岐阜大学の数学
岐阜大学には6学部あり、入試問題は共通。
ⅠAⅡBCが範囲の学部学科は、大問1、2、3、文系数学の大問4、文系数学の大問5
数学Ⅲが入る学部学科は、大問1、2、3、理系数学の大問4、理系数学の大問5
として本分析では扱います。
大問1~3は全学部学科で共通となります。
入試の範囲は
理系でⅠAⅡBⅢC
文系でⅠAⅡBC
です。
120分で5つの大問
一つ一つの大問に一定のボリュームがありますが、大問1は比較的難易度がおさえめ。
計算方法などを工夫することで時間もそこまでかからないので、無理に早く解こうとする必要性がありません。
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大問1~3は全学部共通
大問1~3は文系理系にかかわらず、全受験生が解答する問題となります。
文系数学も入っているので、範囲は数ⅠAⅡBCからです。
難易度は標準がメイン
大問1~3、特に大問1と大問2は標準レベルからの出題となっています。
後半の大問はレベルが1つあがりますが、大問1と2は非常に取り組みやすくなっています。
学部や学科によって合格最低点はことなりますが、多くの学部の2次試験での必要な得点率は55~70%。
大問1と2でほぼ満点を取ることさえできれば、合格がかなり近づきます。
医学科や獣医学科を受験する生徒は、大問1と大問2のどちらかは少なくとも満点を狙いましょう。
共通テストのような読解力も必要
数学ですので基本的には数学力ですが、現代文の要素が入った文章題も大問2や3で出題があります。
岐阜大学の受験生は共通テストも一定以上の点数が取れているので複数科目を複合させる習慣がつきやすいですが、逆にその習慣がないと合格が大きく遠のくでしょう。
大問3は少しレベルがあがる
年によって違いがありますが、大問3は大問1と大問2より少し難易度があがります。
一方で大問4以降よりは取り組みやすく、一定の点数はとっておきましょう。
数BCのこともありますが、数Ⅱからの出題が多くなっています。
数Ⅲでは微積とからめて出題されることもある、三角関数や指数対数関数が単独の大問として出題されやすいです。
圧倒的に数BCが頻出
全体的に数BCの出題頻度が非常に高くなっています。
大問1~3は文系と理系の共通問題なので、Bは数列、Cはベクトルがメインです。
旧課程では数列もベクトルも数Bであり、旧課程時代も新課程になった2025年以降も変わらず出題率が高い範囲です。
大問1~3のうち、必ず1つは数BC。
例えば、
2025年は文理共通の大問1でベクトル、大問2で数列
2024年は文理共通の大問3でベクトル、理系の大問5でちょっと数列
2023年は文理共通の大問1でベクトル、大問2で数列
これだけでなく、2022年や2021年も数列とベクトルがどちらも大問で出題されており、さらにさかのぼっても高い出題率となっています。
数BCのベクトル・数列はどの大学でも頻出であり、共通テストでも(ほぼ)必須分野ですので、入念な対策が必要です。
岐阜大を受験する場合は、特に数BCを念入りに勉強しましょう。
数Ⅰは基本
純粋な数Ⅰの出題はほとんどありません。
一方で、文系数学でも理系数学でも微積があり、最大最小の基礎や高次方程式の計算が出題されたこともあります。
解の公式や相加相乗平均がちりばめられるなど、数Ⅰで単独の大問となることはほぼありませんが、数Ⅰは出来て当然なので大問になっていないと捉えてください。
共通テストでも勉強しているはずですが、できれば高校1年生(中高一貫であれば中3でも)、
遅くとも高校2年の夏までには数Ⅰの復習を完成させておきましょう。
後半は文系数学と理系数学で分かれる
理系数学の大問4と5は、数Ⅲがはいります。
文系数学の大問4と5は、数Ⅲがなく、数ⅠAⅡBCの中で難しめの問題となっています。
文系数学の大問4と5では、どちらかは数Ⅱの微分積分から出題されると考えて、ほぼ間違いないです。
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理系数学は数Ⅲ
大問4と5の理系数学は数Ⅲから出題されます。
基本的にどちらも微積の出題であり、数Ⅲは微積を中心に勉強しましょう。
標準的な流れが重要
微積も接線や増減表、最大最小に面積体積といった、数Ⅱでも数Ⅲでも重要な典型的な流れがメインの出題です。
例えば2022年は区分求積法や部分積分と積分要素が強く、等式の証明もありました。
2025年は大問5に典型的な流れの微分積分を中心とした進行で、後半の(3)と(4)に絶対値をからめつつ難易度を高めていました。
2024年は大問4で数Ⅲレベルの典型的な微分と、一部積分の計算。さらに大問5では数Bの数列(漸化式)と数C(当時は数Ⅲ)の複素数平面の組み合わせで難易度を高めていました。
工学部や医学部の生徒は数学が得意な生徒も多いですが、それでも苦戦する問題がでることは多いです。
ただし、大問4,5の片方もしくは両方では、前半は取り組みやすい問題が出題されやすいです。
大問すべてを完答するのが難しくても、正しい勉強をしていれいば確実に一定の点数がとれるように作られています。
医学科の受験生は理系数学でも高得点が求められます。
自分が受験する学科の合格最低点と、数学でどれだけ点数をとるのかを考えた戦略をたてましょう。
正しい対策を行えば、難易度の高い岐阜大学でも合格点をとることは難しくありません。
計算自体はそこまで難しくない
式をたてるのが少し大変な大問はありますが、計算自体はそこまで複雑には作られていません。
一定の分量はありますが、旧帝大よりは確実に取り組みやすいはずです。
時間を考えても、焦ることなく正確に丁寧に計算しましょう。
共通テストは時間との勝負の一面もありますが、岐阜大での計算と共通テストでは大きく違います。
文系数学の難易度に注意
文系数学専用の2つの大問は、 片方は微積、 もう一方はそれ以外 からの出題が 基本となっています。
ここは数BCから出題されることもあれば、数Ⅰなどから出ることもあります。
大問1~3と出題範囲自体は同じですが、難易度が上となっています。
数学がもともと得意な文系の生徒はここで点数が取れれば、他の受験生との差になります。
一方で、数学がそこまで得意ではない場合は、大問1~3で出来るだけ点数をとりましょう。
典型問題の一つ上
証明問題や図示
複数の分野を複合させた問題
といった、複雑さが追加された問題が出題されることもあります。
微積はそこまで難しくないことが多いので、微積は共通テストの延長上で対策ができるようになっています。
どの問題でどれだけ部分点をかき集めるか考える方法もあります。
出題されやすい微分積分
文系数学の中では難易度が高めですが、文系数学の大問4もしくは大問5では非常に高確率で微分積分が出題されています。
文系数学の微分積分はそこまで難易度が高くないとともに、受験生は全員共通テストレベルの微分積分は学習済み。
基本的に微分積分は正しい勉強を積み重ねていれば点数がとりやすく、岐阜大学でも点数が取りやすいように作られています。
言い換えれば、微分積分も含めて数学を勉強する時間をしっかり確保できているのかどうか、および正しい勉強ができているのかどうか、が勝負の分かれ目です。
参考書・問題集
ベースとして使うのは黄色チャート(Amazonリンク)か青チャート(Amazonリンク)がおすすめです。
入試自体の難易度は黄色チャートでも合格点が取れるように作られています。
数学で点数を稼ぎたい生徒や、併願校の数学のレベルが高い場合は、青チャートやフォーカスゴールド(Amazonリンク)などを使うのもよいでしょう。
数Ⅲも黄色チャートで合格点がとれるくらいのレベルです。
共通テストとセンター過去問を利用しよう
岐阜大の対策としては、共通テストではなく、センター過去問の利用が有効です。
過去問(Amazonリンク)を見ると理由がよくわかります。
特に文系の生徒は、全般的な復習だけでなく、 見落としがちな定理の利用は岐阜大対策として効果が高く、センター過去問をやっといてよかった、という瞬間がくるでしょう。
共通テストは形式上、岐阜大対策としてはそこまで有効ではありませんが、そもそも共通テスト(Amazonリンク)の受験が必須。
各ジャンルの基礎から初めて、センター試験や共通テストの過去問(Amazonリンク)を先に勉強しましょう。
そのあとに実践的な共通テスト対策と岐阜大対策を並行して勉強することがおすすめです。
まとめ
保護者の方へ
岐阜大学の数学は、受ける学部学科によって勉強法や戦略に違いが出ます。
岐阜大学の過去問を分析するだけでなく、お子さん自身の分析が重要になります。
取り組みやすい問題と、難易度が高い問題が混ざり、岐阜大だけでなく共通テストや併願校の勉強も必要です。
ただやみくもに学力を高める勉強をするよりも、戦略的に取り組むことで合格率をわかりやすく高めることができるでしょう。
保護者の方のサポートがお子さんの合否に大きく影響します。
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