こちらの解説では、私立の獣医学科の中でも、
- 日本大学
- 北里大学
- 酪農学園大学(出題傾向の違いに注意:2025年1月から方式が増えます)
- 岡山理科大学
を目指す場合を想定していますが、他の私立獣医2校や国公立獣医を目指す場合にも利用できます。
本内容は獣医学科に合格した人の勉強法をベースに作成しています。
生物は暗記、という間違いに気づく
生物は獣医系であれば半分以上が選択する重要科目であり、同時に勘違いされたまま勉強を進めている生徒が非常に多い科目です。
生物は暗記科目である。
これは完全に間違いではありませんが、おそらくほとんどの生徒が一部誤解をしています。
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暗記だけではなく、理解の上に暗記をのせる
実際にほぼ丸暗記で合格を狙う場合、暗記問題は9割は正解しなければいけません。
ここ数年をみても、私立獣医の生物は暗記内容が細かい部分も増えており、暗記勝負だけで合格点をとるのは難易度が高くなっています。
暗記力に自信がある生徒や、2年以上かけてじっくり暗記を進められる生徒は暗記で乗り切ることができます。
一方で普通に偏差値50くらいの生徒であれば、暗記をメインにしつつ、理解力や計算の問題も半分くらいは解けるようにしなければ、合格は難しくなります。
特に1年前後の対策で合格を目指す場合は、必須といえるでしょう。
また、国公立や共通テスト、私立獣医でも難易度が特に高い大学では、暗記だけでは通用しにくい問題の比率が増加します。
生物は共通テストもそうですが、センター試験時代から一定の思考力が要求され、国公立でも同様の傾向です。
獣医をはじめ高難易度の大学はそもそも暗記だけでは乗り切れません。
生物は勉強方法の間違いが本当に多いので、注意してください。
春~夏にしておくこと
上記の大学は私立獣医でも比較的暗記中心で、実験問題や計算問題が少ない傾向にあります。
だいたい計算は0~3問(計算が多い大学もあります)。点数にすると10点以下。
また、実験問題などは暗記がしっかり進んでいた方が解答しやすく、計算問題はパターンが少ないのでこちらを暗記で乗り切ることも出来ます。
ただし、暗記は理解をした上で行わないと効率が非常に悪くなると同時に、忘れやすくなります。
現役生であれば、夏休みが終わるまでに一通りの範囲の基礎暗記を済ませましょう。
浪人生であれば、7月終了時までには一通りの範囲を復習しておきましょう。
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浪人生は特に要注意
私立獣医を狙う生徒でほぼ全てに言えるのが、基礎力が不十分だということです。
基礎暗記が圧倒的に足りていません。
特に浪人生は基礎暗記が不足している認識が足りず、5,6月なのに読解問題など受験レベルの問題集をやっている生徒までいます。
間違っています。
現役生も浪人生も夏まではとにかく基礎問題。
そして理解に基づいた暗記を心がけましょう。
実際に合格した生徒も、私自身も入試の前日まで基礎暗記の復習は欠かしませんでした。
秋~冬は暗記の精度を高めつつ、標準レベルのパターンを叩き込む
9月を過ぎても基礎知識の復習は欠かせません。
生物の時間の半分程度は理解と暗記にかけて、残った時間で問題演習をしていきましょう。
赤本の成果が正しさを証明してくれる
9~10月に1年分で構わないので赤本を解いておきましょう。
ここで確認すべきは基礎知識が足りているかどうかになります。
標準知識の暗記だけで5割くらいの点になるはずです。
少なくとも4割程度はとっておきたいです。
また、共通テストやセンター問題も全範囲の簡易的な復習としては便利ですので、2,3回解いておくと自分の弱点発見に役立つでしょう。
また、大学別分析もしっかり確認し、出題傾向もみておきましょう。
標準レベルの実験問題に時間をかけよう
基礎暗記が十分すすんでいれば、基礎~標準レベルの実験・計算・記述問題を解いていきましょう。
参考書・問題集
生物で最も重要なのが参考書です。
手元に必要なのは1冊です。
田部先生の77講(Amazonリンク)
大森先生の生物のすべて(Amazonリンク)
これらの参考書を何度も読むことになるでしょう。
夏までに2回、受験日までに5回は読むことになるでしょう。
図を書き写しながら部位の名前を入れることは、大学でもやります。
いまから図と合わせて名前や機能を覚えていく習慣をつけておくことは、獣医学科入学後にも役に立ちます。
問題集
基礎問題の確認としては学校で使っているような「セミナー」や「リードα」
記載するという面では「リードlightノート」などが非常に便利です。
リードシリーズ(Amazonリンク)
セミナー(Amazonリンク)
1冊を完璧にすれば私立獣医の合格レベルまでもっていくことが出来ます。
絶対に2~3回は解いてください。
この下にも別の問題集を記載しますが、どちらかのシリーズだけで十分に合格できます。
ただ、1種類だと飽きがきたり、答えを覚えすぎていて勉強効率が下がる生徒もいます。
自分自身の性格や効率を見ながら考えるべきでしょう。
共通テスト系の問題集はあまりよくない
共通テスト(センター)過去問や対策系問題集は、文章が長い実験問題が多く、私立獣医には合っていません。
全体の簡単な復習には使えますが、英数国のように10年分などを短期間に解くのは不要です。
国公立獣医を目指す人との勉強の差で一番大きいのが、共通テスト(センター試験)過去問解かない点です。
終盤にやるべき問題集
9月ごろから 「基礎問題精講」 「チャート式生物」 といった標準的な知識問題をしっかり網羅しつつ、 基礎的な計算や実験問題を勉強できるものがいいでしょう。
チャート式生物(Amazonリンク)
基礎問題精講(Amazonリンク)
標準問題精講(Amazonリンク)
春夏にやった問題と似ている問題も数多く掲載されています。
それだけ重要だということです。
日大や酪農の受験も視野に入れている生徒は、もう少し難しい分野までチャレンジするのもよいですが、 自分のレベルに合わせることと、基礎知識を何より大事にすることを忘れないでください。
まとめ
- まずは考え方をあらためよう
- 基礎暗記は1年を通して大事にしよう
保護者の方へ
獣医学科の受験科目で、最も努力結果が点数に反映される科目が生物です。
ただし、間違った努力だと点数が合格点に届かない科目でもあります。
正しい勉強方法は、単純暗記に頼らず理解することです。
言葉では簡単ですが、実践できていない生徒はかなり多いです。
入試では6~7割の点数が必要ですが、勉強方法を間違えていると3~4割で止まり、そこからの伸び率がかなり悪く、秋~冬になって焦って失敗します。
正しい勉強法だと、最初の伸び率が低めになりますが、勉強法の正しさを理解し、信じて進めるかがポイント。
1対1指導の家庭教師など、お子さんの心理状況も見極めて、勉強法が正しいから目先の点数に惑わされずに継続する、というサポートが非常に効果的。
正しい先生による良質なサポートを、保護者の方が用意してあげてください。
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