芝浦工業大学の数学
芝浦工業大学の前期試験の数学は、90分で4つの大問があります。
大問1が3つに分かれた小問集合
大問3は単独の大問 or 2つに分割された小問集合
大問2と4は単独の大問
という構成です。
本分析は前期試験のみのものなので、注意してください。
ⅠAⅡBⅢの全範囲から出題がありますが、メインは工業大学らしく、数Ⅲ。
そしてそこに数Bなどが絡んできています。
出題範囲は読みやすい
出題範囲は幅広いですが、大半が数Ⅲと数B、そして数Aからは確率(場合の数)からの出題となっています。
数Ⅱの指数対数・三角関数、
数Ⅱレベルの微積、図形と方程式は
数Ⅲの範囲で出てくるものが理解できていれば、数Ⅱでの応用問題はほぼ出題されません。
また、証明問題は基本的に出題されないこともあり、数Aの整数の性質は出題が見られません。
わかりやすく優先順位を下げていいでしょう。
数Ⅲでも極限と楕円双曲線からはほぼ問われることはありません。
基本的に典型的な複素数平面と微積をおさえておけば数Ⅲ対策は95%完了したと思っていいでしょう。
最初は小問集合
大問1は、ほぼすべての年で3つの小問となっています。
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確率(場合の数)は欠かせない
ここ数年は場合の数・確率から出題があります。
基本的で公式+標準レベルの問題ができていれば簡単に解けるように作られています。
典型パターンをおさえておきましょう。
数Bからもどちらかが出題
確率に続いて、数列もしくはベクトルからも出題が1つでやすいです。
ただし、2020、2021は数Bではなく、
数Aの簡単な平面図形から出題されました。
こちらも典型的な基本問題からの出題なので、センターや共通テストより簡単に作られています。
大問1は満点を狙いたい
他の大学と同様に、大問1が明らかに難易度が低く、点を確実に稼ぐべき問題となっています。
おそらく18~30%の配点がありますが、ここで確実に満点をとれば、合格に必要な60%の確保はかなり楽になります。
他の大問では出題されにくい数Aや数Ⅱの範囲からも出題されているので、勉強量は多くなりますが、
ここで2問程度は当然点が取れるような実力をつけることを最初の目標としましょう。
時間をつかってでも点にしたい大問
大問2は出題範囲がもっとも推測できない大問です。
2020、2021、2022は大問1から数Bの出題がなかったためベクトルと数列でしたが、
この傾向が続く保証はありません。
ただし、難易度は明らかに大問4より低く設定されており、計算量も多くありません。
また、大問1、2が満点に近ければ、ほぼ合格最低点に到達します。
解き方がわかっているのであれば、たとえ大問1,2で60分ほど使ったとしても、解答する価値があります。
逆にこの大問が難しくてあまりペンが進まなくても大問3に力を入れれば問題ありません。
自分の実力と時間配分、そして大問3の解きやすさを考えながら取捨選択しましょう。
浪人生であれば夏を目安に、遅くとも10月には大問1,2でほぼ満点がとれる学力をつけましょう。
大切なのは全大問を解くことではなく、合格最低点を超えることです。
60%~とれればいいと割り切りましょう。
メインは複素数平面
大問3では、小問集合と大問の2つのパターンのどちらかが約半分の確率で選択されています。
ただし、近年は2つに分割された小問集合が多いです。
大問でも小問でも複素数平面がここで狙われやすいです。
また、ここで複素数平面が出題されない場合には、大問1,2のどちらかで複素数平面に触れられることがほとんど。
基本的に複素数平面は優先順位が非常に高い分野です。
複素数平面はパターンが読みやすい
複素数平面は数Ⅱでの複素数、図形と方程式、数Bでのベクトル、ときどき数Aでの平面図形という複合分野です。
これらの基礎力がしっかりとあれば、数Ⅲでの複素数平面はパターンが少なく非常に解答しやすい。
また芝浦工大の複素数平面は応用発展分野からは出題されず、
基本~標準レベルが解答できるようになれば問題なく対応できます。
基礎計算を身に着けて典型問題を勉強していきましょう。
重要性が増しつつある複素数平面
これまで単独の大問が少なかった複素数平面ですが、2022は大問4で積分と絡めるなどこれまでにない形式がみられました。
また、2025年からの新課程では数学Ⅲから数学Cとなるので、共通テストでも出題されることとなります。
今後は芝浦でも複素数平面の応用性が高まる可能性があり、現在の高校1,2年生は一層の勉強が必要でしょう。
最後は媒介変数の微分がメイン
最後の大問は媒介変数を使った2曲線の出題が非常に多いです。
しかも単純なものではなく、eに加えて対数関数や分数関数と絡めることが必須。
数Ⅲでも標準以上の学力が求められます。
媒介変数がない場合には数Ⅲの微分・積分から出題される可能性が非常に高いです。
特に積分に重きをおいた出題になりがちです。
最初はセオリー通りで、与えられた関数の微分や積分から入りますが、関数自体がある程度複雑なのでここで計算ミスをする可能性が最初の難関。
確実にとけるように、かなりの時間を数Ⅲ微分の計算問題に使いましょう。
微分の計算を間違えると、そのあとの積分などもほぼ間違えるので、最初の計算確認が重要です。
増減表から極値ができるのは当たり前
数Ⅲの微分を行うときに、たとえ媒介変数があっても、式が多少複雑でも、増減表から極値、そして図形を描写できるのは義務といえます。
もちろん、接線や法線も合わせて理解しておきましょう。
数Ⅱの微分で丁寧な勉強ができていれば、すんなり進みます。
逆に数Ⅲの増減表や図形で困る場合には、数Ⅱレベルの理解に立ち返ってみましょう。
曲線の長さと加速度
多くの大学では微分から始まり積分で締めることが多いです。
しかし、芝浦では、積分ではなく、曲線の長さや加速度が問われることが多いです。
積分も大切ですが、圧倒的に微分に偏っています。
まずは計算ミスも含めてしっかりと微分をマスターしましょう。
問題集
問題集としては黄色チャートやニューアクションβが適切でしょう。
2018は非常に難しい問題が出題されたことにより、青チャートレベルの学習が一部必要でしたが、
合格最低点をしっかり確保するという本来の目的を考えると、黄色チャートで十分です。
また、一部誘導問題が出題されることがあり、それはセンター試験の誘導に似ています。
共通テストの誘導は回りくどく問題文も長いので、あまり効率的ではありません。
新課程は買い間違いに注意
新課程の生徒(高校1,2年生など)は買い間違いに注意してください。
パターン暗記と根本理解の使い分け
メインとなる数Ⅲ分野では、パターンに沿った典型問題が数多く出題されるとともに、
単純に計算力をとわれている問題も見られます。
芝浦が第一志望であれば数Ⅲは根本理解を確実にしていくよりも、典型問題の練習に力を入れるのがよいでしょう。
また、計算ミスの分析も行うべきです。
数Ⅲに入る前に、数ⅡBまでの深い理解を頑張りましょう。
特に浪人生は中途半端な理解で問題を解くことだけに時間を使う傾向にあるので、注意しましょう。
保護者の方へ
芝浦工業大学は、四工大で最も難易度が高く、正しい勉強が必要です。
その中でも数学は難易度が高いと同時に物理にも非常に役立ちます。
数学の勉強法を間違えればそのまま物理も難しくなりますが、
数学の勉強法が正しければ物理の点もあげやすいです。
お子さんの成功のためには、短期的な点数ではなく長期的視点に立ってくれる指導者を見つけてあげてください。
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