日本獣医生命科学大学の生物を徹底分析
日本獣医生命科学大学の獣医学科では、
1回試験と3回試験が英数理のすべてが日獣独自の試験。
2回試験が、英数が共通テストで、理科のみ日獣独自の試験です。
日獣の理科は60分で配点は100点。
これは英語と数学も同様です。
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私立獣医より国立獣医対策がはまりやすい
日獣は私立獣医でも最も記述問題が多く、4~5つの大問のすべての大問で記述問題がある年も少なくありません。
また、図で記す問題も大きな特徴です
論述問題は根本的理解を問われる
日獣の記述は、実は非常に良心的な問題です。
それぞれの現象に関して、結果の裏にかくれている、理由を問う問題、
つまり、しっかり本質的な理解をしていますか?
ということを聞いているからです。
記述量も30~50語程度が多く、1つか2つの理由を明記するだけ。
理解に基づいた暗記という王道の勉強法を行った生徒からすると、
微妙でわかりにくい選択問題より、記述問題の方が答えやすいはずです。
点数の7~8割は知識問題
日本大学や麻布大学など、完全マークで記述はなしという私立獣医が多いですが、日獣は論述だけでなく、用語も記述する必要があります。
実験・論述・図示と難しい部分に目がいきがちですが、点数の中心は知識問題です。
特に、○○に当てはまる具体例の記述が多く、知識のきき方としては岡山理科に近くなっています。
正しい暗記をすれば記述が不完全でも十分に合格が取れると同時に、暗記の細かさもそこまで強くないので、非常に対策しやすいといえるでしょう。
図表と実験と計算で難易度が異なる
グラフに線を入れるなどの図表問題が2,3年に1度出題されています。
1回試験でも2回試験でも出題の可能性はあります。
出題頻度が低く、特別な対策は必要ありませんが、
例えば細胞分裂の染色体量、肺胞のSpO2、酵素の濃度など、典型的なグラフを中心に、しっかりと理解しておく必要があります。
これは図表以外でも問われる内容なので、特別な対策ではありません。
あくまで典型問題であり、独自の特殊な実験ではないので、参考書の実験や図などからほぼ確実に出題されます。
教科書的実験と独自実験
日獣の難易度を最もあげているのが、実験問題です。
国公立獣医ではよく出題される実験問題ですが、私立獣医での出題は少なめ。
大問が4~5つあって、実験が2問程度は出題されるので、実験問題に慣れておきましょう。
前述したように、参考書に記載してある実験が中心です。
以前より独自の実験問題は減少傾向なので、解きやすくなったと言えるでしょう。
教科書レベルの実験は根本理解が重要
実験問題から、図表問題や論述問題が出題されるので、実験問題に対しては、単純暗記ではなく、理解に基づいた暗記が必須です。
そしてここが、差がつく問題です。
計算の難易度は高くない
実験問題と比較すると、計算問題は出題数も1~2問と少なく、難易度も標準的で、取り組みやすいです。
論理的思考力は必要ですが、計算力がほとんど不要です。
ただし、典型的な計算問題はしっかりとおさえておきましょう。
対策・参考書・問題集
実験や図表問題のために、図を書いて自分でそれぞれの現象を理解するということです。
全部を終わらせるには、浪人生でも半年弱。
現役生であれば、1年近くはかかるはずです。
例えば、
光合成の光化学系は、図を見ながら説明できるでしょうか?
二界説と五界説は例を加えて図示できるでしょうか?
ウニとカエルの発生の流れを書けますか?
これがそれぞれの分野でしっかりと行えれば、理解をしているということです。
図表問題も、論述問題もクリアできるでしょう。
参考書
上記のようなものから1冊あれば大丈夫。
参考書は何冊も買ってはいけません。
1冊に絞りましょう。
ただ暗記するのではなく、理解を必ず行いましょう。
理解のない暗記は、持続時間も短く、論述や実験にも対応できません。
問題集
基本的な力をつけるのが最優先。
上記のような問題集を3年の夏休みが終わるまでは繰り返し解き、基礎力を固めましょう。
浪人生もこれを7月くらいまではやりましょう。
共通テスト(センター)過去問も十分な効果があるといえます。
計算や基礎暗記だけでなく、基本的な実験項目や論理的思考問題にも対応していることが、化学にはない共通テスト(センター)生物の良さです
その後、論述や実験理解のために、
「基礎問題精講」、「チャート式 生物」、
などから1冊を追加しましょう。
その間も、最初にあげたような基本的な問題集を常に解き続けましょう。
基礎問題の復習は受験の当日まで終わることはありません。
余裕があれば実験をさらに強化
独自の実験に対しては、国立向けの実験が多い問題集が適切です。
「標準問題精講」、「CamPass 生物基礎+生物」、「理系標準問題集 生物」
などがいいでしょう。
重大な注意事項として、こればかりやってはいけません。
独自の実験の点数は1割程度なので、ここはあくまで加点程度に考えましょう。
まとめ
- とにかく基礎理解を大切にしよう
- 図を書いて暗記を強化しよう
- 典型実験は図表も理解しよう
保護者の方へ
私立獣医においてトップの人気と難易度を誇る日本獣医生命科学大学ですが、実は理科の難易度は高くありません。
論述や図表に驚く受験生も多いですが、内容は基礎から標準ばかり。
選択するか記述するかだけの違いであり、英語や数学よりはるかに点がとりやすくなっています。
一方で、麻布や日大といった他の獣医との違いに注意しながら勉強しなければ中途半端になります。
私立専願なら他の2科目やほかの大学と、国公立も含めて考えているのであれば共通テストなどとのバランスをコントロールしてくれる先生がいれば合格率は高まるでしょう。
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