N方式の化学を徹底分析
日本大学には、筆記試験に主に2つの入試があります。
A方式:学部ごとに異なった入試
N方式:全学部共通の入試・第1期と第2期がある
ここでは全学部で同じ問題を解く、N方式(第1・2期の両方で使える)の化学を解説していきます。
また、C共通テスト利用方式は定員が少ないので除外しています。
理科は60分
理科を選択できる学科は非常に幅広いです。
医学科がある医学部は、化学・生物・物理から2つ選択、時間は2科目で120分。
獣医学科などがある生物資源科学部は、化学・生物・物理から1つ選択し60分。
全編マーク式で、大問は7つがここ3年ほどの主流となっています。
N方式で理科(化学含む)が必須の学部学科
文理学部(地球化学科・数学科・情報化学科・物理学科・生命科学科・化学科)
理工学部
生産工学部(機械工学科・電気電子工学科・土木工学科・建築工学科・数理情報工学科・応用分子化学科)
工学部
医学部医学科
歯学部
生物資源科学部(獣医学科を含むほぼすべての学科)
薬学部
N方式で理科(化学含む)が選択の学部学科
芸術学部(映画学科・美術学科・デザイン学科)
国際関係学部
生産工学部(マネジメント工学科・環境安全工学科・創生デザイン学科)
松戸歯学部
生物資源科学部(食品ビジネス学科・国際地域開発学科)
複合はなく、基礎~標準
難易度は基礎~標準レベル。
特に最初の大問は基礎からの出題になります。
実際にはN方式のみの受験という生徒はほとんどいないはず。
自分の第1志望のレベルと、日大のN方式のレベルの違いを理解したうえで、以下の対策を読んでください。
日本大学分析
医学部、獣医学科(生物資源科学部)、N方式分析(英語・数学・生物)
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理論化学が中心
全大問のうち約半分は理論化学を中心としています。
最初は基礎レベルから
特に最初の大問は化学基礎の最初に習う、分子や原子などの基礎性質を問うものです。
6つの小問で、取り組みやすく作られています。
はっきり言って学校の定期テストと同じくらいか、場合によってはそれよりも簡単な問題も含まれています。
共通テストの大問1にも近く、ここが解けなければ他の問題は何も解けません。
あなたが狙う学部がどこであったとしても、満点を狙いたい大問です。
化学基礎と化学を混ぜた出題が多い
理論化学内でも、
- 電池・電気分解
- 結晶格子
- 溶解度
- 酸塩基
- 酸化還元
といった分野の出題頻度が高くなっています。
理論化学の中でも比較的取り組みやすく、理論の理解もしやすいです。
まずは化学基礎からしっかりと固めることで、勉強を進めやすく、日本大学よりも難易度が高いGMARCHなどを目指す際も役立ちます。
気体や化学平衡など、苦手な生徒が多い分野からも出題されますが、基礎的で取り組みやすい。
難しい問題は出ないという前提を理解して、落ち着いて考えてみましょう。
計算も平易
多くの大問で計算問題が出題されますが、ここも基礎~標準レベルと傾向が明白です。
理系受験者からすると式さえ作ることができれば、計算は楽勝。
公式を理解して使っていれば確実に満点が取れます。
理解が不十分で、教科書的な暗記で処理していても解ける計算も少なくないので、きっちり点を稼ぎましょう。
1つの大問は無機化学
100%ではありませんが、たいてい1つの大問が無機化学から出題されます。
時には1.5~2つの大問が割かれており、意外と配点があります。
ほぼ暗記である無機化学ですが、理論化学と混ぜての出題もあるので、
単純暗記の中でも、理論と合わせて理解するようにしましょう。
半年前からの直前対策でも間に合う範囲です。
理論化学と有機化学を優先しましょう。
現実に役立つ無機化学
金属など、一部の元素は非常に身近。
既存の知識と混ぜながら、現実に活かすことを考えると、楽しく勉強が進められます。
同時に将来に活きる勉強となります。
工学部などでは素材など、無機化学(Amazonリンク)の重要性がわかりますし、理学系では工業用の化合物の合成や分解は実際に行います。
医学や獣医学では栄養学や消毒液といった部分で無機化学の知識が活きてきます。
最後は有機化学
最後の2問(大問6と7)は有機化学(Amazonリンク)からの出題です。
典型的で最も出題頻度が高い、エステルや芳香族からはもちろんですが、糖やタンパク質などからの分野からも出題されます。
一部計算もありますが、基本的に知識問題からの出題。
また、性質も暗記だけでなく、なぜその性質を持っているのか?という理解をする勉強をしなければ正しい回答はできないように作られています。
有機化学も計算はシンプル
有機化学の計算は、難関大学になると過程も複雑で計算量が多く、難しい問題が出しやすいです。
しかし、N方式では医学部や獣医学科以外にも様々な学科が受験することから、公式に近い、わかりやすい計算が出題されます。
これは有機化学に限らず、理論化学の計算でも同様の傾向が見られます。
参考書・問題集
まず重要なのが参考書。
基礎や標準なので、難しい部分や例外的な分野の学習は不要。
もちろん教科書でも大丈夫ですが、教科書は説明がわかりにくい部分も多く、整理の仕方が受験向けではないのでおすすめはしません。
塾のテキストは、塾の授業を前提として作られています。
塾のレベルが自分にピッタリ合っている場合は有効ですが、塾と自分のレベルが合っていないと非効率になります。
合っていないと感じる場合は、クラスのレベルを変えたり、自分に合わせてくれる家庭教師や個別指導を利用しましょう。
問題集は学校レベル
学校で配られるような
セミナー化学(Amazonリンク)
リードシリーズ(Amazon リンク)
といった問題集がいいでしょう。
全てを解き切るのが理想ですが、N方式に限定すれば、上記の問題集でも難しい問題は解く必要がありません。
もちろん、市販されている
チャート式 新化学(Amazonリンク)
なども有効です。
大切なのは、参考書をしっかりと理解してから問題集を解くという正しい勉強法を行うこと。
難易度が高くないので、なんとなく問題集を解いてもそこそこは解けてしまいます。
しかし、そこからの成長がしづらく、結局遠回り。
参考書で理解を何よりも大切にするという王道の流れを守りましょう。
共通テスト(センター)レベルはちょうどいい
問題の難易度、解答方法のどちらを考えても、共通テストへの試験(Amazonリンク)対策がそのまま日大のN方式対策になります。
共通テストレベルは、現役生では真面目に取り組む生徒が多いですが、浪人生など経験があるほど軽視する傾向にあります。
たとえ獣医学科や医学科、上位国立を狙う上でも、共通テストレベルは非常に重要です。
まとめ
- 基礎レベルが重要なので難問は不要
- 全分野を丁寧に勉強しよう
- N方式以外の受験方法もしっかり調べよう
保護者の方へ
N方式の化学は比較的取り組みやすいですが、定員を考えると他の日程も受験するはずです。
また、日大以外の併願校もあるでしょう。
N方式とA方式、併願校の全てを見据えた勉強計画が合格への道筋となります。
また、現実問題として他の科目とのバランスも重要です。
お子さんの勉強をトータルサポートしてくれるいい先生を見つけていきましょう。
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