中央大学 理工学部の数学
中央大学の主な入試は
- 一般方式
- 英語外部試験利用方式
- 大学入学共通テスト併用方式
の3種類の学部別選抜があります。
本分析では、定員が多く最も重要とされる学部別選抜の一般方式を扱います。
一般選抜の数学
理工学部の数学は、
大問1,2がマークシート
大問3,4が通常の記述形式
の併用型となっています。
芝浦工業大学など、2つが小問集合で2つが大問の大学などもありますが、
マークシートと記述が半々はあまり多くない形式です。
他の理工学部分析 → 上智大学 立教大学 学習院大学 中央大学 日本女子大学
四工大 → 芝浦工業大学 工学院大学 東京都市大学 東京電機大学
時間は厳しくはないが余裕でもない
100分で大問が4つ。
スムーズに解くことができれば十分に解答できる時間です。
一方で、途中で複雑な計算が必ず1か所以上あり、時間配分や解答順番を間違えると時間が足らなくなる可能性が高いです。
事前の過去問分析や解く順番の精査、自分自身の学力状況などしっかり戦略を立てておきましょう。
入試直前の準備で、明確に合格率を高めることができます。
目指せ7割
学科によって違いますが、最高でも7割。
実際には65%くらいが目標になります。
また、他の科目でカバーできれば数学は6割弱でも合格できます。
数学では、1つの大問が完答でき、他は部分点で6割くらいはいきます。
1つの大問が0点でも合格は狙えるので、一つの分野の精度を高めることに時間を使いましょう。
大問1,2
前半の2つは穴埋めであり、後半2つに比べると誘導があるおかげで取り組みやすくなっています。
配点は20点ずつと少なめ。
解法で悩みにくい一方で、計算量は膨大。
関数が複雑に設定されているので、計算問題としての難易度もボリュームもなかなかのものだといえます。
数Ⅲ中心
どちらか、もしくは両方で必ず数Ⅲが入ってきます。
また、多くの問題で数Ⅲとほかの分野の複合問題も多く、入試問題らしい標準~発展レベルとなっています。
実際の数値の問題が出ないわけではありませんが、nやmが混ざった計算が多く、ミスしやすいです。
根性で頑張るのではなく、そもそも計算ミスをしにくい仕組みを自分の中で確立しておきましょう。
計算ミスは0にはできませんが、自己分析を行うことで確実に減らすことができます。
計算ミスはケアレスミスではなく、計算手法自体が間違っていると捉えましょう。
微積以外も必要
全体を通して微積率が非常に高いですが、数Cの複素数平面からも2~3年に一度は出題されています。
また、数Ⅲの微分積分の前に勉強する極限もかなりの頻出。
数Cである楕円と双曲線(平面上の曲線)の出題比率は低いですが、出題されたことはあります。
数ⅢCは
微積
複素数平面
極限
は必ず長時間をかけて勉強しましょう。
旧数Bで、新課程では数Cであるベクトルも頻出となっています。
大問3,4でも同様の傾向です。
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つぎは数BC(数列・ベクトル)
数Ⅱや数Aからも出題されますが、数Ⅲ以外では数B(数列)C(ベクトル)の出題が多いです。
また、数列は微積や確率と絡めやすく、ベクトルは複素数平面との相性がいいです。
最初は数Bを単独で考えてかまいませんが、慣れてきたら他の分野と複合させた問題を中心にトレーニングしましょう。
大問3,4
後半2つは完全記述。
どちらも数Ⅲが中心に出題されますが、
2024,2022はどちらも数Ⅲの微積要素がありましたが、2023は片方のみ数Ⅲでした。
若干特殊ですが、2019の大問3には数Ⅲ要素がありませんでした。
基本的には1つは数Ⅲの微積、もう一つも数Ⅲもしくはほかの分野というイメージです。
ただし、純粋に数Ⅲの微積のみで大問2つということはほぼありません。
数Ⅲは1~1.7個分と考えておきましょう。
難問もまぎれる
後半2つは記述問題ということもあり、計算力というよりも解法の流れをつくれるかどうかが勝負になります。
そして、解法の流れを作れる実力を身に着けるには、日々の勉強において質の高い勉強が必須。
いきなり解き始めるのではなく、全体の流れをつかむ練習をすると効率的に勉強をすすめられます。
証明対策は必須
毎年必ずとまではいきませんが、証明問題が出題されることも非常に多いです。
背理法と数学的帰納法は自在に使えるのは当然ですね?
図形や式をつかった証明もおさらいしておきましょう。
数Aの数学と人間の活動(旧:整数の性質)は過去問で出題されていないので、整数的な証明も出題される可能性は低いです。
優先順位は下げていいです。
全体として数Aは場合の数・確率は出題頻度がある程度高いですが、それ以外は低く設定されています。
最大最小が多い
特に大問3で微分の最大最小に関する出題が多くなっています。
数Ⅱ、数Ⅲの非常に重要な問題であり、見抜きやすく必ず点にしたい分野。
微積を勉強するのであれば、必ず最優先で身につけましょう。
最大最小は
微分、極値、変曲点、極限、概形
という王道の流れを理解することで、初めて微分はスタートラインに立てたといえます。
難易度・問題集
普段の勉強を考えた難易度としては黄色チャート(Amazonリンク)と青チャート(Amazonリンク)の中間くらいです。
実際には黄色チャートレベルだけでも十分に合格点がとれます。
どちらでも、類似の別の問題集でも大差ないので、自分のレベルと目標・併願校や学校よび塾での使用と合わせるのがよいでしょう。
奇問難問は少なく、チャート式やニューアクションシリーズ(Amazonリンク)などのよくありそうな問題が丁寧に解くことで合格レベルを確実に超える学力が身に付きます。
早めの対策が重要
現役生であれば、いかに早く数Ⅲの微積にとりかかるか?がポイントとなります。
高校2年生のお正月までに数ⅡBの精度を高めておくのが理想的。
数Ⅲの微積を一通り2年生のうちにできていれば、いいペースです。
よくある中高一貫校の失敗として、学校のペースが早すぎたせいで、数ⅠAⅡあたりがよくわかっていないまま数Ⅲに入ってしまう人が非常に多いです。
指導する側としては、理想を言えば1年生の文理選択までには一度相談してほしいです。
3年生になってからも対策はできますが、早ければ早いほど合格率が高くなります。
浪人生はペースが違う
浪人生であれば、3~6月を使って微積を中心に数Ⅲを復習すれば合格率をあげることができます。
夏休みくらいに一度赤本にチャレンジし、半分くらいとければかなり素晴らしいです。
実際には1つ大問が完答できれば合格の可能性が十分にあるといえるでしょう。
まとめ
- 高校2年生からの勉強ペースが重要
- 短期間でも合格が狙える
- 数Ⅲ以外の対策を工夫しよう
保護者の方へ
中央大学の理工学部は難易度が高いです。
特に数学は多くの生徒が悩む部分でしょう。
早めに対策することと、正しい先生をつけて勉強することで合格率を上げるだけでなく、 中央大以外の選択肢を視野に入れることができます。
数学の力を高くできればSMARTや四工大、国立大学に早慶などの可能性も広がります。
難関工学部や理工学部の合格を目指すなら → こちら
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