法学部の英語
中央大学の法学部で、学力試験がある試験方式は複数あります。
今回は定員が多く、最も一般的な学部別選抜(一般方式)の分析となります。
GMARCH分析 → 学習院大学 明治大学 青山学院大学 立教大学 法政大学
豊富な大問タイプ
一般方式には3科目型と4科目型がありますが、どちらでも英語は必須。
他の科目が100点満点に対して、英語は150点満点であり、最重要科目といえます。
時間は90分ですが、大問数が8つもあります。
1つ1つの大問の問題数が少なく、長文も長くないので正しい英語の勉強法が出来ていれば、時間が大きく足りなくなることはありません。
合格最低点(60%程度)を考えても、無理に全問を解くことばかりを考えず、時間を多少かけてでも正確性を重視した方が合格率は高まるでしょう。
文法や単語も重要
多様な文法・単語・熟語問題が出題されています。
難易度は全体的にみても標準的ですが、ただ暗記というより、理解の習慣が重要でしょう。
実際、法学部に入学した後も、法律を覚えるのではなく、論理的に考える思考力の方が圧倒的に求められます。
特に司法試験は暗記より論理的思考力が重要です。
大問2のライティングは文法が重要
大問2は和文英訳 書き出しが限定されていることが最大の特徴です。
文法力が一定程度必要なのはもちろんですが、日本語力と英語力の両方が必要になります。
英語を単独で勉強している生徒には不利で、英語と現代文を複合させて勉強している生徒に有利になっています。
自由英作との違いを理解して、国語力(現代文力)を活かすことが出来れば、難易度としてはそこまで高くありません。
大問3も文法と単語
ここでは単語のライティングによる空欄補充。
読むには難しくありませんが、書くにはちょっと大変な英単語ばかりです。
頭文字が与えられていますが、直訳ではなく意訳の要素もあるので、標準レベルの単語を使いこなしている生徒が有利です。
ただ難単語を詰め込んだだけでは攻略できないと言えます。
大問4,5,6はよくあるパターン
この3つの大問は、私立大学の英文法として最も典型的です。
文法的事項の幅広い理解を求められていますが、こちらも難易度は標準レベルが中心です。
広さを考えると、ここでも丸暗記ではなくベースの理解があるかどうかが勝負になります。
高校1年や2年で正しく積み上げる習慣がついていれば問題ありませんが、丸暗記では厳しいでしょう。
長文は一つ当たりの配点が大きい
難易度の高い法学部としては、読解比率は低く、長文の長さも短いです。
一方で、前述した文法問題で、理解の習慣を強く求めている出題にすることで、バランスをとっているのでしょう。
和文英訳は時間配分にも注意
大問1は長文読解ではなく、長文中の下線部を英文和訳する問題です。
配点が30点(20%)と最大であり、しっかり時間をかけたいところ。 全体の時間配分と大問1であることを考えると、最初に解くと危険性が高いです。
後半か最後に解くか、最初に解き始めるのであれば、制限時間を事前に設けておきましょう。
下線部だけを見るのではなく、前後をきちんと読んでおいて、全体像をつかむ習慣があると非常に有利になります。
熟語と長文の融合
長文中の空所に文の一部(節より長め)を補充します。
選択肢が意味を間違えやすいような熟語やかたまりになっており、丁寧な処理と集中力、文法的理解力も求められます。
多くの生徒にとって、とれそうで取れない問題と感じているでしょう。
おそらくこの大問が、最も点が取りにくいです。
自分の英語力の高さと偏りを理解し、場合によっては最後に回すように練習しておきましょう。
自己分析力が高くない生徒では、外部の助けが絶対に必要です。
大問8は800~1200語
最後の大問がメインの長文読解。
基本的には内容理解ですが、接続詞など文法要素も入っている総合問題です。
ここまで文法のみの大問もありながら、長文中の文法も多少出てくるのは中央大の特徴と言えます。
難易度は標準的ですが、一定の分量があり、集中力が落ちやすいタイミングで解くことになります。
普段の勉強から中央大の流れを理解し、自分なりの型を作っておくと有利になるでしょう。
長さと時間に惑わされなければ、極端に難しくはないので、合格点以上を狙うのは普通に可能でしょう。
参考書・問題集
難易度を考えると、標準レベルの英単語・英熟語の重要性は非常に高いと言えます。
難易度としてはターゲット1400と1900の間くらいなので、現時点での英単語力が不足している生徒が1900を使うと逆効果になるでしょう。
共通テストレベルの英単語帳が一番おススメです。
実践的な英単語・英熟語
大問2で英作文、大問3では空所補充があるので、読めるだけでなく書ける必要があります。
2つの大問(計30点分)で書くことを求めている大学や学部は多くなく、中央大学の大きな特徴といえるでしょう。
英文法も重要性が高い
大問4,5,6などを考えると、私大に典型的な英文法も一定量こなす必要があります。
まずは高校1年生から参考書を利用して1~1.5年で文法を一通り完成させましょう。
私の生徒では高校2年生から指導を始めた場合、1年かけて文法指導を行うことが多いです。
長文読解は和訳を中心に
長文の難易度はSMARTと比べると高くなく、何より短いです。
一方で大問1などを考えると、和訳を基本とした英語の勉強法は有効性が高く、速さより正確性の傾向は明らかです。
レベルで言えば共通テストや500~700語くらいがメインになるでしょう。
まとめ
- 大問数の多さに惑わされない
- 標準レベルと単語は読めるし書ける
- 文法は1年以上かける価値がある
保護者の方へ
もともと人気の高かった中央大学の法学部は、キャンパス移転でさらに人気が高まり、良質な生徒が集まるでしょう。
つまり、あなたのお子さんが中央大学の法学部を目指すのであれば、今より簡単ではなくなります。
特に配点が大きく最重要科目である英語は、中央大の英語に対応できる勉強が必要であり、他の科目とのバランスも考えなければいけません。
目先のテクニックではなく、大学入学後にも役立つ正しい勉強が教えられて、なおかつ複数科目が指導できるプロの先生が最適でしょう。
保護者の方が、質の高い先生を早く用意してあげることが必要です。
どれだけ遅くても高校2年の秋、出来れば高校1年の冬か、高校2年の最初から受験を見据えた対策を少しずつ始めたいところです。
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