日本獣医生命科学大学の化学を徹底分析
日本獣医生命科学大学(日獣)では、
O方式(以前の1回試験と3回試験)が英数理のすべてが日獣独自の試験。
C方式(以前の2回試験)が、英数が共通テストで、理科のみ日獣独自の試験です。
日獣の理科は60分で配点は100点。
獣医学科だけでなく、O方式の理科は他の学科も同じ問題。
獣医保健看護学科や応用生命科学部でも、基本的な考え方は同じです。
(合格最低点が異なるので、実際には勉強方法で差がでます)
日本獣医生命科学の獣医学科に合格する方法は → 基本情報 英語分析 数学分析 生物分析
他の獣医分析は → こちら
日獣の獣医学部全体の分析は → こちら
数年前から傾向に変化
2023年から大問数を含めて変化がありました。
大問が5つが基本になりました。
大問1~3は選択問題。
出題内容は違いがありますが、形式としては共通テストに近いです。
大問4と5は記述が中心。
選択問題も出題されることがありますが、用語を記載したり、構造式や化学反応式を記載することもいあります。
10~60字程度の記述問題も増えています。
反応式・構造式・計算
私立獣医では日本大学や麻布大学など、理科は完全マーク式のみもありますが、
日獣では化学反応式や、有機化学における構造式の記載があります。
また、計算問題には有効数字も設定されています。
出題形式を考えると岡山理科に近いですが、難易度は2ランクくらい日獣の方が高いです。
圧倒的に理論中心
2022年までは大問が6~7つの年が多かったですが、2023年から大問数が変化し、ここ3,4年は安定。
理論化学は大問1~3で出題されやすくなっています。
理論化学はまんべんなく
この範囲が必ず出題されるというのはほぼなく、理論化学の全範囲からきれいに出題されています。
熱化学、コロイド、酸塩基、化学平衡、…と全範囲から出題されており、どこが出題されるか予測がつきません。
また、無機化学もそれぞれの原子の性質から物質との反応、各用語を単純に暗記するだけでは解答できないように作られています。
例えば2025年(第1回:O方式に相当)は大問1に化学基礎の原子や分子などが中心の大問がでました。
大問2が濃度・浸透圧・有機化学の計算・無機化学など、理論化学を中心とした複数の分野からの小問集合。
大問3は理論化学を中心とした計算問題が多数出題される複数の分野からの小問集合でした。
2024年や2023年なども同様の傾向です。
私立獣医より国立に近い
私立獣医の化学は1問1答形式が多く、大問内での小問同士のつながりが浅いケースが多いです。
日獣でも前半は一問一答形式が多数出題されていますが、後半では大問がしっかりと塊となりやすい傾向。
その分野に対して、しっかり理解していれば、大問丸ごと点が取りやすい反面、
苦手な分野だと大きな失点につながる可能性があります。
ちゃんとした勉強をしてきた生徒に有利で、場当たり的な暗記に頼っている生徒には不利といえるでしょう。
計算と反応式は基礎~標準レベル
生物のように記述問題は少ないですが、代わりに計算や反応式の問題はふんだんに出題されています。
反応式を一つ一つ丸暗記するのでは対応できません。
反応が起こる根本原理を理解し、その場で作れるという化学での王道の勉強法をしましょう。
難易度が高くない計算が多いので、反応原理がわかれば計算問題は点が取りやすいでしょう。
無機化学と理論化学は複合
年によって違いはありますが、無機化学は理論化学と複合させる場合があります。
事実として、無機化学は8割くらいは暗記で合っています。
ポイントは10割暗記ではないということ。
2021年の電気分解と無機化学の複合は特に良い問題だったと思います。
勉強において、基本的に単純暗記はほぼないと考えましょう。
無機の反応式も作ります
無機の反応式を書く問題は日獣でもそこまで多くはありません。
しかし、実際に出題されたこともありますし、係数や酸化数といった部分的な出題もあります。
そもそも、反応式は作るものであり、暗記でなんとなく終わらせるものではありません。
さぼらず、逃げず、つくりましょう。
その方が大学入学後も役立ちますし、大学入試でも役立ちます。
最後はやっぱり有機化学
有機化学は標準レベルが中心ですが、応用レベルの問題も一部出題されています。
5つの大問中、最後の2つは有機化学が定番となりつつあります。
2022年の大問数が6,7個あった時代も、最後の2つが有機化学になりやすかったことを考えると、有機化学比率が高まりました。
ほぼ確実に一定割合出題され、そこまで範囲が広くないので対策は重要です。
また、他大でも出題量があるので、得意まで育て上げましょう。
有機化学は勉強方法と計画性にミスがでやすい
有機化学(と高分子化合物)は化学基礎と化学の最後に学ぶ範囲。
これまで勉強した範囲(特に化学基礎)の理解が甘いと、有機化学はほぼ確実に勉強方法を間違えます。
有機化学は高校3年生の夏や秋(中高一貫だと2年生の冬~3年生の春くらい)で学ぶことが多いです。
ここで勉強方法の間違いに気づいて復習が間に合えばよいですが、復習する時間が足りずに浪人することになる場合もあります。
最適解は高校レベルの化学基礎を学ぶ高校1年生(中高一貫だと中3の夏くらい)から受験を意識した正しい勉強をしていきましょう。
大変にはなりますが、高校1年生の冬や高校2年生の春くらいから始めても間に合う場合は十分にあります。
求められる知識や、理解の流れは標準的なので、難しいとは感じないはずです。
実際に合格点を考えると応用レベルも少しの点は必要になります。
標準的な理解をしっかりしていれば、日獣の応用レベルは半分以上は絶対にとれます。
合格点は標準レベルで十分にとれます。
有機の計算はくせもの
計算は理論と有機で多いですが、有機の計算は一定以上のレベルが保たれており、しっかりと対策が必要です。
また、複雑な有機化合物の構造式を書く問題も多く、名前の付け方から構造式を書けなければいけません。
有機化学の最初のところで、なんとなく暗記に頼ると、日獣の有機化学は無理でしょう。
勉強法・参考書・問題集
反応式や計算も重要ですが、基本の暗記が不十分であれば何もできません。
理解の4段階に一つ一つを照らし合わせながら、基本原理は説明できるようにしましょう。
注意すべきなのは、難易度は標準レベルが最重要であり、難しい発展応用レベルの量は少ないということです。
いきなり高難易度にチャレンジするのではなく、しっかりと基礎固めし、標準問題を解くことに十分な時間を使いましょう。
参考書
教科書では理解が不十分になるので、最初から教科書は使わないようにしましょう。
何度も繰り返し読むことになりますが、理論化学と有機化学の理解を考えると、化学基礎の理解は深く、ある程度早めに終わる必要があります。
岡野の化学(Amazon リンク)
宇宙一わかりやすい高校化学(Amazonリンク)
あたりは化学基礎もわかりやすく、使いやすいと感じる生徒が多いです。
獣医保健看護学科や応用生命科学部を志望する生徒にもおすすめできます。
(学ぶペースや深さは獣医学科と異なる部分があります)
できれば高2の夏休みが終わる頃には、化学基礎の理解に自信がある状態が理想的です。
浪人生の5月時点で、化学基礎の理解が不十分であれば日獣や国立獣医の合格は難しいくなっていくでしょう。
問題集
学校で配られている問題集も非常に有効です。
セミナー化学(Amazonリンク)
リードシリーズ(Amazon リンク)
は王道で使いやすく、日獣対策としても十分な内容です。
現役生であれば上記の問題集は高校1年~高校3年生の夏休み、場合によっては12月くらいまではメインとして使いましょう。
受験の前日まで使う生徒も多いです。
浪人生は夏休みの中頃までには1周を終わらせましょう。
特に化学基礎は標準レベルの問題までを完璧にしてください。
2周目3周目は苦手分野を中心にしつつ、他の科目とのバランスも見ておきましょう。
共通テスト(センター試験)の過去問は日獣にはあまり向かない
計算対策や基本知識の理解には共通テスト(センター試験)過去問は有効です。
大問1~3も形式が似ているので使いやすいです。
(獣医保健看護学科や応用生命科学部を志望する生徒は基本的に使わなくて大丈夫です)
夏休みは共通テスト過去問を解きまくって、知識の定着をはかることはおすすめです。
特に国公立も視野に入っている生徒は必須です。
しかし、記述問題や構造式、化学反応式や無機化学と理論化学の複合問題には不足がでます。
共通テスト対策だけでは全般的な化学の勉強であり、日獣対策とはいえないことに注意しましょう。
まとめ
- 反応式と計算は最重要
- 化学基礎の完璧理解が勝負をわける
- ぎりぎりまで標準レベルに時間をつかおう
獣医学科出身のプロ家庭教師へのお問い合わせは → こちら
他の記事一覧は → こちら


