上智大学理工学部の化学
上智大学の入試では、
TEAPスコア利用方式(全学部統一日程)
学部学科試験・共通テスト併用方式
共通テスト利用方式
の3種類があります。
このうち、理科において上智大学独自の入試問題があるのが、
TEAPスコア利用方式(全学部統一日程)
学部学科試験・共通テスト併用方式
の2つです。
理科が入試科目にあるのは理工学部の3学科のみ。
TEAPスコア利用方式(全学部統一日程)では理科は生物・化学・物理から2科目選択します。
学部学科試験・共通テスト併用方式では理科は生物・化学・物理から1科目選択します。
本分析は定員が多くメインである学部学科試験・共通テスト併用方式を中心に分析を作成しています。
大問は6つで時間は90分。
難易度など内容や勉強法・テキストなどはTEAPスコア利用方式でも使えるようになっています。
TEAPスコア利用方式の特徴
TEAP利用の理科は、1科目あたり45分で大問は3つ。
全編記述式なので単語記載は正確にできなければいけませんが、10字をこえるような論述問題はほぼありません。
出題内容も理論化学が1.5~2つで、1つは有機化学と一般的な構成です。
一方で計算問題は一定量出題され、難易度も標準レベルかそれより若干上くらい。
全体の難易度は学部学科試験・共通テスト併用方式とほぼ同じか若干簡単な問題が多くなっています。
一部難易度の高い問題もありますが、基本的には学部学科試験・共通テスト併用方式の対策を中心に考えていれば、TEAP利用にも対応できるようになっています。
他の理工学部・理学部分析 → 立教大学 学習院大学 中央大学 日本女子大学
四工大分析 → 芝浦工業大学 東京都市大学 工学院大学 東京電機大学
早慶上理で求められるレベルはほぼ変わらない
大問1~4では、
理論化学から3つ
無機化学から1つ
くらいのバランスが基本となっています。
難易度としては当然ハイレベルではありますが、早慶上理どこもハイレベルでありつつも、上智では極端な難問はありません。
標準レベルをベースとしつつ、そこから理解できているかどうかを測定するために一ひねり二ひねりあります。
標準レベルを暗記しているようでは上智合格は難しく、理解がきっちり出来ていれば合格率を大幅に上げることができます。
計算も難しいが対応できる
上智では理論化学を中心に豊富な計算問題があります。
1つの解答を導き出すために長い工程がありますが、一つ一つの変化に丁寧に対応することができれば、難易度は標準です。
化学反応式を丁寧に書く
単位計算にミスをしない
といった基本事項の重要性を認識できてれば正解できるでしょう。
理解の化学が出来ていれば化学の計算は点が取りやすく、上智でのそのルールは適応されます。
化学平衡は難しくしやすいので、出題しやすい
どの分野も難しい部分はありますが、理論化学での化学平衡は理解の難易度が高め。
上智大学でもそうですし、早慶上理では出題頻度が非常に高いです。
初期的な理解がしっかりと出来ていれば、上智を含めた難関大学の問題に対応できるので、早めに取り組み理解に時間をかけましょう。
無機化学でも理解が大事
MARCHや四工大の下位では無機化学は暗記が出来て入れば合格レベルの点数を取ることができます。
上智クラスになると、無機化学でも理論化学や有機化学と同様の理解の化学が求められます。
理解ができていれば計算にも対応しやすいので、大問まるまるほぼ満点がとれるでしょう。
一貫した正しい勉強が必須です。
有機化学が2つ
大問5と大問6は有機化学からの出題。
大問5が鎖式もしくは環状の有機化学であり、
大問6は糖やアミノ酸、脂肪に重合体といった高分子化合物
から出題されやすくなっています。
標準的な難易度よりワンランク上
化学はどの大学でも特殊な問題比率が低いですが、上智の有機化学でも同様です。
正しい理解をしていればある程度理解はできますが、そこに高いクオリティまでなければ正解まではいけません。
選択問題も「全て選べ」といった勘が通用しない形式。
理解に加えて、高分子化合物では細かい知識も暗記しなければいけないので、理解と暗記のどちらの精度も高める必要があります。
計算や実験の流れのレベルは高いですが、正しい化学の勉強が出来ていれば十分に対応できるでしょう。
勉強法を間違えていれば、理解と効率の両面から合格が非常に難しくなります。
参考書・問題集
求められる知識や理解が深いので、何度も読み返せるだけでなく、理解しやすい参考書が必須となります。
特殊な知識ではなく、標準レベルの知識をベースとした深い理解なので、一般的な大学入試レベルの参考書であれば不足はほぼありません。
また、簡易的なものや学校準拠などの知識レベルが深くない問題集は最初から除外しましょう。
より深い理解も役には立ちますが、自分のレベルに合わせることの方が重要です。 指導が上手い質の高い先生に質問できる環境がベストと言えます。
問題集
現役生でも浪人生でも、標準レベルが充実しつつも応用レベルまで網羅している問題集を1冊選びましょう。
化学において特殊な問題はほぼ出題されず、標準レベルをベースにした質の高い理解が求められます。
上智専用の勉強は不要であり、普段の勉強の質を高めることが必須です。
入試レベルのハイレベルな問題集は早くても夏以降、普通の生徒なら秋以降で間に合います。
まとめ
- 理解の化学は当たり前
- 標準レベルの質を高める
- はやめにスタートすれば合格できる
保護者の方へ
上智大学の化学は難しいですが、もともとの才能が高くなければ対応できないような問題はありません。
丁寧に正しい勉強法を継続出来ていれば、今の偏差値が50未満でも合格を普通に狙うことができます。
ただし、化学の偏差値が60以下の生徒は、ほぼ確実に勉強法を間違えているので、保護者の方の素早いサポートが合格のカギを握ります。
全国模試を3回受けて、1回でも偏差値57以下であれば早期の見直しが必須です。
中学時代の理科の偏差値が55以下であれば高校1年生の夏には勉強をスタートしないと現役合格は難しいでしょう。
保護者の方がお子さんの数値だけを見るのではなく、理解を目指した王道の勉強法を出来ているのかを確かめる。
確かめるのが難しいのであれば、プロ家庭教師などを利用してみてください。
質の高い先生であれば、1カ月以内(早いと1回の面談)にお子さんの現状の勉強方法が正しいのかどうか、ほぼ確実に見抜くことができます。
正しい化学を指導できるプロ家庭教師の指導に興味がある方は → こちら
他の記事一覧は → こちら