京都薬科大学の化学
京都薬科大学には複数の試験方式がありますが、メインは一般B方式。
今回は一般B方式の分析なので、本気で京都薬科大学の受験を考えている生徒や、その保護者さんが対象です。
合格最低点から考える目標点としては60%が1つの目安となります。
私立薬学部の化学としては難易度が高いと言えますが、60%をとること自体はそこまで難しくありません。
正しい勉強さえできていれば恐れることはないでしょう。
逆に勉強法を間違えていると合格は大きく遠のきます。
薬学部分析 → 立命館大学 神戸薬科大学 慶応義塾大学 東京薬科大学 東京理科大学 北里大学 昭和大学
他の記事一覧は → こちら
90分にふさわしいボリューム
大問が4つで90分と一見時間に余裕がありそうです。
スムーズに回答していくことさえできれば、時間がキツキツになったり不足することはありませんが、1つの大問あたりで問題数も多く、考える内容がしっかりしているので時間はそこそこかかります。
いわゆる一問一答のような単純な暗記問題が非常に少なく、薬学部らしい根拠に基づいた思考法が化学でも適用できるか?がポイント。
暗記頼りの間違った勉強法をしていると、自分から難易度を上げてしまうことになります。
最初は大変でも理解をしっかりしていきましょう。
有機化学比率50%
4つの大問のうち、2つの大問が有機化学から出題されます。
化学の配点は200点ですが、そのうち100点が有機化学。
薬学部や薬科大学は有機化学比率が高いことで有名ですが、京都薬科でも同様の傾向といえます。
また、化学では60%が合格のための目安。
有機化学が得意であれば80%(80点分)をとることは難しくありません。
有機化学で高得点がとれてしまえば、合格を大きく手繰り寄せることができます。
物質の分離と実験理解
王道の有機化学では、鎖式や環状の有機化学物質に関して出題され、京都薬科でも同様です。
ただし、有機化学を含む各大問では実験がしっかりと与えられているので、実験の流れを化学反応式や官能基の動きを理解しながら丁寧に追っていく必要があります。
1つの実験を理解するために、化学基礎や有機化学の基本をしっかりと積み重ねなければいけません。
一方で、基礎力が高まれば実験のパターン数が多くないので対策がしやすく、満点や高得点が狙いやすいです。
有機化学の基本がわかっていると、高分子化合物でも一気に高得点が狙いやすくなるので、有機化学の2大問で高得点がとれて、一気に合格できるようになるでしょう。
高分子化合物でも理解が大事
糖やペプチド、重合体などが出題される高分子化合物は、有機化学の中でも暗記比率が高いです。
一方で、京都薬科ではこの分野でも理解と実験が重要視されています。
前述した有機化学の基本が身についてれば、実験が非常に理解しやすくなっています。
有機化学の基本をおさえずに、高分子化合物は暗記でのりきろうとする人がいますが、考えが甘すぎます。
有機化学は薬学を学ぶ上で非常に重要な分野。
さぼらず甘えず、こだわって理解を頑張りましょう。
意外と高い無機化学比率
4つの大問の残りの2つは
1つが無機化学
ラストが理論化学
という構成が基本。
他の大学や学部では無機化学比率が20%以下のことが多いですが、京都薬科では無機化学も一定量出題されます。
暗記が重要な分野ではありますが、単純暗記に終始することはなく、実験と理解および化学反応式が大切にされています。
物質の性質も、ただ暗記するのではなく、特定の官能基などから性質を読み解いていく必要があります。
無機化学だから暗記さえしていれば点数がとれるという単純なレベルではありません。
理論化学はそこそこでもいい
理論化学も25%(50点分)は出題されるので、重要です。
一方で、化学で最も多様で範囲が広い分野にしては配点が低くなっています。
しっかり時間を取れて、高校1年生から化学基礎の復習を積み重ねていれば大丈夫ですが、復習が不足して京都薬科はチャレンジ校になってしまっている生徒は、理論化学の優先順位を下げましょう。
あくまで非常時の作戦ですが、合格率を高めてくれます。
理論化学の難易度自体はほかの大問と変わらず標準レベルを中心に少し難しめの問題が混ざっています。
必要とされるのは標準レベルの徹底的な積み重ねになります。
参考書・問題集
基礎と標準をしっかり網羅できることが最大のポイントです。
また、最重要である有機化学を理解するためには、化学基礎で習う範囲の理論化学は精度をかなり高める必要があります。
問題集
標準レベルが網羅されている、典型問題が多いものが最適です。
同時に、極端な難問や奇問が入っていないということもポイントです。
過去問(赤本)
特殊な問題は基本的にないので、早めに取り掛かる必要はありません。
まとめ
- 普通に正しい、は意外と難しい
- 学力と志望度に合わせた戦略が必要
- 動き出しは早めから
保護者の方へ
京都薬科の化学は、薬学部や薬科大学を目指す人からすると良い問題と偏りがあります。
同時に他大の薬学部対策にもなるので、京都薬科が候補に少しでも入っているのであれば、はやめはやめ(高校2年の夏まで)に候補校の1つとして勉強をはじめましょう。
お子さんは、受験について本気で考えるのは高校3年になってからと勘違いをしています。
その勘違いを修正するのが保護者さんの役目であり、お子さんの動きが鈍そうであれば、保護者の方から動きましょう。
プロ家庭教師の指導に興味がある方は → こちら
他の記事一覧は → こちら