慶応義塾大学 経済学部の数学
慶応大学の経済学部では、
A方式(数学)
B方式(日本史もしくは世界史 + 歴史総合)
の2方式があります。
定員の多いA方式は数学があり、
定員の少ないB方式には数学はありません。
また、2025年以降の入試では、学校推薦型選抜(指定校による推薦入試:30人)が導入され、一般選抜の定員が30人減ります。
A方式は400名
B方式は200名
の定員なので、経済学部では数学ができないだけで非常に厳しくなるといえるでしょう。
慶応大学分析 → 経済学部(英語) 商学部 看護医療学部 薬学部
経済学部分析 → 上智大学 立教大学 青山学院大学 学習院大学 法政大学
難易度が高く時間も厳しい
慶応の数学は経済学部としてはかなり難しい問題が混ざっています。
ただし、A方式は合格点が高くても6割程度なので、そもそもすべての問題で高い点数を取る必要はありません。
80分で全問題を完璧に解くことを目指すことは難しく、
極端に数学が得意な生徒以外は、得意な問題で正解率を高める方がよいでしょう。
ただし、1次選考は150点満点のうち基礎的な70点分が利用され、ここで点数が低いと不合格になります。
基礎的な内容だけは幅広く学習しておきましょう。
数学は論理力
数学の「=を重ねる」という考え方は、論理の一つの構成です。
本質的に正しい数学を学ぶと、他の受験科目となっている 小論文や英語にも活用することができます。
慶應の経済学部では一般選抜で小論文も必須なので、数学も現代文(小論文)も指導できる先生が理想です。
経済学に数学は必須
経済学には歴史などの社会も必要ですが、大学入学後には一定レベルの数学力が必要になります。
慶応はもちろん、早稲田やMARCHなどの多くの大学で入試でも数学が必要。
B方式を選択する生徒も、数学の勉強は一定以上はしておきましょう。
1つの大問に3つの小問
基本的に大問は6つ。
各大問の(1)は実際の数値を当てはめ、具体的な数値で答える問題が非常に多くなっています。
そのあとの(2)と(3)では一般化して考える必要があり、キレイな大問構成となっています。
年によっては(1)と(2)だけの大問もありますが、基本的な考えは同一です。
問われる根本理解
慶応の数学では、
- 定理や法則の根本的な理解
- 標準レベルの組み合わせ
の2つがポイントです。
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定理に向き合う
根本理解のためには、がむしゃらに問題集を解くだけでは難しいです。
定理を暗記するのではなく、理解する時間を十分にとりましょう。
定理を理解して、理解の上で問題に使えるようになれば、複合問題が出来るまでの速度が高くなり、再現性も高まります。
高校1年生から正しい勉強をしていれば、慶応レベルの数学力は身につきますし、高校2年生からでもある程度は挽回ができます。
一方で高校3年生になってから、すべてをやり直すのは難しいです。
どうしても慶応や早稲田の経済を狙う場合は、現役合格を第一目標にしつつも、浪人の可能性も視野にいれましょう。
極端に難しい問題は実は少ない
慶應の経済学部が求める人材は、数学で難問がすらすら解ける人ではありません。
慶應の標準レベルの数学力がある人が欲しいのであり、難問より標準レベルを理解して実行できる人です。
慶應だからとにかく難しくという勘違いをしないように注意してください。
分野は絞りやすい
毎年出題される範囲が限定されていますが、勉強する範囲は全般的に必要です。
数Aの場合の数と確率
数Aの整数の性質
数Ⅱの微分積分
数Ⅱの三角関数か指数対数関数
数Ⅱの図形と方程式
数Bの数列
数Cのベクトル
基本的に上記の7分野から5~6つの大問がつくられます。
また、
数Aの図形
数Ⅱの高次方程式
が出題に含まれている年もあります。
基本的に数AⅡBCからのみ出題がされますが、 今後はデータと統計や数Ⅰから出題される可能性はあるでしょう。
数Ⅰは全員出来るから出題されない
出題範囲だけをみると数Ⅰの勉強が不要に感じますが、そんなことはありません。
特に数Ⅱでは数Ⅰがわかっていないと取り組むこと自体が難しく作られており、慶応では特にその傾向が強いです。
出題範囲に振り回されずに、正しい勉強を行いましょう。
微積率の高い大問6
大問6は100%とまではいえませんが、ほぼ確実に微積が出題されます。
大問6は問題の難易度はそこまで他の大問と変わりませんが、年によって計算量が多く、時間がかなりかかる場合があります。
本番で解ける問題を取り逃さないよう、判断力と計算力の自己分析を入念にしておきましょう。
難易度と問題集
慶応の数学は難しいですが、実は極端な難問はありません。
標準レベルに1つか2つ上乗せしたり、組み合わせることによって難易度を高めています。
分野複合問題もありますが、計算レベルも一定レベル。
答えとなる値はほぼ実際の数値で文字はほぼ入りません。
本質的な勉強さえしていれば現在の数学の偏差値が50くらいでも普通に合格レベルまで学力を上げられます。
文系の範囲だけでも難問は作ることは出来ますが、慶応が正しい努力をして、つけるべき実力を身に着けているかどうかを判定しています。
今のあなた(やお子さん)には難しく見えるでしょうが、正しい勉強をすれば攻略できます。
問題集
定理の理解と複合問題
さらには、慶応レベルの図示や証明の練習と考えると、青チャートやニューアクションレジェンドなどがよいでしょう。
数学が得意ではない生徒は、黄チャートの利用も考えましょう。
黄チャートだけで合格レベルまでいくのは少し難しいですが、プラスαの実践的な問題集を黄チャートの後に用いることで、十分に合格点がとれます。
何が何でも青チャートという考えは捨てましょう。
現在の数学の偏差値が50以下の生徒は、青チャートやレジェンドを使わないでください。
逆効果です。
今自分がどういった勉強をすべきか?という自己分析がずれると、正しい勉強はできません。
やみくもに問題を解いても学力は上がりません。 注意してください。
まとめ
- 数学は理解をしよう
- 自己分析と過去問分析の両方をしよう
- 本質的数学力は応用がきく
保護者の方へ
慶応義塾大学の数学は経済学部だけでなく、他の学部でも難しいです。
一方で、経済学部の数学は難易度が高いものの、早めから正しい勉強をしていれば十分に太刀打ちできます。
現在の偏差値が40~50くらいでも、いい先生の指導を受けて、真面目に勉強すれば合格は間違いなく狙うことができます。
お子さんから動き出すことはほぼないので、保護者の方が積極的に動いて、お子さんをサポートしてあげてください。
逆に、現在の偏差値が60前後あっても、理解の習慣がついていない場当たり的な数学では時間経過とともに合格率が下がることもあり得ます。
勉強方法を間違えている浪人生などでよくみられる現象です。
日本でもトップレベルの難関大学ですが、間違いなく攻略方法があるという事実を知っておいてください。
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