京都薬科大学の化学
京都薬科大学には複数の試験方式がありますが、メインは一般B方式(独自試験の前期)。
さらに2025年度からB方式に後期が新設されます。
一般B方式が150人(昨年度まで170人だった)の定員に対して、新設の後期は20人ですが、2科目で受験します。
今回はメインである一般B方式の前期分析。
本気で京都薬科大学の受験を考えている生徒や、その保護者さんが対象です。
後期は3科目から2科目選択できるので、薬学なのに化学なしで受験できるという驚きの方式です。
B方式は合格最低点から考える目標点としては60%が1つの目安となります。
私立薬学部の化学としては難易度が高いと言えますが、60%をとること自体はそこまで難しくありません。
正しい勉強さえできていれば恐れることはないでしょう。
逆に勉強法を間違えていると合格は大きく遠のきます。
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90分にふさわしいボリューム
大問が4つで90分と一見時間に余裕がありそうです。
スムーズに回答していくことさえできれば、時間がキツキツになったり不足することはありません。
ただし、1つの大問あたりで問題数も多く、考える内容がしっかりしているので時間はそこそこかかります。
いわゆる一問一答のような単純な暗記問題が非常に少なく、薬学部らしい根拠に基づいた思考法が化学でも適用できるか?がポイント。
暗記頼りの間違った勉強法をしていると、自分から難易度を上げてしまうことになります。
最初は大変でも理解をしっかりしていきましょう。
有機化学比率50%
4つの大問のうち、2つの大問が有機化学から出題されます。
化学の配点は200点ですが、そのうち100点が有機化学。
薬学部や薬科大学は有機化学比率が高いことで有名ですが、京都薬科でも同様の傾向といえます。
また、化学では60%が合格のための目安。
有機化学が得意であれば100点中の80点分をとることは難しくありません。
有機化学で高得点がとれてしまえば、合格を大きく手繰り寄せることができます。
物質の分離と実験理解
王道の有機化学では、鎖式や環状の有機化学物質に関して出題され、京都薬科でも同様です。
ただし、有機化学を含む各大問では実験がしっかりと与えられています。
実験の流れを化学反応式や官能基の動きを理解しながら丁寧に追っていく必要があります。
1つの実験を理解するために、化学基礎や有機化学の基本をしっかりと積み重ねなければいけません。
一方で、基礎力が高まれば実験のパターン数が多くないので対策がしやすく、満点や高得点が狙いやすいです。
有機化学の基本がわかっていると、高分子化合物でも一気に高得点が狙いやすくなります。
有機化学の2大問で高得点がとれて、一気に合格できるようになるでしょう。
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高分子化合物でも理解が大事
糖やペプチド、重合体などが出題される高分子化合物は、有機化学の中でも暗記比率が高いです。
一方で、京都薬科ではこの分野でも理解と実験が重要視されています。
重要な分野ですが、応用発展レベルの難しい問題や細かい暗記が要求されるわけではありません。
前述した有機化学の基本が身についてれば、実験が非常に理解しやすくなっています。
有機化学の基本をおさえずに、高分子化合物は暗記でのりきろうとする人がいますが、考えが甘すぎます。
有機化学の基礎となる鎖式や環式の構造は出題比率も高く、高分子の理解にも必須。
有機化学は薬学を学ぶ上で非常に重要な分野。
意外と高い無機化学比率
4つの大問の残りの2つは
1つが無機化学
ラストが理論化学
という構成が基本。
他の大学や学部では無機化学比率が20%以下のことが多いですが、京都薬科では無機化学も一定量出題されます。
暗記が重要な分野ではありますが、単純暗記に終始することはなく、実験と理解および化学反応式が大切にされています。
物質の性質も、ただ暗記するのではなく、特定の官能基などから性質を読み解いていく必要があります。
無機化学だから暗記さえしていれば点数がとれるという単純なレベルではありません。
無機化学も反応式が大事
無機化学は勘違いされやすく、勉強法を間違えやすい分野です。
暗記要素が強いのは事実ですが、京都薬科では反応式など化学の本質ともいえる性質と変化が重要。
無機化学でも「なぜ?」という考えを常に持って理解をすすめましょう。
理論化学はそこそこでもいい
理論化学も25%(50点分)は出題されるので、重要です。
一方で、化学で最も多様で範囲が広い分野にしては配点が低くなっています。
しっかり時間を取れて、高校1年生から化学基礎の復習を積み重ねていれば大丈夫ですが、復習が不足して京都薬科はチャレンジ校になってしまっている生徒は、理論化学の優先順位を下げましょう。
あくまで非常時の作戦ですが、合格率を高めてくれます。
理論化学の難易度自体はほかの大問と変わらず標準レベルを中心に少し難しめの問題が混ざっています。
参考書・問題集
基礎と標準をしっかり網羅できることが最大のポイントです。
また、最重要である有機化学を理解(Amazonリンク)するためには、化学基礎で習う範囲の理論化学は精度をかなり高める必要があります。
大切なのは根拠を重要視している参考書(Amazonリンク)であること。
難しすぎず、基礎的な理解を大事にしているということもポイントとなります。
問題集
標準レベルが網羅されている、典型問題が多いものが最適です。
同時に、極端な難問や奇問が入っていない問題集(Amazonリンク)を中心に選びましょう。
過去問(赤本)
特殊な問題は基本的にないので、早めに取り掛かる必要はありません。
まとめ
保護者の方へ
京都薬科の化学は、薬学部や薬科大学を目指す人からすると良い問題と偏りがあります。
同時に他大の薬学部対策にもなるので、京都薬科が候補に少しでも入っているのであれば、早め(高校2年の夏まで)に候補校の1つとして勉強をはじめましょう。
お子さんは、受験について本気で考えるのは高校3年になってからと勘違いをしています。
その勘違いを修正するのが保護者さんの役目であり、塾や家庭教師の面談などを利用しながら、保護者の方から積極的に動きましょう。
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