岡山理科の化学
岡山理科大学(Amazonリンク)の獣医学科の理科は、化学、生物、物理から1科目選択し、時間は60分。
獣医保険看護学科は地学の選択が不可となりました。
獣医学科の受験生を主な対象とした分析ですが、他の学部・学科を志望する学生にも参考になる分析となっています。
他の獣医学部や獣医学科に関しては → こちら
獣医学科専用問題は各科目ある
大問の1~4までは全学科での回答が必要ですが、獣医学科の生徒のみ大問5も合わせて回答します。
ただし、新課程となった2025年は大問4までで、獣医学科専用問題はありませんでした。
2024年までは大問5の獣医学科専用問題が各科目でありましたが、2025年は化学だけでなく数学や生物でもなくなりました。
2026年以降はどちらでも対応できるようにしよう
実は獣医学科専用問題を用意している(していた)のは岡山理科だけではありません。
北里大学も過去10年をみると獣医学科専用問題がある年とない年があります。
また、麻布大学も数学は他の学科と同じ難易度で作問をしつつ、獣医学科の範囲に合わせていると過去に示していました。
つまり、他の大学の傾向をみても、獣医学科専用問題があったりなかったりは、獣医学科入試では普通のことです。
2026年がどちらになるかは不明ですが、どちらになっても対応できて当然、という状態をつくりあげましょう。
時間は最低限だけ注意する
制限時間は全学科で同じなので、獣医学科の受験生は難易度だけでなく、時間も注意する必要があります。
ただし、理科で時間がかかる問題は少ないので、基本的に時間に注意する必要性は低いといえます。
これは難易度と分量(大問が4つでも5つでも関係なし)を考えても、時間内に無理なく解けるように作られています。
一般入試の難易度は大きくは変わらない
岡山理科大の獣医学部獣医学科の入試形式は複数あります。
メインである一般入試前期(1/30、1/31が試験日)のA日程(1/31と2/1が試験日になる年もあります)。
2026年は1月29日と30日となります。
昔はSAの1日目2日目と呼ばれており、今後も細かい名前の変更があるかもしれません。
基本的に私立獣医で岡山理科が試験日程として最も早く、共通テストで十分な点数が取れなかった国立大受験者が併願用に受験することもあります。
私立獣医がメインで、岡山理科の志望度が高い生徒は、一般前期を第一に考えましょう。
大問1は選択が多い
大問1は記号や化学式などで答える問題です。
無機化学を中心にした化合物の多数の選択肢から適切な物質を選んだり、実践的な典型金属弦をの物質を化学式を答える問題などが出題されています。
2021年には、3択の小問が7問出題され、2022年と2023年の2日目はこれまでと形式が異なっていました。
2024年や2025年の傾向をみても、微妙に出題方法は異なりますが、共通テストやほかの私立大学にあるパターンの中からの出題。
難易度は毎年だいたい同じです。
獣医学科として最も歴史が浅い大学ということもあり、今後も形式が多少変わる可能性もありますが、あまり気にする必要はないでしょう。
確かな学力が合格率を高める
2019年のSABではコロイド、2018年のSAでは法則に関する問題も出題されました。
一方で2020、2021年は1日目も2日目も無機化学と化学基礎の知識問題という王道パターン。
2024年と2025年も王道の知識でした。
2023では法則名が選択肢としてあるなど、他の私立獣医では聞かれにくい基礎知識の問題もありましたが、基本的には例年通りです。
多少の変化はありますが、変化に惑わされない力は必須といえます。
基礎力を高めて大問1で満点を取ることが合格への道といえます。
完全に暗記問題であり、聞かれているヒントのキーワードをもとに、該当の元素や化合物、法則などを確定させることが多いです。
必要な知識は基礎が中心なので、しっかりと暗記をすれば、すぐに解くことができます。
浪人生は正しい勉強をしていれば普通に満点とれそう、と言いたくなるくらい点を取りたい大問です。
大問2~4も典型問題
大問2,3は理論化学が中心ですが、無機化学(Amazonリンク)から出題されることもあります。
最重要はこれまで通り理論化学ですが、2020、2021は無機化学が大問2で問われていました。
2022と2023はどちらも理論化学でした。
2025年(2回分)は気体・電池・コロイド・結晶格子(単位格子)が大問2と3。
2024年は無機化学2回・浸透圧・石鹸(有機化学)。
コロイドや浸透圧は獣医では出題率が高くないですが、岡山理科では過去にも出題されたことがありました。
他の私立獣医と若干出題傾向が違うので、獣医学科は併願校ごとの出題傾向を考えながら化学を勉強しなければいけません。
理論化学は時間をかけて理解する価値がある
結晶格子や熱、電池、電気分解など様々な分野から出題されますが、レベルは基礎~標準です。
基礎原理を理解して、性質を暗記すれば解くことは難しくありません。
計算問題(Amazonリンク)や化学反応式の出題も多いので、なんとなく暗記に逃げることは絶対にやめましょう。
私の生徒でも獣医学科合格者はいますが、理科で安易に暗記に逃げないよう指導しています。
獣医学科出身のプロ家庭教師の指導は → こちら
獣医学科受験生が見落としがちな現代文 → こちら
重要性が高まる無機化学
難易度自体は典型的な標準レベルですが、意外と無機化学の出題量が多いのは岡山理科の特徴といえます。
無機化学は理解しつつも暗記比率が最も高い分野。
岡山理科としては出題しやすく、他の私立獣医との差別化になるので網羅的に勉強しているかどうかを確認できるメリットがあります。
私立獣医で北里や酪農学園を受験する生徒は、ほぼ100%岡山理科も受験するでしょう。
暗記は忘れやすいので、無機化学は計画的に復習できるように注意してください。
大問4は有機化学
有機化学といえば計算が王道ですが、大問4で計算はあまり問われません。(大問5での計算は頻出)
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ただし、同定や縮合重合など理解度を問われる問題ばかりですし、構造式がきかれることが非常に多いです。
また、糖などで性質も聞かれているので、それぞれの有機化合物に関して暗記も必要になります。
ひねった問題はほぼ出題されず、基礎~標準レベルの知識なので、正しい理解で、真面目に勉強すれば必ず合格できる学力が身につきます。
最後は獣医学科専用の問題
前述したように、2024年までは出題がありましたが、2025年はありませんでした。
2026年は不明ですが、ある前提での勉強をおすすめします。
私の予想では2026年は獣医学科専用問題なしで、2027年には復活すると考えています。
かつては有機化学の出題頻度が比較的高いかったです。
ただし、2023はほぼ有機化学とは関連がなく、2022は電気分解で全く有機化学が出ませんでした。
現在では分野を最初から絞ることなく全範囲から出題されると考えておきましょう。
難易度としては標準レベル。
大問2~4と比較すると若干難しくはなっていますが、応用レベルの難しい問題は全く出題されていません。
計算や構造式などの出題頻度が非常に高く、私立対策として選択問題ばかりをしていると非常に危険です。
反応式や構造式は理解していないと書けません。
理解に基づいた本質的な勉強をしていれば、普通に解けるでしょう。
対策・勉強法
なによりも大事なのは、基礎的な理解を十分に行うこと。
暗記に頼りすぎないことです。
金属イオンの分類や、有機化合物の同定など、途中の流れを理解していない問題や、計算問題も少なくありません。
化学は暗記、という考えでは合格点はとれないでしょう。
参考書
岡野の化学(Amazon リンク)
宇宙一わかりやすい高校化学(Amazonリンク)
などの基礎~標準を重視した参考書を読み込むのがいいでしょう。
理論化学や有機化学は特に理解重視。
化学基礎の分野からの出題も多いので、まずは化学基礎を固めましょう。
現在位置を知ろう
浪人生などでよく見られますが、受験によく出る化学平衡や気体、有機化学の後半ばかりを重点的に勉強していたりしますが、間違いです。
自身の理解度をはかる方法として、共通テスト(センター)6割があります。
共通テストの過去問や予想問題集を3回解いて、すべて60%を超えれば、ある程度の基礎力はあるでしょう。
1回でも60点を下回るようであれば、プロ家庭教師などに早急に相談してください。
問題集
セミナー化学(Amazonリンク)
リードシリーズ(Amazon リンク)
チャート式 新化学(Amazonリンク)
といった、学校で使われる問題集を基本とするのがよいでしょう。
正しい理解に基づいて、基本を重要視した勉強を重ねましょう。
岡山理科の問題は典型的なので、基礎がしっかりすれば、一気に解けるようになります。
まとめ
保護者の方へ
岡山理科をはじめ、私立獣医学部を受験する生徒は、獣医学科もそれ以外も、理科は化学か生物です。
化学であれ生物であれ、本気で獣医学科を狙うのであれば英数理の3科目は複数科目指導ができる1人の先生に習うことが最上です。
特に岡山理科の難易度は年々高まっているのでしっかりとした学力が求められますが、正しい勉強方法を継続できれば合格はそこまで難しくありません。
実際私の生徒でも高確率で合格しています。
入学後も重要である理科は、暗記に逃げずに理解を深める勉強方法をしっかり行いましょう。
いい先生に習えば、1年半で岡山理科合格が十分に目指せます。
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