社会人になると学生が勉強している数学や社会は役に立たない。
そんな話をよく聞きます。
家庭教師や、塾講師だけでなく、サラリーマンとしての経験もある私から言わせると、完全な誤解です。
勉強は社会人ではもちろん、普段の生活でも大いに役立ちます。
しかし、
実際にどう役立つのか
意味が本当にあるのか
勘違いの原因
なぜ勉強は役に立たないという勘違いが多いのでしょうか。
その理由は2つです。
- 単純に勉強がうまくできなかったので、活用する能力がない
- 勉強のための勉強をしていたので、活かし方を理解していない
１は簡単に納得できると思います。
勉強が苦手で、その成果が身についていないので、当然応用して使うことはできません。
２のケースはイメージしにくいかもしれません。
ですが、実際に高い偏差値の大学や有名大学を出ているのに、上手く活かせていない人は非常に多いです。
なぜそうなるのか？
→ 本質的な勉強をしていないからです。
学校の先生や塾講師など、教育側がそもそも社会人生活を想定していないというのが大きな原因です。
- 目先の点数が取れればいい
- 知名度のある学校に受かればいい
そんな間違った考えの指導を生徒たちは受けているので、 上手くいかないのです。
実際に、そういう指導法を行う先生のせいで、間違った姿勢で中学受験や高校受験をし、中学以降に辛い勉強生活を送っている間違った例を多く見てきました。
当然ですが、私は高校や大学はもちろん、就職後や普段の生活にも役立つように、本質的指導を行っています。
今すべき勉強を常に見直し、指導の中で修正をしています。
社会人になる前の進路選択や予定管理にも役立ちますし、同様に社会人になった後にも役立ちます。
学生時代の勉強方法を改善すれば、社会人になっても役立つ習慣が身につく
では、どうすれば高校や大学を卒業し、社会に出ても役立つような勉強ができるのでしょうか？
前述した2つの原因を取り除き、社会人になった後を想定した指導を受ければいいだけです。
前述したように、教育業界しか経験がない普通の学校の先生には原因を取り除くことは難しいです。
学校の先生の能力が低いわけではなく、社会人を想定していない教科書を使うことを半ば強制されており、無駄な雑務に忙殺されているからです。
同様に、ただ学校のテストで点を上げることばかり考えているような塾や、受験で合格することのみにポイントを置いている塾などでも不可能でしょう。
最も役に立つのは論理的思考力と新しい分野を学ぶやり方
後述もしますが、論理的思考力はありとあらゆる分野で役立ちます。
社会人としての業務でも役立ちますが、日常生活での家事や予定管理などでも活用できます。
論理とは物事を整理し思考しやすくすること。
コミュニケーションを円滑にし、正しく伝えることにも活用されます。
新しい分野を学ぶ必要性は大学だけでなく社会人でも必須
現在は政府もリスキリング（学びなおし）を推奨しています。
AIが発達したり、転職が一般化する中で、一つの業界のみとかかわるだけで人生を完結することはほぼ不可能となりました。
勤める会社の業界を一つにすることはできますが、取引先や銀行なども考えれば、ほぼ100パーセントが複数の業界、複数の国とかかわる必要性があります。
新しい業界や分野が出てくれば、新しい学びが必要。
知らない国を学ぶこともあれば、日本やアメリカ、中国などをより深く学ぶこともあるでしょう。
営業から人事や経理、工場や調達、情報部門や総務など一つの会社でも複数の部門を経験することは普通にあります。
後述する最大の利点の一つであり、学ぶことを得意にしておくと、それだけで意識と人生が好転しやすくなるでしょう。
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具体例
勉強を社会人生活に活かしている科目別の具体例を見ていきましょう。
あくまで一部ですが、私の授業では大学生活や社会人での活用を具体性をもって説明しています。
数学・国語・英語で示しますが、理科や社会、副教科も当然社会人になっても役立ちます
数学
多くの人が、高校数学は社会に出れば不要だと考えています。
sinやcos、logに微積なんて意味がないと思っているようです。
実際、理系の専門職や研究職など直接使う職業も多くありますが、文系などでは直接使いにくい業務が多いのも事実です。
一見あまり使わない営業であったり、管理部門（経理・総務・人事・事務など）でも、統計学をはじめとして、直接数学を使う場合はよく見られます。
その一方で、職務上直接使わない人はどうでしょうか？ 勉強は無駄でしょうか？
もちろんそんなことはありません。
例えば中学から高校数学で出てくる「場合分け」や「因数分解」というものがあります。
これは地頭のトレーニングやMBA（経営学修士）というエリート社会人の資格で初期に必ず習うMECEやロジックツリーという考えと基本的に同じものです。
推薦などで使う小論文でも場合分けと因数分解の思考を活用します。
つまり、数学を通して、社会人に有効な考え方の一つを学んでいると言えるでしょう。
算数（小学校）レベルや中学数学レベルの基本計算が出来ていないと、エクセルで困ることもあるかと思います。
数学が理解できていないと統計などのデータを読み取ることがうまくできません。
社会人で統計データを表面的にしか読めないと役に立ちません。
数字に隠された意味を理解し、時には矛盾点を指摘できないといけませんが、これは数学的知見がないとできません。
経理などにいるのであれば、式を素早く立てる能力や、最低限の計算力は当然必要ですよね。（現在はシステムが代わりをしてくれますが、システムだけですべての業務が完結している会社はかなり少ないです。）
最重要は国語
科目という分け方をしたときに、国語（現代文）が最も大切になります。
正直、古文と漢文は基礎教養にしかならず、現代の義務教育としての重要性はほぼありません。
一方で現代文、特に評論文は全ての勉強だけでなく、思考法の基礎となります。
現代文の力が低ければ、社会人としての日常生活ですら支障があります。
営業職、企画職の方は資料の作成やプレゼン・提案を行うことがよくあると思います。
ここには、相手に上手く伝える・人の気持ちになって考えるという行動が不可欠です。
まさに国語（現代文）の評論文（小学校では説明文）で学んだ論理的な思考、
小説文（小学校では物語文）での相手の行動から感情を読み取る、
というものがベースとなっています。
正しく考え、相手の気持ちになり、伝える。
これは親子や夫婦、恋人や友達でも重要な能力です。
会社員の退職・転職理由の第１位は、ずっと「人間関係」です。
正しいコミュニケーションによって、人間関係の悪化を防ぎやすいことは、ご理解いただけると思います。
わかりやすい英語
英語はわかりやすいですね。
現在では日本に住んでいても観光客や仕事で日本に来ている外国人の方もどんどん増加しています。
特に東京圏・関西圏をはじめとした都市部では顕著。
AIを活用し始めている現代でも一定の理解力は必要です。
最低限の英会話であれば、中学校で偏差値60～65をとれていれば、十分に実践する基礎がつくられます。
もちろん、英語の長文読解の基本原理は国語と同じ。
論理的に考える・思考を伝えあうという要素でも非常に役に立ちます。
これは、「複数科目をつなげる」という意味でも重要です。
他にも勉強予定の作成は、とても役に立ちます。
仕事上の予定はもちろん、就職活動であったり、遊びやデートなど1ヶ月ほどの予定管理をすることは、よくありますよね。
これは夏休みのときの計画にも似ています。
実際に、私が指導している生徒は、予定に関しての基本的考え方を必ず学びます。
普段の勉強はもちろん、社会人になっても利用できるものになっています。
最大の利点
勉強が社会人も含めた、学校卒業後に役立つ最大のポイントは別にあります。
それは、「勉強習慣がつく」ということです。
ん？と思ったかもしれません。
勘のいい方は納得していると思います。
学生のみなさんは、勉強は学生時代だけで、社会人になると宿題も勉強もないものだと勘違いしがちです。
大人は宿題がないから羨ましい、と生徒から言われたこともあります。
これは完全な誤り。
仕事をするときであったり、家事をすることもそうですが、
より良い生活・高い収入・楽しい人生を送るためには、新しいことを勉強し、学び、活かしていくことは必須事項といえるでしょう。
新人の間は会社から宿題のようなものを課されることはよくあります。
学生の間に、勉強習慣・効率的かつ本質的な勉強方法・自分なりの学び方といったものを身に着けておく必要があります。
辛い気持ちを持ちながら勉強している学生さんも多いかと思います。
社会人になっても役立つと実感できるだけで、やる気にもつながりますし、楽しく学ぶ方法を知らなければ、大人になってもつらいままになります。
折角頑張っているのだから、ぜひ将来に本当に役立つ勉強をしてください。
保護者の皆さんは、ぜひ子供たちに意味のある勉強環境や指導者を提供してあげてください。
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