農工大は英語で安定感を生み出す
東京農工大学の英語は、
時間は60分で、
全編記述式。
大問は3つあります。
農学部・工学部どちらも問題が同じなので、農工大受験生の全員のために作成していますが、合格最低点などは農学部の共同獣医学科を基準にしています。
また、本分析は前期入試に限定していますが、実際には前期と後期の傾向はそこまで大きくは変わりません。
英語は短い時間でしっかりと結果を出さなければいけませんが、時間ばかりを気にせずに丁寧に点を積み重ねることが合格の秘訣となります。
農工大の英語は共通テストも含めて、自己分析と正しい対策で確実に点が取れるようになります。
共通テストとの相性がいい
共通テストも3回実施され、傾向が徐々に固まってきました。
農工大の英語が内容把握中心になったことで、文法の重要性がさがり、本質的な勉強の有効性が高まりました。
高得点が必要な獣医学科はもちろんですが、農学部や工学部受験の生徒は文法の暗記の勉強を減らし、数学や理科にしっかり時間をかけられるようになりました。
他の獣医学部や獣医学科に関しては → こちら
メインは2つの長文
3つの大問のうち、2つの大問が長文読解になります。
大問1と2の長文がメインで、大問3は会話文となります。
年によって変動がありますが、大問1と2であわせて1000~1400語程度。
共通テストが時間内にギリギリ読み切れる読解速度があれば、大問3までいれても時間に十分間に合います。
合格する生徒でも、最後まで解ききれない人が2~3割くらいはいるかもしれません。
特に注意してほしいのが浪人生です。
点数ばかりを追いかけて、英単語力が不足していたり、過去の経験で基礎文法の抜けを放置している生徒がいます。
現役生であれば夏まで。
浪人生も梅雨くらいまでは難しい長文には触れずに、とにかく英単語と基礎文法、短めの長文に時間を使いましょう。
長文内容は理系
農工大は農学部も工学部も問題が同じ。
2つの長文は理系要素が強い出題ですが、必ず動物や生命科学から出題されるわけではありません。
例えば2018年の大問2は、歴史や古典に関する内容がメインで、認知という生命科学要素が若干入っていたものの、どちらかというと文系学部で出題されそうな長文でした。
一方で2020年の大問2は1000語ほどと例年でもかなり長く、 AIとロボット工学という工学メインでありながら生命科学にも絡む長文。
工学と生命科学がどちらも入っているのは、まさに農工大の長文という印象でした。
長文読解では理系文章を中心にしながらも、幅広い勉強を進めていくのがよいでしょう。
共通テストで自動的に文系的文章の練習もしているので、正しい先生の作ったスケジュールで勉強しておけば自然と対策が出来ます。
図表も増加傾向
ここ数年は長文に合わせてシンプルな図や表が追加される大問が1つ程度出題されいます。
添付されている図表は難しくなく、奇問難問ではないので共通テスト対策が普通に出来ていれば、農工大の図表のために特殊な対策は必要ありません。
あせらず丁寧に読めば普通に攻略できますし、逆に普通に攻略できないのであれば英語の勉強方法を間違えているでしょう。
文章の王道理解が合格のポイント
大問1も大問2も、かならずこの形式がここで出題されるというのは決まっていません。
一方で、内容把握の内容が中心で、一部文法問題が選択で出題されるのがよくあるパターンになっています。
ただし、文法問題は出題量が少なく合否への影響も小さいです。
小手先のテクニックもある程度は活用できますが、基本的には王道の正しい勉強を行わないと合格は難しいでしょう。
内容把握は、
- 下線部に合致する選択問題
- 本文の内容に合致する選択問題
- 下線部の和訳
- 本文の内容に関する日本語での説明
といった、王道の問題ばかり。
大問1が300~600語くらい
大問2が500~800語くらい
となっています。
ただし、2018は大問1が長く、大問2が短めの長文と年によって違いがあるので、注意する必要があります。
また、2020のように例年より長い長文が出されることもあります。
決めつけずに王道の長文対策を行いましょう。
内容は普通に難しい
難易度としては普通になかなかの難しさがあると思います。
ただし、極端には難しくないです。
農工大の獣医では共通テストの英語(リーディング)で80~85%くらいは取りたいですが、
その力があれば個別試験の英語でも十分に太刀打ちできます。
一方で私立獣医の英語とは2ランクくらい難易度が違うのも事実です。
大問3は会話文
会話文も難易度は国公立大としては標準くらい。
会話表現に関する選択問題が毎年出題されており、ある程度は会話文対策が必要です。
決して簡単ではありませんが、特殊な問題はなく、特別な難しさもないことから、時間をかければ点を取りやすいでしょう。
正しい単語力と文法力があれば、しっかり読めるはずです。
図表に注意
大問3でも図表が出題されることがあります。
会話文の図表でも内容自体はシンプルなものが多く、大問1,2で出るものと難易度は同じくらいです。
共通テストなどの対策を行っていれば自然に学習が進んでいるはずなので、特別な対策は不要です。
最後に英作文
最後には英作文が用意されています。
この英作文は30~60語くらいで、短く、内容もオーソドックスで解きやすいといえるでしょう。
ただし、理由が二つ必要な年もあり、構想を考える時間が必要になります。
英作文の得意不得意や、考え込んでしまわないように対策は必須。
解く順番にも注意しましょう。
勉強法・参考書・問題集
まず何より英単語です。
長文内容も幅広いことから、基本となる英単語を早めの段階で習得しておくことが合格への最低条件になります。
東大京大などの特別な英単語帳は不要で、学校で使っているような英単語帳のレベルで十分です。
一方で長文読解の練習と英単語を一緒に行うなら速読英単語シリーズがおすすめ。
高校1~2年生で初級編。2~3年生や浪人生は必修編を使うとよいでしょう。
熟語のものもあります。
英文法
英文法は大問3も考えて会話表現があるものが一番です。
難易度と会話表現を考えるとネクステージが王道ですが、学校の問題集でも構いません。
また、文法問題が少ないとはいえ、基本の理解は必要です。
ネクステージを一冊何度も繰り返して仕上げてもいいですが、もう少し簡単な文法問題集をメインにしてもいいでしょう。
長文読解
長文は何よりも共通テスト・センター過去問からはじめていくのがいいでしょう。
農工大の特に獣医では共通テストでの高得点が最低条件です。
その後中堅国立や上位私立の問題集を中心に解いていくことになりますが、共通テストのリーディングで60点くらいしかとれないのに、いきなり難しい問題集は効果がありません。
最初は300語くらいからスタートして、500語や700語にあげていきましょう。
赤本
過去問は不安になる生徒は秋くらいに解いてもいいですが、基本的には直前まで特に不要です。
ただし、英作文対策だけはしておきましょう。
王道の問題ばかりなので、12月くらいに赤本を解いても遅くないです。
一般的には11月くらいに1度解いて、レベルを体感しておくとよいでしょう。
まとめ
- 高校2年までに基礎を作る
- 時間に振り回されない
- 内容把握には本質的読解を行う
保護者の方へ
英語は農工大受験生にとって、できて当たり前にしなければいけません。
ハイレベルな英語力を身につけるためには、闇雲に勉強するだけではほぼ不可能です。
効率的かつお子さんに合った勉強法が必須と言えるでしょう。
獣医学科と獣医以外で重要性が少し変わってくるのもポイントです。
真面目に勉強する + 正しい勉強をする
お子さんが農工大に興味がある場合には、上記の2つの条件を満たす方法を考えてあげてください。
プロ家庭教師などを利用するのも一つの手段でしょう。
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