東京都市大学の化学
東京都市大学では、2月1~3日の前期試験がメイン。
前期試験の化学を分析しています。
理科の選択に注意
理工学部
建築都市デザイン学部
情報工学部
では理科は必須となっています。
環境学部
社会メディア学科
デザイン・データ科学部
都市生活学部
では、理科は地理歴史との選択。
理科を外すこともできますが、理科から1つを選ぶのが王道といえるでしょう。
都市大の理科は選択に工夫が必要です。
化学3問 生物3問 物理3問
の合計9問から3問を選択します。
普通は、単独で1科目を選びます。
一方で、化学から2問、物理から1問といった組み合わせを当日選ぶこともできます。
化学には解きやすい問題が入ることが多いので、 化学がある程度得意であれば非常に入試で有利になります。
もちろん都市大以外の大学でも理学部や生命科学部を受験する場合には、化学は使いやすい科目と言えます。
物理を選ぶほど数学力に自信がない
生物を頑張るほど暗記力が微妙だ
という生徒は、化学が最適といえるでしょう。
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全方位的に標準レベル
大問1は全範囲の小問集合
大問2は理論化学と有機化学の小問集合
大問3は理論化学
となっています。
近年では、大問2が理論化学で大問3が有機化学になることもあります。
また、大問2で有機化学と理論化学。大問3でも有機化学という、有機化学比率高めの年もありました。
基本的には理論化学中心で、次いで有機化学。
無機化学比率は他の大学同様に低いという理工系大学の傾向と同一です。
2025年からは新課程ですが、化学の範囲はほぼ変わらないので、出題傾向も多少の変更はあっても大幅な変更の可能性は低いでしょう。
大問1でしっかり点を確保する
大問1は比較的簡単な計算と、一問一答に近いような暗記で解ける問題も入っています。
分野は理論化学・有機化学・無機化学のすべてが入ります。
また、すべてが暗記ではなく、グラフなど理解をする正しい勉強法をしているかの問題もあります。
内容は基礎~標準レベルなので、正しい勉強が普通に出来てればほぼ完ぺきに正解できるはずです。
計算も1~2行程度の量しかないので、四工大を志望校に入れている生徒であれば、楽勝です。
逆に言えば、この大問1で苦戦するようであれば、いますぐ勉強法などに改善が必要でしょう。
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大問2
大問2も小問集合ですが、こちらは有機化学が中心の出題となっています。
大問1と同様に8択です。
6つの小問の多くに有機化学の要素が含まれていますが、最初に熱化学の標準的な計算問題が含まれているのが定番。
熱化学には有機物の燃焼や結合エネルギーに関する問題もありますが、分野としては理論化学となります。
鎖式や環式の基本の有機化学だけでなく、最後の小問では高分子化合物の知識問題が頻出となっています。
有機化学ですが、全体の流れがない小問なので、知識に偏りがちです。
ここまで有機化学で知識が重要なのも珍しく、都市大の化学ばかりを見ていると、併願校の点数が伸びません。
都市大が第一志望の生徒と、都市大以外が第一志望の生徒で勉強方法が変わるので注意してください。
大問3
最後は分野が決まった大問です。
選択問題ではなく、構造式や反応式の記載もあります。
文章の中に下線部があるタイプ。
流れがあるようで、独立した問題が多いので、化学よりも生物の入試の形式に近いといえます。
過去には有機化学の大問となっていましたが、近年は理論化学でところどころ無機化学が含まれるのが主流です。
実際に聞かれている理解度は他の大問と変わらないので、大問3だと急に難しく感じる生徒は、おそらく勉強方法を間違えているでしょう。
正しく勉強できていれば、大問1,2も大問3も無理なく理解できるでしょう。
計算と化学反応式が非常に大切
四工大の化学だけあって、理解と計算が重要視されています。
化学は変化の学問であり、連続した流れがあります。
地歴公民のように単独での暗記習慣がついている生徒は、苦戦するでしょう。
大問2,3の計算も難しくない
大問1の計算は基礎的で、公式に当てはめるだけでした。
大問2と大問3の計算も標準レベルの典型問題。
どの問題集でも問われるレベルであり、真面目に練習しておけば本番でもほぼ確実に解けるでしょう。
四工大を目指すレベルにあれば、計算問題は点がとれるおいしい問題です。
全体感をもった勉強
化学反応式は化学を考えるうえで重要ですが、単独で覚えてもあまり意味がありません。
全体の中で、何のための実験として反応させるのか?がわかれば一気に世界が広がります。
難易度と参考書・問題集
難易度としては基礎~標準レベルが中心です。
大問3は都市大の中では最も難しい問題として設定されており、これは化学だけでなく物理や生物でも同様の構造。
ただし、難易度は標準的であり、暗記要素が少ないだけで難問は出題されていません。
難しさは偏差値60くらいの定期テストでも出題されるくらい。
目先の暗記に頼りすぎず、忘れにくい理解と暗記の組み合わせが出来ていれば合格点を取ることは誰でも可能です。
選択肢では共通テストのように8択が基本で勘は通用しません。
理解が重要なのは事実ですが、暗記の質も求められます。
参考書
大切なのは全範囲の基礎~標準レベルをしっかり理解すること。
そのためには、高校2年生の夏までには受験勉強をスタートしましょう。
現在の化学の全国偏差値が40~45くらいだとしても、高校2年からはじめれば十分に現役合格を狙うことができます。
問題集
問題集も学校でつかうような標準レベルの問題集が有効です。
リードライトやセミナー化学などがあれば、基本的に1冊で事足りるでしょう。
全般的な復習と、選択肢の選び方は共通テストやセンター過去問も利用ができます。
まとめ
- 理解の化学が大事
- 計算は点が取りやすい
- 標準レベルで合格できる
保護者の方へ
東京都市大学の理科は特徴があり、化学は真面目かつ正しく取り組めば合格点を取ることは難しくありません。
大切なのは、真面目なだけでは不十分だということ。
お子さんが正しく勉強できているかどうかは、自分ではなかなか判定できないだけでなく、自分からヘルプを出すのが難しいです。
模試や定期テストを簡単にでもチェックしてあげて、違和感があるようであればプロ家庭教師などを活用しましょう。
例えば私の初回面談では、受験科目は1つずつチェックして、保護者の方が気づきにくい問題もかなり出てきます。
外からの目は効果が高いです。
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