北里大学獣医学部の生物
理科は生物、化学、物理から1科目選択します。
配点は他の2科目と同様の100点で、時間は60分です。
獣医学科をメインターゲットとして以下の解説を行いますが、
獣医学部の他の2学科
(動物資源科学科、生物環境科学科)
と、
海洋生命科学部(海洋生命科学科)
も同じ問題です。
北里の理科のメインの選択科目である生物と化学を比較すると、若干生物の方が難しいです。
特に理系で数学も得意な生徒は生物より化学がおすすめ。
逆に暗記が得意だったり図示の理解が得意な生徒は生物がおすすめです。
他の獣医学科分析は → こちら
Ⅲ期(後期)がちょっと難しい
Ⅰ・Ⅲ期(前期後期)で難易度はほぼ変わらず、合わせた分析となっています。
ただし、実際にはⅢ期は出題形式に若干の変更があり、Ⅰ期とは違った分野が出題される傾向にあります。
また、生物入試で重要な思考問題の比率が高く、理解を大事にしていない生徒からすると難しく感じるでしょう。
基本的にはⅠ期(前期)で合格しなければ、Ⅲ期(後期)は難しいものと考えましょう。
ジャンルに偏り
北里大学では3つの大問があり、それぞれの大問ごとに20問程度で、全体で50~60問程度ありましたが、近年は減少傾向。
40~50問程度がおおくなっています。
各大問の最初には、日本語の長文における知識の穴埋め問題がほぼ100%出題されており、基本的な知識がしっかり頭に入っているだけで、20点くらいが取れてしまいます。
重点分野は細かく暗記
同化と異化(呼吸・光合成・窒素と硫黄など)
遺伝(メンデル、遺伝子そのもの、ハーディワインベルグなども)
細胞生物とタンパク質(転写と翻訳も含む)
といった分野は非常に頻出。
2021も遺伝のオペロンや、大学に入学すると細かく勉強するGFPに関する問題も出題されていましたし、光合成の回路も問われていました。
オペロン説は2023年も出題がありました。
毎年上記の分野から2つ程度は出題されています。
この分野は特に細かい暗記が必要ですが、高校生物における難易度が高い分野でもあります。
なんとなく暗記ではのりきれません。
絶対に理解をしましょう。
理解をしなければ暗記もついてきませんし、北里の合格はもちろん、他の獣医でも合格は難しいでしょう。
出にくい分野はあるけど、結局全部必要
進化と系統の暗記中心の分野
植物の発生
遺伝の連鎖ありの計算
などは出題頻度が低いです。
しかし、大問が3つしかなく、偶然出ていない可能性が高いのも事実。
暗記の深さはそこまでではないとしても、必ず全分野は一通り網羅しましょう。
難易度は標準的だが、落とし穴もある
問題自体は標準的な難易度。
ただし、頻出分野である、
呼吸と光合成・遺伝・細胞生物などを中心に、かなり細かい知識が聞かれています。
麻布大学や日本大学の獣医でもそうですが、私立獣医はとにかく暗記に偏っていて、細かい部分まで聞いてきます。
思考力より暗記力。
暗記のためには理解が必要です。
単純暗記ではなく、理解に基づいた暗記を行いましょう。
計算は少ない
計算問題は全体で2問程度で、得点にして10点以下。
2018・2020・2023年はそもそも計算問題が出題されませんでした。
簡単なので出来ればとりたい
どうしようもないくらいに計算が苦手であれば仕方ないですが、
難易度は基本的なものが多く、公式にあてはめるだけの問題もあります。
正しく勉強してきた人からすると、計算は点が取りやすい問題になります。
どの分野からも可能性がありますが、遺伝系の計算が極端に多いです。
実験問題は1問前後
事前知識がほぼ関係ない、論理的思考力を前面に出した実験問題は少なく、点数にして10点ほど。
獣医全体でみると思考力が重要な実験問題の重要性が高まっているので、北里以外の併願校を考えると対策は必要ですが、北里単体で見ると重要性が低いと言えます。
実際に北里の傾向では、難易度は標準的。
ただし参考書に載っていない、その場でしっかり考えなければいけない実験問題も時々出題されています。
標準レベルなので、しっかり時間をかけて文章を整理し、図におこすことで、問題なく解くことができます。
逆に、単純暗記ばかりに頼っていると、こういった問題に対処できません。
特に国語力(現代文力)が低いと厳しくなるので、理系でも現代文が教えられる先生が理想的です。
最初から理解が前提という認識をもって生物を勉強していきましょう。
参考書の実験は普通に出題
教科書や参考書に書いてある有名な実験問題はふつうにバンバン出題されます。
最初に基礎知識というのは変わりませんが、実験系の知識も入れておきましょう。
対策・勉強法
北里は、生物はもちろん、他の科目においても、とにかく王道の勉強法で、典型的な問題を多く解くことが重要です。
全体的に標準レベルが中心で、応用レベルはほぼありません。
傾向と対策が非常にささります。
一つ一つの事象に対して、理解の4段階を使いながら、図を書いて、理解に基づいた暗記を行いましょう。
参考書
実験も含めた典型理解がしやすいものがおすすめです。
とにかく何度も繰り返し読んで、図を描きながら暗記しましょう。
化学や物理に比べると参考書や問題集の種類が少なめなので、1冊で不足することがありますが、気にせず1冊をしっかり極めれば合格は間違いありません。
問題集
基礎知識を確認するような問題集としては
「シグマ基本問題集」
「リードLightノート」
「MYBEST よくわかる生物基礎+生物」
などがあります。
学校で使うような
「セミナー」
「リードα or light」
も非常に有効です。
自分がやりやすい基礎~標準レベルの問題集を最低でも4回は解きましょう。
北里の生物は、私立獣医の中でも暗記比率が高いです。
北里の上位合格や、さらに難しい私立獣医、国公立獣医を狙うのであれば、
論理的思考力を問うような実験問題まで網羅するといいでしょう。
その際には、理解トレーニングの考え方に沿って勉強するのがオススメです。
まとめ
保護者の方へ
北里の生物を含めた理科は3科目で最も難易度が高く設定されています。
獣医学科を受験するのであれば、他の科目との時間配分や勉強方法をしっかりコントロールすることで、合格率を大きく高めることができます。
お子さんの力を正しく伸ばしてくれる先生をつけてあげてください。
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