芝浦工業大学の英語
芝浦工業大学のメインの入試は前期、全学部統一、後期の3回あります。
どの学部学科も問題は共通で、科目も基本的に同じですが、今回は最も定員が多い前期日程の分析になります。
その他の大学分析(全記事一覧)
8つの大問
最初の特徴としてあげられるのが、大問が8つと多いこと。
90分で8つも大問があると時間配分が気になるところですが、
大問1つのボリュームが多いものと少ないものが混ざっています。
全体としては90分であれば十分に消化できる分量。
大問が多いからと焦って早く処理しようとすると、拙速となり点数が伸びません。
最初は時間制限なしで、なおかつ時間をはかってみましょう。
意外と時間内におさまります。
1~6まで文法問題
最後の2つの大問を除いて、基本的に文法問題や短い会話文からの出題になります。
種類の違う問題が続く雰囲気は以前のセンター試験や、中堅の私大によくあるタイプです。
最新の傾向にも注意
芝浦は数年に一度ですが、出題傾向が異なる問題が出ています。
2022年度は大問が9つになり、大問7が文の並び替えで、8と9が長文でした。
さらに2022年度の大問Ⅲは、英語の質問文(1~2文)に対する正しい答えを4択から選ぶものでした。
単純暗記の文法ではなく、問題文を翻訳(和訳)するだけでなく、考えて理解することが必要になります。
落ち着いて考えれば難易度は標準レベルですが、最低限の論理的思考力が必要といえるでしょう。
文法問題のタイプをおさえよう
主に文法系の問題が5つ出されます。
基本文法に注目
ベーシックな4択の文法問題。
これは過去のセンター試験の大問2に相当する問題です。
基本的に10題が2セットあります。
特徴として、最初の10問は単語よりの問題が出題されます。
文法的な紛らわしさよりも、単語力、熟語力が勝負。
英単語は長文で問われる大学も多いですが、芝浦は直接4択で問われます。
特にスペルが似ているけど、意味が違う単語もよく出ているので、確認しておきましょう。
もう一つ必ず出題されているのが、並び替え問題。
こちらも過去のセンター試験で出題されていた文法問題のパターン。
こちらもしっかり対策が必要です。
会話文は大問1
4択や並び替えはほぼ100%どの私大でも出題されますが、会話文は大学によって差があります。
芝浦でも、2018などは出題がありませんでしたが、近年は毎年大問1で出題されています。
難易度は高くなく、標準的。
偏差値55以上の高校であれば、普段の学校の勉強で大半はカバーできるので、対策にかかる時間は短いです。
学校の復習をサボり気味の生徒や、受験勉強のスタートが遅れた生徒は、問題集を使ってしっかり復習しましょう。
2文が同じ意味になるように
芝浦で特徴的な問題が、適切な単語の書き換え問題です。
名詞を形容詞に変えたり、動詞を名詞に変えたりなど、
単語の品詞を変更する問題になっています。
選択ではなく実際に記載する必要から、スペルを正確に書かなければいけないと同時に、品詞の微妙な違いを理解しておかなければいけません。
工学系や建築系など、最初から芝浦を受験する可能性がある生徒は、単語の勉強の時点で品詞にこだわっていきましょう。
品詞の違いは4択の文法問題でも活かされますし、長文理解のための文法学習としても有効な基礎です。
短めの長文
大問6たまに大問2で、100語前後のボリュームの文章が出題されたり、
合計で50~100語程度になるような、短文の並び替えなどが出ることもあります。
年によって位置も形式も変わってくるので、予測ではなく正しい英語力をつけて、
どのような問題でも対応できるようになりましょう。
大問2の変化
数年前まで大問2は図表の読み取り問題が出題されていました。
現在は、4択の文法問題であったり、並べ替え問題であったりと、
旧センター試験の大問2や大問3で狙われたような形式が出題されています。
また、図表も円グラフや棒グラフといった分かりやすいものだけでなく、
リスニング等でも使われるような、簡易地図も出されたことがありました。
再び復活する可能性もあるので、一度は確認しておくことをおすすめします。
大問7は短めの文章
大問2や6のように、大問7も年によって変わる文章問題になります。
ただし、全体のバランスをみて、200語程度のボリュームになることもあれば、100語を下回る分量のこともあります。
また、出題形式も年によって変化するので、こちらも柔軟性が求められます。
ただし、最後の長文と違って単語もセンターや共通テストレベルであり、
出題形式も緻密に読みこむよりも、接続詞や大体の流れがわかることで解答できるものが多いので、
そこまで構える必要性はありません。
文の並び替えが出題されやすい傾向にあるので、
同様の問題の練習を行えば、そこまで抵抗なく取り組めるでしょう。
あくまでメインの長文は大問8になります。
メインの長文は大問8
これまでの問題とことなり、しっかりとしたボリュームがある、総合的な出題がされるのが大問8(2022年度は大問9)の長文です。
内容がまさに理系。
実験があり、典型的な理系文章になっているので、構成自体は読みやすく、長文読解テクニックが使いやすくなっています。
ただし、単語力が一定以上求められることと、和訳があることが特徴。
また、問題量から推定すると、内容把握の点数比率がかなり低いことから、長文はあまり読めなくてもいいのかもしれません。
芝浦に合格した生徒は、入学前や大学1年目に英語を鍛えなおすことをおすすめします。
ここでも序盤は文法や単語の穴埋め
大問1~6で多くの文法問題が出題されたにも関わらず、長文の空欄に単語を補充する、
長文中の文法問題が、こちらの大問でも出題されています。
問題集
利用する参考書、問題集は、
英単語 ・ 英文法 ・ 長文読解
の3種類に分けて考えましょう。
英単語は標準レベル
英単語としてはターゲット1400と1900の間くらいが適切です。
一方で、4択の前半10問が単語にこだわっていることから、ターゲット1900レベルの英単語を勉強するのがよいでしょう。
理想としては高校2年の秋までに共通テスト対策の英単語帳をマスターして、
高校3年でターゲット1900を完璧に仕上げるのとよいでしょう。
浪人生は春にしっかり英単語力を確認し、夏前までに完璧に近くしておきましょう
長文も鍛えながら単語の勉強をする場合は、速読英単語(必修編)も使いやすいです。
文法はこだわりすぎない
文法問題対策としては、同時に単語や熟語、品詞に会話が勉強できるものが望ましいですが、
無理に一冊で対策する必要はありません。
ただし、何度も繰り返すメインは1冊にした方がいいでしょう。
しっかり勉強するならば、会話表現も入った「NextStage」などがオススメですが、少し難易度が高いです。
いくつかおすすめを載せておきますが、自分に合ったものを選ぶのがよいでしょう。
また、文法で満点を狙うのは時間的ロスが大きいです。
問題集では8~9割取れればOKとしましょう。
90%を100%に変えることに時間を使うのは、非効率的です。
1冊をメインとして、基礎~標準レベルをとにかくやりこみ、3年生の夏まではとにかく英文法。
長文読解より英文法を頑張りましょう。
長文対策は共通テスト
センターや共通テストは図表問題の練習も同時にできるので、高校3年の夏ごろまでは徹底的にセンター過去問や共通テストを使った練習が役に立ちます。
高校3年の夏休みあけくらいには、私大中堅向けの問題集(500語程度)を挟んでいくのがよいでしょう。
上位国立や早慶上理レベルの長文問題集は難しすぎて、芝浦対策には不向きなので、使わないようにしましょう。
まとめ
- 基礎単語と基礎文法を固めるのが先決
- 柔軟さがもてる本当の英語力を身に着けよう
- 共通テストだけでなく、センター過去問を上手く利用しよう
保護者の方へ
四工大受験を目指す生徒では、数学や物理化学は得意でも、英語は自信がないという生徒が多いです。
四工大の中で最難関の芝浦ですが、数学と理科より暗記要素が強く、勉強方法を間違えている生徒も少なくありません。
一方で、理解の面では、英語と数理は同じ部分もあります。
お子さんの個性に合わせた勉強を行えば、成績は自然とついてきます。
真面目さも重要ではありますが、効率と正しさを大切にしましょう。
四工大に合格するための家庭教師なら → こちら
全記事一覧は → こちら