学習院大学の経済学部の国語
学習院大学の経済学部では、国語と英語は必須科目です。
英語の配点が150点と若干高いですが、国語も120点の配点があります。
また、学習院大学だけでなく、経済系を初めとした多くの文系学部で国語の重要性は高いです。
学習院大学では、現代文と古文のみ。漢文は範囲外です。
本分析では分量も配点も高い現代文(評論)のみに絞って解説します。
たまに随筆が出題されることもありますが、基本的には評論文となっています。
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現代文は評論のみで小説不要
コア試験における国語は大問が2つ。
後半は古文の読解と決まっています。
現代文の長文が一つであり、ほぼ確実に評論文。
小説文が出題される可能性が0とはいいませんが、基本的には評論文と考えて準備しておきましょう。
評論文の難易度は標準的で、経済関係が出題されやすい
国語は制限時間と難易度のバランスが重要ですが、学習院の問題は標準的な難易度であると同時に、無理のない時間設定といえます。
現代文はどうしても一定程度の時間はかかりますが、全体で60分。
現代文単独で40分かけたとしても、古文に20分かけることができます。
ゆっくり読んだとしても上記の時間内に完答できる生徒がほとんどであり、時間よりも読解力単独の勝負といえるでしょう。
経済の分野から出題される
長文読解に関する問題は主に5択の選択問題。
ただし、最後の問題である(9)は6~10択となっています。
内容としては経済学部らしい経済や合理性、利益に関する出題がメイン。
文章としても論理的思考力と読解力があれば無理なく解答できる難易度に設定してあります。
後述するように経済的な知識があれば有利になりやすくなります。
経済関連の知識は、意味をある程度理解しながら暗記すれば自動的に経済原則を学ぶことにもなります。
また、社会の選択科目で政治経済を選んだり、1年生のときに公共を真面目に勉強していれば最低限の知識や考え方は身についているでしょう。
経済学部や商学部などを第一志望にすると2年生の最初から進路を決めていれば、社会は政治経済をおすすめしますが、現実的には文系という方向を決めていても経済学部と決まったのは3年生になってからという生徒もいるでしょう。
社会で歴史を選んでいても、正しい勉強を継続していれば対策としては問題ないでしょう。
学習院らしくしっかりとした難易度はありますが、通常のGMARCHレベルの現代文対策で合格点を普通に超えられます。
漢字はちょっと前まで単独の大問として出題されていた
2023年2月の試験まで、大問1として漢字が5問出題されていました。
さらに、大問2の現代文の長文の中で、最初の(1)は漢字と決まっていました。
合計で10問が漢字の問題であり、漢字を記載する問題が8問。
漢字の読み方を記載する問題2問がスタンダードでした。
2024年以降は大問1に現代文、大問2に古文と大問が2つだけになりました。
つまり、漢字単独の大問がなくなりました。
ただし、大問1の(1)が10問漢字の問題となり、実質的には過去の大問1と大問2が統合されています。
漢字や語句の重要性は変わらない
前述したように、今後も漢字が10問出題されることは変わらないでしょう。
また、漢字(主に熟語)の意味を理解していた方が解きやすい問題が(2)や(3)で出題されるのが例年の傾向です。
他にも慣用句や四字熟語の意味を問われる問題も出題されています。
直接的に漢字や語句の出題があるので、一定程度の勉強は必須といえるでしょう。
難易度自体は学習院やMARCH、日東駒専などを考えている生徒からすれば標準的です。
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語句の重要性は長文理解がしやすいこと
漢字や語句の勉強を進めておくと、漢字や語句以外の問題への効果の方が大きいといえます。
私が指導する中で気づいたことがあります。
GMARCHや成成明学などの入試レベルの現代文で苦戦する生徒の特徴として、語彙力が圧倒的に不足している、ということです。
同時に、ニュースなどの時事に関する知識もかなり少ないです。
長文内には経済に関する知識だけでなく、近年話題になった内容や、経済と常識が合わさったような知識があった方が明らかに有利な長文も多いです。
最新の傾向からも重要度がわかる
例えば2024年の文章は、AIやメタバースに加えてRI(リモートインテリジェンス)でした。
テレワークによるオフィス需要に関する話も含まれており、コロナと都心の居住地に関するニュースや、都心オフィスの空室率に関するニュースを知っている生徒は文章がさらに読みやすくなったでしょう。
文章には分かりにくい語でも理解できるように書いてありますが、事前知識があるかないかで差はでます。
ただし、事前知識がなくても読解力があれば問題ありません。
経済ニュースや世間のトレンドを全て追うことは不可能ですが、高校1年生から少しだけニュースに触れる機会を増やすだけでも全然違うでしょう。
1週間に3分だけで構いません。
私の授業では、文系の生徒を中心にニュースを扱うこともあります。
現代文だけでなく、英語の長文読解でも役立つことが多いですし、大学入学後や社会人になったときにも有用な習慣となっていきます。
問題集と勉強方法
前述したように、漢字と知識、長文読解の3つがメインとなります。
漢字と知識は高校一般レベルの勉強で十分です。
漢字は漢検2級レベルとなります。
高校レベルの漢字と語彙に関する参考書(Amazonリンク)や問題集(Amazonリンク)は数多く出版されており、学校でも配られているでしょう。
自分が使いやすいものを早めからコツコツ勉強しておけば、全く問題ありません。
ニュースなどの時事もわずかな時間でいいので興味をもっておきましょう。
公共や政治経済の勉強を最低限しておけば、時事は特別な参考書や問題集を買う必要はないでしょう。
長文読解は読みからの理解が最重要
小説文もそうですが、評論文は正しい読み方を理解している生徒が非常に少ないです。
単に問題集を使うだけで身に着けるのは難しく、基本的に質の高い先生の指導を受けるのが最適です。
問題集を買う前に、読み方の勉強をするか、現代文指導が上手い先生に教えてもらいましょう。
評論文の読解が上手くなることは、小論文を書くことや英語の読解にも繋がります。
まとめ
保護者の方へ
学習院大学の経済学部における国語は、学習院らしいいいレベルの出題です。
特に評論文が重要ですが、特殊な対策は不要。
しっかりとした基礎力を身に着け、漢字や語彙、経済に関する常識的な知識はゆっくり着実に積み上げるだけで合格点を超えるように作成されています。
合否は才能ではなく努力と効率で決まります。
お子さんの能力を活かすような指導や、勉強習慣が身につくように、早めから保護者の方がフォローすれば、自然と合格への道が開けるでしょう。
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