酪農学園大学の英語
酪農学園大学における入試は、2021年1月から英語と数学で共通テストを利用し、学校の独自試験を廃止していました。
2025年1月から酪農学園大学独自問題の英語と数学が入る試験方式が復活しました。
4年分(2021~2024年度)は独自試験の英語が実施されてこなかったことから、出題傾向が変化する可能性がありましたが、2025年2月の問題を見る限りは大問4を除いて基本的に同じようです。
言い換えれば大問4は2020年と変わっており、今後も変更の可能性が十分に考えられるとういことです。
2026年や2027年も長文読解は基本的には出題傾向が変わらないと思われますが、2025年は過去と合わせて、2026年からメインの長文読解を細かく変えてくる可能性もあります。
獣医学群の獣医学部だけでなく、獣医保険看護学類と農食環境学群でも使えるように分析をしています。
他の私立獣医とは異なる酪農学園大学の英語
酪農学園大学の英語の特徴はなんといっても長い私立獣医で最も長文量が多いことです。
しかも圧倒的に多く、なおかつ内容理解に偏った出題は本質的であり、これまでの積み上げが問われます。
私立獣医で長文が短い大学には日大がありますが、400語程度と、200語以下のが数個。
他の大学でも600~1000語程度の長文が1つ出題されやすい傾向です。
英語の長文が苦手な生徒もいるかもしれませんが、この分析を読めば大丈夫。
長文読解は勉強の質が低いと点数が取りにくかったり、得点率の上下幅(波)が大きくなります。
正しく質の高い勉強をしていると、酪農学園のような長文は安定して高得点が狙いやすいです。
酪農学園の長文は決して難敵ではなく、むしろ分析をすることで取り組みやすい問題といえます。
酪農学園大学の獣医学類分析 → 基本情報 数学分析 生物分析 化学分析
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最初の長文は取り組みやすい
最初の長文は700~1100語程度と、私立獣医の中でも最長クラスとなっています。
特に廃止前のⅠ期試験では長文が短くなる傾向にあり、1000語クラスよりも700語クラスの出題が増えていました。
2025年の長文は著作権の都合上公表されていませんが、基本的には2020年以前と同様だと思われます。
ただし、設問6に特別な記載があり、ある程度の変化には対応できるような本質的勉強が必須といえます。
早読み厳禁
長文は長いですが、大問1は生物や生命科学、獣医学に関する評論文。
文章自体も私立獣医では最も読みやすくなっているので、長さを恐れる必要は全くありません。
長文が長く、2つありますが、読みやすいです。
この条件から早読みしてくださいといっているようなものです。
つまり、これが酪農学園の仕掛けたトラップ。
早読みからのミスを誘ってきていることがよくわかると思います。
実は、求められている能力は精読です。
全体的に文章量が多く、かつ2025年では時間がかかる大問4が変化したことからも、2026年や2027年の受験生に求められるものが精読であることがわかります。
言い換えると、早読みやテクニックばかりという表面的な楽をしようとしている生徒をふるい落としたい大学側の意志が見て取れます。
出題は内容把握
私立獣医の長文には、半分以上文法や単語要素が入ることもあるほど、単語や文法重視。
ですが、酪農学園の長文は内容把握の問題が出ます。
正しい選択肢だけでなく、内容に合わないものを選ぶケースもあるので注意が必要になります。
文章自体は難しくありませんが、内容把握の問題なので、現代文(論理力)が他大よりも必要です。
現代文が苦手な生徒は高校入試レベルの国語で構わないので、日本語でまず勉強してみてもいいでしょう。
私の生徒にはもちろんですが、英語の長文の読み方を徹底指導しています。
注意が必要な2つ目の長文
実は意外とやっかいなのがこの大問2。
大問1と異なり、長文のテーマが必ずしも理系とは限りません。
しかも非常に多岐にわたるテーマなので、長文内での想像が難しく、確実な和訳力が必要です。
獣医学科や生命科学・医学系学科志望の生徒は、文系の文章になると途端に読めなくなることがあります。
1期試験では大問2の方が若干長文が短いので、しっかりした英語力のある生徒は焦ることはありませんが、英語の本質的学力がない生徒は、本番でつまずきやすくなるかもしれません。
長文読解で重要なのは、大問1と同様に「ゆっくりでも正確に読む」ことです。
特に大問2でも内容把握の問題なので、全体をしっかり読むことで、正解を得やすくなります。
文系文章であったり、問題の出題方法をみると、単純暗記ではなく、しっかり考えて解答できる生徒を求めているのは明らか。
小手先の受験テクニックではなく、きちんとした英語力を鍛えましょう。
獣医学科入学後にも英語の論文を読むことになるので、正しい英語読解力は獣医になるならずっと役立ちます。
大問3で文法
ここでは一般的な4択の文法問題が出題されます。
大問3で4択の文法が出題されるのは2020年以前と同様ですが、実はよくあるパターンの1語だけを補充するのではなく、数語が固まった節や熟語などを挿入するのが酪農学園の特徴。
他大と同様に、文法の中心である動詞の活用や接続詞など、典型的な問題も多く出題されるので、典型的な問題のトレーニングも必要になります。
文法対策は重要性が低く、大事なところさえおさえておけば大丈夫ですが、一定の演習時間は確保しておきましょう。
最後は英訳か並び替え
2020年以前の大問4は、1文を英訳する問題でした。
私立獣医で英語の記述式は珍しく、あまりありません。
そのため、和文英訳は酪農学園のために個別対策が必要です。
一方で2025年は並び替えでした。
これは2018以前と同じ形式です。
ですので、大問3の勉強の時に同時に並び替えの対策をしておく必要がありますし、2019年や2020年の形式に合わせて英訳の対策も必須となります。
英語が得意であれば是非対策をして、しっかりと得点を狙うべきですが、
英語が苦手だったり、英訳にそもそも自信がないのであれば、最初から切り捨ててもいいでしょう。
長文読解が得意であれば、ここは0点でも余裕をもって合格最低点をとることはできます。
対策・勉強法
酪農の対策で最も重要なのは、英語長文における内容把握の対策です。
大問3の文法や大問4の並び替えor1文英訳or今後の新形式、でも点数が取れる方が理想的ですが、配点が高いのは大問1,2と予想されます。
1000語クラスの長文でも、どこに何が書いてあり、問題ごとにしっかり情報を使う必要があります。
長文自体が難しくても簡単でも、この内容把握を上手くなるにはポイントがあり、慣れればすぐに上手くなります。
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長文の前に単語と基礎文法
長文読解力よりも、まず基本的な英語力である単語と基礎文法を何よりも大切にしましょう。
どれだけ優れた先生でも、基礎力のつけるには時間が圧倒的にかかります。
共通テストまでの英単語と、高校1年までにならう文法をなによりも大切にしましょう。
英単語も文法も基礎は一瞬で和訳ができ、半分日本語と変わらないような感覚にまでなれば、長文はほぼ読めたようなものです。
ちょうどいい問題は多くない
難しいのは、1000語前後なのに難しくない長文は数が少なく、共通テストやセンター試験程度しか似たものがありません。
かつてのセンター試験や共通テストのリーディングも対策として一定の効果があります。
また、文章量が少なくても中堅レベルの私大の英文は難易度としてちょうど合います。
まとめ
保護者の方へ
形式の変更や出題傾向の違いで困る生徒と困らない生徒がいます。
2025年から旧型式が復活しましたが、同時に共通テストを使う形式も一定の定員が割り当てられています。
獣医学類(学科)における英語は他の私立大学との併願を考えつつ勉強するのか、酪農の独自試験を中心にするのか、共通テストの英語を併用する形式を大事にするのか。
何をメインにするかで対策は変わってきます。
今後も入試に細かい変更が行われる可能性は十分にありますが、正しい勉強をしていれば形式変更を有利に利用できます。
一方で、間違った場当たり的な勉強をすれば、ちょっとした変化が不合格につながるでしょう。
他のお仕事でもそうですが、獣医師は一生勉強が必要です。
獣医学科(獣医学類)の受験勉強を利用して一生つかえる勉強法を身に着けるチャンスを与えるのは、保護者の方です。
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