同志社大学の理系数学
同志社大学の学科試験には
一般選抜入学試験(全学部日程:理系と文系に分かれる)
一般選抜入学試験(学部個別日程)
共通テスト利用入試
の3種類があります。
2025年1~3月でも全学部日程と学部個別日程は存在します。
2025年度用の公式パンフレットが2024年6月に公開され、一般選抜で全学部日程と学部個別日程が分かれていない記載となっていました。
また、入学定員でも一般選抜入学試験は一元化して記載されており、今後もこの両方式は複合的にみられる傾向のようです。
全学部日程も学部個別日程も傾向や難易度は同じくらい
本分析は全学部日程用。
理系数学はⅠAⅡBⅢCで、時間は100分、200点満点です。
理系数学は
数Bは数列のみ
数Cはベクトル・平面上の曲線と複素数平面
と範囲が限定されています。
大問は4つで、大問1のみ2つに分かれています。
大問2,3,4は独立した大問となっています。
同志社 → 理工学部 生命科学・スポーツ健康分析 数学分析 化学分析 経済・商・政策学部 法・文学・社会学部
全学部日程
理系数学が必須の理系学部(全学部日程)は
理工学部
生命科学部
文化情報学部
スポーツ健康科学部
心理学部
となっています。
学部個別日程
学部別の試験で理系数学が必須の学部は、
文化情報学部(理系型)
スポーツ健康科学部(理系型)
理工学部
生命医科学部
となっています。
数Ⅱと数BCで点を稼ぎたい。
大問3はほぼ確実に数BCから出題されます。
特に旧課程での数Bに相当する、数Bの数列と数Cのベクトルの出題率が高くなります。
数列の場合は難しい漸化式
ベクトルの場合は空間ベクトル
が狙われやすくなっています。
実際に最新の数回でもほぼ確実に出題されており、2022年などは大問1と大問2の両方で数列の漸化式にかかわる部分がありました。
最新5年だけをみても、数列とベクトルの両方が出題されていることが3回あり、のこりの2回もどちらかは大問で問われています。
数BCの中では難易度が高いですが、標準的なレベルと発展レベルの中間くらい。
基本的なパターンに一つもしくは二つ上乗せしてあるので、パターン暗記頼りの数学では間違いなく通用しません。
早め早めの準備が必須となった
新課程となり、ベクトルは数Cになりました。
同志社単独でみると数Bは数列のみですが、学校や塾では数列だけではなく統計的な推測を扱うこともあるでしょう。
つまり、ベクトルを扱うタイミングが後ろにずれたわけです。
また、ベクトルは複素数平面と相性が非常によく、一緒に復習すると相乗効果を生みます。
つまり、ベクトルと複素数平面を同時に復習するのが一般的ということは、ベクトルの復習に時間をかけるのがよくあるパターンとなります。
学ぶタイミングが遅くなり、復習に時間がかかるとなると、今までのスケジュールでは到底間に合いません。
難易度の非常に高い同志社やほかの関関同立、関東の早慶上理などを視野に入れる場合は、どれだけ遅くとも高校2年生の夏には本格的な準備をはじめましょう。
早めからスタートできれば、部活や遊びと両立しながら着実に受験準備ができますし、推薦対策も万全に近づけられます。
数BCは理解しやすい
数列であれば、漸化式に行く前の基礎的な等差等比数列の理解にかかっています。
ベクトルであれば平面ベクトルの定義と足し算引き算から理解に差が産まれています。
ここを公式暗記など誤魔化していれば、同志社は無理です。
逆に、高校2年での数Bの時点で理解の数学が身についていれば、十分に攻略ができるでしょう。
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大問1は満点を狙おう
最初の大問は計算です。
同志社の合格可能性が20%以上ある生徒なら、このレベルの理解は問題ないはず。
ときどき難しめの出題がありますが、大問2~4よりは明らかに簡単です。
数Aの場合の数・確率は数Cの複素数平面同様狙われやすく、数Bの数列と複合もさせやすいので頻出。
さらに同志社以外の難関大でも頻出なので、併願校対策にもなります。
現役生であれば高3の夏休み
浪人生であればゴールデンウイーク ごろに解いてみて、理解度を確認しましょう。
このときに解けていなくても問題ありません。
習った範囲であれば、解答を見て理解できるレベルは欲しいところです。
数Ⅲ比率は高い
大問2は微分もしくは積分の標準レベル(たまに別の分野の数Ⅲ)
大問4は微積
が数Ⅲの出題として定番となっています。
以前まで数Ⅲであり、新課程から数Cとなった複素数平面も大問1で計算問題として出題されやすいです。
傾向が変わりつつある大問2
大問2は、これまで微積からの出題がメインでしたが、ここ2年は楕円と極限という傾向の違いがみられました。
楕円を含む2次曲線は比較的難易度の高い大学でも、出題比率が低いです。
そういった傾向もあり、勉強時間が短くなるので、差が産まれる大問となったでしょう。
難易度は標準的
決して簡単ではありませんが、一般的なパターンを理解の上で叩き込んでおけば、十分に対応できる難易度に設定されています。
3つの小問に区切られており、(1)と(2)は計算量が少ないですが、(3)は計算量も難易度の高くなっています。
後述する問題集を最低でも2回、できれば3~4回しておかなければ厳しいでしょう。
最後はメインの微積
大問4は基本的に最も難しい大問であり、微積となっています。
(1)~(5)と問題数も多く、そもそも合格のために満点を目指す必要がない大問とも言えます。
一方で、併願校などを考えた場合、極限と微積を非常に高い精度にして、大問4で満点を狙うということも戦略としてあり得ます。
(3)まではそこまで難しくない
全体的に大問4は難しいですが、実は(1)~(3)は問題として典型的であり、難易度も標準的です。
年によっては(4)も同じくらいのレベルで、(5)のみ難しく計算量も多いというケースもあります。
同志社大学が受験校で最も難しいという生徒も多いと思います。
そもそも赤本を見たとき、(5)は無視するくらいのイメージで同志社の理系数学を捉えましょう。
一定レベル以上の難関校では、そもそも満点を狙う必要がありません。
参考書・問題集
難易度から考えると青チャート(Amazonリンク)やニューアクション LEGEND(Amazonリンク)くらいがちょうどです。
数Ⅲと数BC比率の高さと難易度を考えると、どれだけ遅くとも高校2年の冬には数Ⅲをスタートさせましょう。
ただし、その前に数Ⅱと数Bの理解度をかなり高くしておく必要があります。
過去問はすぐには解けない
同志社は難しく、数Ⅲ比率も高いので、現役生が3年生の夏に見ても難易度が高すぎると思います。
実際に解くのは秋以降。 12月ごろに30~40点くらいでもまだまだ合格が狙えるので、赤本(過去問:Amazonリンク)に振り回されないようにしてください。
まとめ
- 理解の数学でなければ合格は難しい
- 数Ⅲはできれば学校より早めに勉強しよう
- 併願校とのバランスも考えよう
保護者の方へ
同志社は関関同立でも最難関とあって、理系数学は非常に難しいです。
そもそもの勉強法を間違えていると、あとからすべてを復習しなおすことになるので、高校1年生から正しい数学の勉強を習慣化しておくことが必須条件といえます。
これができなければ最低でも2浪は必要になります。
偏差値65くらいの高校に通う生徒でも、勉強法を間違えている子は意外といます。
保護者の方がお子さん任せにしすぎずに、必要なサポートを早めに手配してあげることが必須でしょう。
難関校の受験は、初期の間違いが致命的になります。
ご注意ください。
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