早稲田大学 理工系3学部の数学
早稲田大学 理工系3学部(基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部)では、入試問題が共通。
定員が最大であるメイン入試の一般選抜では、数学も共通となっています。
範囲はⅠAⅡBⅢCであり、得意科目専攻が実施されている学科では、必ず数学が対象科目として含まれていることからも、最重要科目といえるでしょう。
理工系3学部と問題はことなりますが、教育学部と人間科学部もⅠAⅡBⅢCが範囲なので注意してください。
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新課程の注意点
理工学部の3つの学部は理系数学
範囲はⅠAⅡBⅢCですが、2025年1~3月の入試では、
B( 数学と社会生活)
C(数学的な表現の工夫)
は除外されるので、範囲に含まれません。
2025年から始まる学系再編
基幹理工学部は現在3学系系(数学系、工学系、メディア系)ですが、ここから1つ(情報系が)増えて4学系(数学系、工学系、情報系、メディア系)に仕組みが変わります。
もともと工学系だったものが、工学系と情報系の2つに分割されます。
基幹理工学部では、大学1年生の間は学科を分けずに共通の授業をうけ、2年生になるタイミングで学科を選択することとなります。
基幹理工学部全体の定員は変化がありませんが、基幹理工学部の受験を考えている生徒は注意してください。
2026年4月入学の先進理工学部特別入試でも変更あり
先進理工学部の特別入試は、電気・情報生命工学科で募集がなくなります。
2025年に続いて、応用化学科と生命医科学科では募集継続です。
物理学科と応用物理学科と化学・生命科学科ではもともと特別入試がありません。
過去のデータなので現時点でこれを見ている生徒には関係がありませんが、化学・生命科学科は2024年4月入学の生徒では特別入試がありましたが、2025年4月入学の生徒では実施されません。
時間を上手く使おう
大問は5つで120分。
難易度を考えると、時間は足りない生徒がほとんどでしょう。
戦略は人によって違いがありますが、基本的に完答を最低でも1つ。
できれば2つを目指しましょう。
完答する2つの大問が1つ35~40分かけて、のこりの40~50分で3つの大問から部分点をかき集めても十分に合格点に到達することが出来ます。
合格最低点を前提とした考え方
早稲田の理工系3学部はどの問題も難しいです。
年や学部学科によっても差がありますが、
約45~55%
の得点率でほぼすべての学部学科で合格を手にすることができます。
東大や東工大などでもそうですが、傾向と自己分析の両面から準備して
解ける問題をしっかり解くこと
部分点をかき集めること
どんどん難しくなることが多い
早稲田の理系数学だけあった、どの大問も難しいです。
一方で、大問3くらいまでは、多くの問題はハイレベルな入試問題集に載っているものであり、極端に難しい大問はほぼありません。
逆に、大問4、5あたりは非常に難易度が高い年もあれば、そこまで難しくない年もあります。
全体として、非常に難易度が高い大問は1~2つくらいといえるでしょう。
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バランスよくまんべんなく
MARCHや四工大レベルの大学や、比較的難易度の高くない国公立などでは、出題範囲に偏りがあることも少なくありません。
早稲田の理工では、出題範囲は比較的全般的。
数Ⅲが全ての大問でかかわることもあれば、数Aからも数Bからも出題がある年もあります。
さらに、他の大学では大問として出題されにくい、数Ⅰの大問も3年に1度くらいは出題されています。
実際のところ、数Ⅲの大問が3つ前後は出題されるので、数Ⅲの重要性が高いですが、 本気で早稲田の理工を狙うのであれば、全範囲で高いレベルを目指すべきでしょう。
数Ⅲが2つは必ずでる
基本的に
複素数平面もしくは極限
微分積分
のそれぞれの大問が1つずつはでると考えましょう。
2025年から数ⅢCとなり、複素数平面はベクトルと一緒に数Cになりました。
数Ⅲも数Cもしっかり勉強しておきましょう。
実際には複合問題も合わせると、数Ⅲ関連の大問が3つくらい出題されることが多いです。
数Ⅲを勉強できる時間が限られている生徒も多いですが、早稲田を目指すのであればそんな言い訳は通用しません。
浪人生であれば数Ⅲにかけられる時間が長く取れますが、現役合格を狙う場合は、遅くとも高校2年の夏から受験を目標に本格的な勉強をはじめましょう。
根本理解とパターン暗記の組み合わせ
早稲田の入試では、よくあるパターンをベースにしながらも、本質理解と組み合わせて解答を作成する問題が多くなっています。
ベースが多くの問題集で出題されるようなパターンにあるので、解答の糸口自体はつかみやすいといえるでしょう。
逆に、最初からどうすればいいかわからなくなる問題は少なく、最初の一歩が踏み出せない問題は難問である可能性が高いので、思い切って飛ばす判断が重要になります。
公式理解は最低レベル
早稲田の理工レベルを目指すのであれば、公式を暗記ではなく理解していることは最低条件といえます。
特に
数Aの場合の数・確率
数BCの数列、およびベクトル
といった頻出かつ単独で理解がしやすい分野は、出題傾向としても公式理解が出来ていた方が解答作成が有利になっています。
パターンは入口であり、最終的に完答かそれに近い解答を作成するには、問題ごとに対応できる思考力が必須です。
暗記の数学は有効な部分もありますが、それだけでは早稲田の合格はかなり難しいといえるでしょう。
逆に、理解の数学が難しい場合は、数学で多少点数がたらなくても、他の科目で挽回するくらいの計画が最初から必要かもしれません。
参考書・問題集
基本的に青チャートクラスの問題集をメインにすれば大丈夫です。
他にも以下に示すような問題集を丁寧に継続して高校3年間勉強し続ければ、合格レベルの実力が身につくでしょう。
ただし、勉強法を間違えていては効果が低くなり、実力が身につかないので注意してください。
さらに難しい問題の勉強はそこまでいらない
チャート式シリーズでも赤チャートや黒チャートといったものもあります。
また、一対一対応やハイレベル理系問題集、東大や京大向けの問題集もあります。
難しい問題集を正しく使えるのであれば有効になりますが、実は間違えて使っている生徒が非常に多いです。
生徒自身に合った勉強法、問題集でなければ意味がありません。
偏差値が60以下の人や、センター過去問(共通テストではない)で70%以上を安定して取れない人は、上記のような難しい問題集を絶対に買わないでください。
まとめ
- 飛ばす問題もある
- 完答は1つ以上を目指す
- 正しい勉強ができて初めて合格が見えてくる
保護者の方へ
早稲田の数学は難しいです。
だからこそ、正しい勉強を継続できるスタイルを確立することが大事。
また、早期の準備のための進路相談は高校1年にはスタートしておくことが理想です。
実際に私の生徒で早慶に合格した生徒では高校2年の春には進路相談を行い、早慶上理や難関国立を前提とした勉強がスタートしていました。
平日であっても5時間も6時間も勉強する、といった時間に縛られた勉強は失敗の原因です。
できれば高校1年生から質にこだわった勉強を継続しましょう。
質が伴ったうえでの目安の量で言えば、高校1年から毎日1時間数学を勉強すれば、十分に合格を狙える学力がつくといえるでしょう。
英語と理科で1~2時間だとしても、1日の勉強時間は2~3時間。
土日や長期休みも上手く活用すれば、高校3年生の夏まで熱心に部活を頑張ったり、友達と遊ぶ時間を確保しながら、勉強も効率的に継続できるでしょう。
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