日本獣医生命科学大学の化学を徹底分析
日本獣医生命科学大学の獣医学科では、
1回試験と3回試験が英数理のすべてが日獣独自の試験。
2回試験が、英数が共通テストで、理科のみ日獣独自の試験です。
日獣の理科は60分で配点は100点。
これは英語と数学も同様です。
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反応式・構造式・計算
私立獣医では日本大学や麻布大学など、理科は完全マーク式のみもありますが、
日獣では化学反応式や、有機化学における構造式の記載があります。
また、計算問題には有効数字も設定されています。
名称などを漢字で記載できる必要性はありますが、理由などをしっかり書く記述問題は出題されていません。
2025年2月以降の新課程では用語が一部改訂されている部分があります。
勉強法に注意してください。
出題形式を考えると岡山理科に近いですが、難易度は1~2ランク日獣の方が高いです。
圧倒的に理論中心
以前は大問5~6つが中心ですが、ここ2~3年は7つの大問が多くなっています。
理論化学はまんべんなく
この範囲が必ず出題されるというのはほぼなく、理論化学の全範囲からきれいに出題されています。
熱化学、コロイド、酸塩基、化学平衡、…と全範囲から出題されており、どこが出題されるか予測がつきません。
また、無機化学もそれぞれの原子の性質から物質との反応、各用語を単純に暗記するだけでは解答できないように作られています。
私立獣医より国立に近い
私立獣医の化学は共通テストのような1問1答形式が多く、大問内での小問同士のつながりが浅いケースが多いです。
日獣でも前半は一問一答形式が多数出題されていますが、後半では大問がしっかりと塊となりやすいです。
その分野に対して、しっかり理解していれば、大問丸ごと点が取りやすい反面、
苦手な分野だと大きな失点につながる可能性があります。
ちゃんとした勉強をしてきた生徒に有利で、場当たり的な暗記に頼っている生徒には不利といえるでしょう。
計算と反応式は基礎~標準レベル
生物のように記述問題は少ないですが、代わりに計算や反応式の問題はふんだんに出題されています。
反応式を一つ一つ丸暗記するのでは対応できません。
反応が起こる根本原理を理解し、その場で作れるという化学での王道の勉強法をしましょう。
難易度が高くない計算が多いので、反応原理がわかれば計算問題は点が取りやすいでしょう。
反応と計算を結び付けて教えてくれる先生に習いましょう。
無機化学と理論化学は複合
年によって違いはありますが、無機化学は理論化学と複合させる場合があります。
事実として、無機化学は8~9割は暗記で合っています。
ポイントは10割暗記ではないということ。
2021年の電気分解と無機化学の複合は特に良い問題だったと思います。
勉強において、基本的に単純暗記はほぼないと考えましょう。
無機の反応式も作ります
無機の反応式を書く問題は日獣でもそこまで多くはありません。
しかし、実際に出題されたこともありますし、係数や酸化数といった部分的な出題もあります。
そもそも、反応式は作るものであり、暗記でなんとなく終わらせるものではありません。
さぼらず、逃げず、つくりましょう。
その方が大学入学後も役立ちますし、大学入試でも役立ちます。
最後はやっぱり有機化学
有機化学は標準レベルが中心ですが、応用レベルの問題も一部出題されています。
7つの大問中、最後の2つは有機化学。
ほぼ確実に一定割合出題され、そこまで範囲が広くないので対策は重要です。
また、他大でも出題量があるので、得意まで育て上げましょう。
求められる知識や、理解の流れは標準的なので、難しいとは感じないはずです。
実際に合格点を考えると応用レベルも少しの点は必要になります。
標準的な理解をしっかりしていれば、日獣の応用レベルは半分以上は絶対にとれます。
合格点は標準レベルで十分にとれます。
有機の計算はくせもの
計算は理論と有機で多いですが、有機の計算は一定以上のレベルが保たれており、しっかりと対策が必要です。
また、複雑な有機化合物の構造式を書く問題もおおく、名前の付け方から構造式を書けなければいけません。
有機化学の最初のところで、なんとなく暗記に頼ると、日獣の有機化学は無理でしょう。
勉強法・参考書・問題集
反応式や計算も重要ですが、基本の暗記が不十分であれば何もできません。
理解の4段階に一つ一つを照らし合わせながら、基本原理は説明できるようにしましょう。
注意すべきなのは、難易度は標準レベルが最重要であり、難しい発展応用レベルの量は少ないということです。
いきなり高難易度にチャレンジするのではなく、しっかりと基礎固めし、標準問題を解くことに十分な時間を使いましょう。
新課程に注意
2023年4月から新しく高校2年生になる学年は、テスト範囲(主に数学)が変わります。
化学では大きな改定はありませんが、用語の変更など一部改訂があります。
現在高校1,2年生および現在高校3年だけど浪人しそうな生徒用は参考書や問題集の変更が間に合わないケースがよくあります。
獣医学科志望の生徒には浪人も含めた2年計画3年計画の生徒も少なくありません。
注意してください。
参考書
教科書では理解が不十分になるので、最初から教科書は使わないようにしましょう。
何度も繰り返し読むことになりますが、理論化学と有機化学の理解を考えると、化学基礎の理解は深く、ある程度早めに終わる必要があります。
できれば高2の夏休みが終わる頃には、化学基礎の理解に自信がある状態が理想的です。
浪人生の5月時点で、化学基礎の理解が不十分であれば日獣や国立獣医の合格は難しいくなっていくでしょう。
問題集
学校で配られている問題集も非常に有効です。
現役生であれば上記の問題集は高校1年~高校3年生の夏休み、場合によっては10月くらいまではメインとして使いましょう。
浪人生は夏休みの中頃までのイメージです。
その後は赤本や
「基礎問題精講」→「標準問題精講」の組み合わせであったり、
「重要問題集」や「理系標準問題集」の難しくない問題(A問題)を中心に半分程度
くらいがおすすめです。
共通テスト(センター試験)の過去問は日獣にはあまり向かない
計算対策や基本知識の理解には共通テスト・センター過去問は有効です。
実際に、夏休みは共通テスト・センター過去問を解きまくって、知識の定着をはかることはおすすめです。
しかし、記述問題や構造式、化学反応式や無機化学と理論化学の複合問題には不足がでます。
共通テスト対策だけでは全般的な化学の勉強であり、日獣対策とはいえないことに注意しましょう。
まとめ
- 反応式と計算は最重要
- 化学基礎の完璧理解が勝負をわける
- ぎりぎりまで標準レベルに時間をつかおう
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