慶応義塾大学 薬学部の数学
薬学部の数学は2025年1月から時間は100分。
もともと80分でしたが、20分時間が増えます。
範囲はⅠAⅡBⅢCと数Ⅲがあります。
もともと数Ⅲがありませんでしたが、新しく数Ⅲが追加されることは大きな変化といえるでしょう。
A:図形の性質・場合の数と確率・数学と人間の活動(整数の性質のみ)
B:数列・統計的な推測
C:ベクトル・平面上の曲線と複素数平面
理学部や工学部などと同様の全範囲であり、薬学部ではトップの難易度となります。
2024年までの傾向を考えると、合格最低点を取るだけであれば、正しい分析と勉強でクリアできるように作られていました。
時間が増えて数Ⅲが追加されるので、通常の薬学部対策としての数学とは一線を画すこととなるでしょう。
以下では過去問に準じて数ⅠAⅡBCの分析を記載します。数Ⅲが入っていないので注意してください。
薬学部分析 → 東京薬科大学 東京理科大学 星薬科大学 北里大学
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基礎問題で点を稼ぐ
数学では明らかに点が取りやすい基礎問題があります。
合格最低点が7割を超えることはありません。
難しい問題がほぼ0点でも合格できるので、私立のみであればどこまで勉強するかのラインを引くことが重要になります。
大問1は小問集合
大問1は7問の小問集合。 全範囲から網羅的に出題される計算問題です。
特に最初の(1)と(2)はシンプルな計算なので必ず正解しましょう。
実際には7問中4問前後は、計算式が1~2つですぐに答えが出てしまいます。
時間と得点の両面から、基礎問題の精度をいかに高めておくか?が安定性につながるでしょう。
数Ⅲが入ることも考えると、合格最低点となりやすい6割をとるためには、7問中5~6問を目指しましょう。
正しい勉強を継続出来ていれば全問正解も現実的な目標といえます。
適切な公式をつかいこなす
大問1は様々なジャンルから出題され、公式を適切に使った計算ができれば解答が作成できます。
一方で、どの公式を使うべきか迷わせる問題が多く、ただ暗記していれば正解できるわけではありません。
小問でありながら、空間ベクトルや円など、苦手な生徒も多い図形関連もあるので、落ち着いた対処が必要です。
時間はかけていい
大問が3つになり、大問1の分量が多いので、80分のうち40分くらいは大問1にかけて問題ありません。
これは2025年以降も継続される可能性が高く、速さより理解に基づいた正確性が圧倒的に重要となります。
精度があがるのであれば、52~53分かけても構いません。
大問1でほぼ満点がとれさえすれば、合格最低点は無理なくとれるので、そのためにかける時間は価値があります。
大問2と3は完答する必要がない
合格最低点を考えると、大問1でほぼ満点をとっておけば、大問2と3はミスがあっても問題なく合格できます。
数Ⅲが入れば数Ⅲの微積が大問3であったり、新しく大問4として増える可能性が高いです。
点が取りやすい大問1がしっかり出来ていれば、大問2,3,4はそこそこで十分に合格できるでしょう。
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微積の可能性は高いが100%ではない
薬学部を含めた多くの大学では、微積が後半の大問で出やすくなっています。
慶応でも同様の傾向がありますが、他の大学と比較すると、微積の出題率が低くなっています。
微積以外で出題されやすいのは、 場合の数・確率 くらいです。
2021年は微積と確率というオーソドックスな構成でした。
2022と23年は微積ではなくデータと統計で国語力と数学力を複合しつつ理解を試す問題がでました。
幅広い勉強をしよう
数Bのベクトルや数列
数Ⅱの図形と方程式
数Ⅰの2次関数
などに加えて、
2020年にはデータ
2017年には座標平面の利用
といった、他の大学では狙われにくい分野からの出題がありました。
かつては大問が4つでしたが、今は大問が3つになり、意外な出題が増えています。
2025年は大問が4つもしくは5つになって小問集合の大問が2つとなっても動揺しないように心構えをしておきましょう。
併願校と慶応の出題傾向の違いを分析することは大切ですが、どの大学でも対応できるように、幅広い勉強を最初からしていきましょう。
問題集
基本的には、大問1の精度をいかにして高めていくか?を最重要課題としましょう。
全ての分野で完璧な理解をする必要はありません。
ただし、最近は工夫された問題が増えてきているので、公式は暗記するものという考えは止めましょう。
理解できるものは理解する前提で勉強をすすめなければ、慶応の合格は難しくなります。
数学が得意で、数学で点を稼ぎたい生徒や、国公立も視野に入れている場合は、黄色チャートレベルを使いましょう。
第一志望が慶応の薬学部であったり、慶応はチャレンジ校である生徒は、白チャートや学校の問題集でも十分合格を狙うことができます。
まとめ
保護者の方へ
3科目の中で苦手な生徒が多い数学ですが、実は慶応の数学は、英語や化学と比較して、合格点が取りやすいです。
2025年から範囲と時間の広がりから難易度が高まり、高校3年の一年間や浪人生でも苦労が見込まれます。
いかに早くから進路相談を行い、準備をスタートするかが合格への鍵となるでしょう。
もしもお子さんが数学が苦手だとしても、いい先生の指導をしっかり受けることで、間違いなく合格点がとれます。
現状の数学の偏差値が40程度だとしても、正しい勉強さえできれば問題ないでしょう。
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