その中に理科の基礎知識を複合していく総合科目となっています。
理科と社会は2科目合わせて50分なので、時間配分にも注意が必要です。
理科だから理科の専門の先生というよりも、一人の先生が国語や算数も同時に教えてくれることが理想的です。
単に知識を暗記するだけでは合格不可能であり、理解する理科の勉強習慣がなければ受験でも入学後も大いに困るでしょう。
高い難易度
浦和明の星はご存じの通り埼玉でのトップの女子中高であり、全国的にみても非常に高い難易度となっています。
理科でも難易度が高い問題が見られますが、標準レベルの問題も多いです。
しっかりと基礎を固めて、算数と国語の力を複合させる能力さえ身に着けていれば、恐れる必要なありません。
科目別にみると、算数や国語よりも理科の方が難しく作られているので注意が必要です。
ほかのおすすめ中学
東岩槻にある開智(共学)
東大宮にある栄東(共学)
北与野にある淑徳与野(女子)
などが候補にあがるでしょう。
通学時間で可能であれば、埼玉だけでなく、東京や千葉の中学校を選択肢に入れているご家庭も多いかと思います。
淑徳与野分析 → 算数
4分野をまんべんなく
大問1は物理
大問2は化学
大問3は生物
大問4は地学
高校では4つの分野に分かれる理科ですが、中学受験ではひとまとめに理科となっています。
明の星の入試では、大問ごとに分野が明確に分割されています。
計算は少なめ
明の星の入試で計算が出題されるのは主に、
大問1(物理)
大問2(化学)
です。
全体的に計算は非常に少ないですが、注意すべきは大問2
溶解度などに関する問題では、大問のほとんどが計算になることもあります。
一方で、大問1の物理では、あまり計算問題は多くありません。
明の星を志望校の一つにあげているのであれば、計算が極端に苦手ということはないでしょうが、
お子さんの特徴に合わせて、分野に偏りを持たせるのも戦略といえます。
算数と理科を上手く複合させてくれる先生におそわれば、理科の計算問題は点が取りやすいサービス問題になるでしょう。
各大問の分析
大問1の物理では
物の運動(鉄球を転がすなど)
光
電流
などが問われます。
出題は比較的まんべんないですが、高校でも重視される物体の運動(力学)に関する出題が、最重要になります。
実験を読み解く
ただ計算をする 表を読み解けば正解できる というのは遠い過去のこと。
実験が設定されており、その実験内容を読み解くことから始まります。
難関中学では明の星以外でも、実験を読み解いて、そこから考察する問題が中心となっています。
物理では大学入試でも同様の形式ですので、中学だけでなくその先を見据えた正しい勉強をするためにも、思考力を鍛えましょう。
中には理科というより、算数の知識のみで正解できる問題もあるので、ジャンルに惑わされないことが大切です。
設定は平易
試験時間30分で大問が4つもあるので、文章量は少なく、実験も難しくありません。
物理は数値や計算が絡むことから、苦手な女の子も多いです。
一方で、正しい対策で確実に対応できる難易度となっています。
大問2は化学
2つ目の化学では、
溶解度(食塩水など)
酸アルカリ(塩基)と気体の発生
加熱による酸化(化合)と重量の変化
といった問題が多く問われます。
重量変化や気体の発生など、数値に関する表の出題が多くなっています。
実験の文章と表の数値を正しく読み取る練習が必要ですが、 正しく読み取ることができれば、計算自体はシンプルになっています。
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単位計算が利用しやすい
計算問題が最も多い大問ですが、計算の式は1~2つで解答できるように作られています。
明の星レベルの受験生であれば問題ありませんが、単位計算までマスターすると検算もでき、合格率が向上します。
大問3は生物
3つ目の生物では、
植物の性質や光合成
虫や動物の行動生態学
人体
などから出題されます。
最も文章量が多い
生物では実験に加えて表が出題されたり、植物や動物の絵もあります。
生物学はそもそも実験の状況設定や、手技の分量が多いので、
4分野でもっともボリュームがあります。
時間配分と国語との複合が求められると同時に、
暗記だけでは合格点がとれないように作られています。
明の星に限らず、東京や千葉の難関中学でも、生物の文章量は多く、大学受験でも文章量は非常に多くなります。
明の星を志望校に入れるレベルを目指すのであれば、ハイレベルな生物の勉強を確実にマスターしておきましょう。
運で合格できたとしても、正しい理科(生物)の勉強法を身につけないと、入学後に非常に恐ろしい苦労をする可能性が高まってしまいます。
女の子に有利な分野
女子校だからこそ、生物には力が入っています。
もともと女の子は本を読んだりじっくり考える行為が得意な生徒が多いです。
大学でも理系では医学部も含めた生物系が非常に高い人気ですので、将来の進路候補になりやすい分野。
まだ得意分野が固まっていない場合は、生物から得意にしていくことをおすすめします。
いい先生が教えてくれれば、国語との共通性を活かしたり、お子さんが興味がある生物にまつわるお話をしてくれます。
私も生徒に生物を指導するとき、コロナや医療に絡めたお話をしましたが、興味を持ちやすかったようです。
身近に感じやすいからこそ、楽しみやすいといえるでしょう。
大問4は地学
最後は地学です。
天体(太陽・月・星)
天気や気候
地層や地震
などから出題されます。
地層などに関しては暗記要素が非常に多くなりますが、中学受験レベルの天体や天気は、思考力が非常に重要となります。
興味の幅が大きい
地学では、天体などの空に関する分野と、地層や地震といった地球自体に関する分野があり、興味が大きく分かれます。
地学の中でも好き嫌いがわかれるので、お子さんの好みに合わせて勉強ペースを調整してあげることが重要です。
楽しみながら勉強をすすめられるように、先生やご家庭が工夫してあげましょう。
参考書・問題集
まずはしっかり基礎~標準レベルの学習が必要です。
また、明の星レベルとなると、暗記ではなく理解中心の学習が必須となります。
特に大問3や大問4で出題される、生物と地学での理解力アップが最重要。
保護者の方が、この2分野は暗記しておけば大丈夫と勘違いしやすいからです。
参考書や問題集では、シンプルにまとめてあるものばかりでなく、一つ一つの項目に対して、詳細な説明がついてあるものが有効です。
問題集でも記号問題が少なめで、記述が多いこと。
解説部分のボリュームが多いものを選んでいきましょう。
高難易度のものは、他の科目とのバランスが重要になります。
全く手を付けなくても合格点まで到達できます。 余裕がある場合、お子さんが理科が好きなには、頑張ってチャレンジして合格率を高めましょう。
まとめ
- 暗記が最重要
- 明の星の理科は難しいが、まずは基礎と標準
- できる子は積極的にハイレベル
保護者の方へ
明の星は埼玉県に限定せず、全国的に見ても非常にハイレベル。
理科では明確にその傾向が出ています。
まず重要なのは、本当にお子さんの志望校が明の星で大丈夫ですか?ということです。
私の生徒でも明の星を卒業した子がいましたが、明らかに優秀でした。
国語と算数を上手く複合しなければ明の星の理科を攻略することは至難の業です。
いい先生をつければ合格率を高めることは難しくありませんが、学力的に不足がある子が無理をすると、お子さんもご家庭も不幸になるかもしれません。
逆に明の星レベルの入試問題についていければ、全国的に見てもかなり優秀なのは間違いありません。
いい先生とこまめに面談し、まずは明の星を目指しつつも、状況によって臨機応変に対応することが最重要でしょう。
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