芝浦工業大学の化学
芝浦工業大学の理科は、化学と物理であれば全学部の入試科目として利用できます。
(生物は一部学部学科のみ)
これは、前期のみならず、全学部統一、後期でも同様です。
本分析は前期試験をメインターゲットとしていますが、全学部統一でも利用できるようになっています。
理科の配点は100点(一部学科除く)で、英語と数学と同じ配点。
2025年からは一般選抜(前期・後期)でも全学部統一でも英語が外部試験を利用することになり、差がつきにくくなります。
合格最低点と数学の難易度を考えると、理科強みがあれば合格可能性が非常に高まりやすく、化学は物理より点が安定してとりやすいといえます。
実際には前期でも全学部統一でも化学4題と物理4題の合計8題から4題選択することはほぼありません。
化学と物理を混ぜて選択する生徒は、国公立が第一志望で理科を2つ勉強していて、時間が足りなくて私立に切り替えた生徒の中でも、ごく少数でしょう。
1つ1つの問題文をしっかり読み、考える時間も長くなりますが、90分あれば時間が不足することはほぼないでしょう。
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選択が中心になりつつも式や図はある
芝浦の化学は、選択もしくは単語の記述がメインとなっています。
これは前期でも全学部統一でも共通しています。
さらに、化学反応式や有機化学での構造式の記載。
年によっては、一文程度の記述問題もあります。
長い記述はないので、一般的な化学の勉強をベースにしておけばそのまま入試対策にもなります。
中堅以上の国公立大学向けや早慶上理といった難関大向けの勉強は不要です。
私立ではめずらしい形式
基本的にどの大問も全ジャンルからの小問集合になっています。
1問で完結しているものもあれば、1つの分野に対して2~3問で1セットとなっている問題もあります。
一部記述がありますが、基本的に一文のみであり、記述対策はほぼ不要となっています。
共通テストに近い形式
選択問題も、単に単語や化学式を選ぶのではありません。
1つ1つに反応や原理の理解を問う問題が出題され、文章も長めの選択肢が多いです。
他の四工大での化学やMARCHの理系学部よりも、共通テストの方が近いと感じる生徒もいるでしょう。
実際の対策としてオススメする問題集などは後述します。
まんべんなく学習しよう
問題が1つ1つ区切られているので、出題される範囲が非常に幅広くなっています。
2020の肖像画はやりすぎですが、実験道具やほかの大学で出題頻度が低くなりやすい無機化学もしっかり範囲に入ります。
取り組みやすい難易度
芝浦の数学や理科は難易度が高いですが、化学は理系的才能に関係なく点が取れるように作られています。
1つ1つの事象を正しく理解する努力を行えば、着実に点数が伸びるでしょう。
一方で、暗記に頼った正しくない勉強をすると、芝浦の合格はかなり厳しくなります。
標準レベルが中心
全体を通して、知識レベル、理解度のどちらも標準レベルです。
一般的な問題集の標準レベルをほぼ満点にできれば、合格点を確実にとることができるでしょう。
一歩すすんだ出題
大学で行うような実験をベースにした問題も見られ、ただ暗記するだけだと混乱しそうになります。
逆に理解が身についていると解きやすく、入試問題として良質といえるでしょう。
知識だけでなく、普段の取り組み方まで考えて選別されるのが良い入試です。
構造式と計算
芝浦を含めた一定以上に大学では、構造式の記述はおなじみだと思います。
芝浦を志望校に入れている生徒は、他大対策という意味も含めて構造式理解は当たり前のようにしておきましょう。
問われる有機化合物は一般的で、特別なものはありません。
標準レベルの理解でしっかり正解できます。
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計算も標準レベル
計算問題が随所にありますが、基本的に難問はありません。
ただし、出題方法が実際に行う実験に則しているものもあり、最低限の日本語力は必要になります。
理系の生徒で、数学が得意な生徒でよく見られる、読み違い、勘違い。 特に中学受験から算数が得意科目だった男の子に比較的多い(もちろん女の子でもあり得ます)です。
難易度と参考書・問題集
難易度としては標準レベル。
ただし、傾向を考えると理解を前提とした上で、標準レベルの問題を中心にすすめることが求められます。
参考書
理解をなにより大切にしてくれるものが必須です。
芝浦はチャレンジ校で、駄目でもともとくらいであればある程度暗記中心でも構いませんが、芝浦を本気の第一志望にするのであれば、理解は確実に必要です。
芝浦の難易度と幅広さを考えると、高校1年生の間に化学基礎をほぼ100%理解していることが重要です。
どれだけ遅くても、高校2年の夏には化学基礎は完璧にしましょう。
問題集
セミナーやリードαといった学校でもよく用いられる標準レベルの問題集がオススメです
出題形式と難易度、さらには計算も考えると、共通テストや旧センター試験に関する問題は、復習に使いやすいです。
芝浦は特殊な問題がほぼないので、赤本は好きな時期で大丈夫です。
私の生徒では、生徒の学習度合いとほかの科目とのバランスをみて、赤本にチャレンジする時期を説明しています。
まとめ
- とにかく理解が大切
- 難易度は標準で取り組みやすい
- 共通テストも利用しやすい
保護者の方へ
芝浦は四工大最難関ですが、化学は意外と取り組みやすく、努力で着実に合格点が狙えます。
最低限の基礎力があれば効率的な勉強も可能。
一方で、お子さんが自分が今すべき勉強内容を間違えていたり、そもそもの勉強法を間違えていたら2浪しても合格は難しいです。
お子さんの現状を理解して、正しいサポートがつけば難易度の高い芝浦でも現役合格できるでしょう。
受験では保護者の素早い動きが大切になります。
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