麻布の生物は細かい暗記が要求される
理科の時間は60分で、英語や数学と同様に、全編で選択式となっています。
理科は他の私立獣医同様に1科目選択。
獣医では多くの人が生物を選択し、残りの人が化学となっています。
ここでは麻布大学の獣医学部獣医学科を中心とし、生物の解説を行います。
生物か化学か
大学入学後にも最も役立つ科目なので、とりあえず生物を選ぶ生徒は黄色信号。
麻布や日獣など、獣医や動物系では生物を選ぶ生徒が多いですが、実は生物より化学の方が点が取りやすい生徒もいますし、受験校(併願校含む)によっても変わります。
愛玩動物看護師の志望者では、理科より国語や数学の方が合格率が高くなる学校もあります。
生物は暗記と読解
暗記に自信があれば、理科の選択は基本的に生物です。
ただし、かなり細かく暗記をしなければいけないので、はっきりとした自信と興味が必要でしょう。
よくあるパターンとして、化学の基礎理解が出来ないから、計算が出来ないから化学を選ばずに生物を選ぶ生徒がいます。
化学の基礎理解が出来ないレベルは、勉強方法そのものを確実に間違えています。
理科の選択の前に、勉強方法や指導者を変える方が先決であり、急務でもあります。
後述しますが、私立獣医でも麻布などは実験問題が一定数出題されます。
実験問題は国語力(読解力)がなければ正解できず、普段の勉強では理解の習慣が求められます。
点数を取るためには暗記力も必要ですが、それに近いレベルで理解・読解が重要であることを知っておきましょう。
読解に自信がない場合は、化学の方が点数がとりやすいかもしれません。
麻布大学の他の学部学科分析 → 動物応用科学科 生命環境科学部
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変わりつつある出題傾向
大問は8つが近年の傾向ですが、数年前は6~7つ。
2025年は7つの大問があり、2024年は8つの大問でした。
特に、ここ数年の過去問をみると、10年くらい前の傾向が復活しつつあります。
5年ほどでは出題率が落ちていたけど、8~12年前に出ていた問題がまた増えてきた感じです。
過去問分析事態は重要ですが、生徒の予想を外れてくる分野は確実に出題されるという前提が必要です。
大問数が7~8つあれば、基本的に出ない分野の方が少ないです。
傾向は傾向でしかありません。麻布に本気で合格したいのであれば、傾向に振り回されずに本当の学力と勉強法を身につけましょう。
計算問題は少ない
2014年ごろまでは、10個の大問であり、計算も2問。
そのうち一つは基本的に遺伝の難しい計算でした。
2015年から、大問は8つになり、計算問題も1問程度に減っています。
2019年入試など、計算問題が0問の年もありました。
その反動からか2020年などは計算問題が一気に増え、2023年は4問の出題。
2025年は2問でした。
大切なのは、何問出題されるか?ではなく、どれくらいのレベルの計算が出題されるか?ということです。
麻布の計算は標準レベル。基礎よりも少し難しいので、2~5割くらいは理解の要素があります。
単純暗記一辺倒では計算問題は正解しにくいですが、すごく深い部分の理解は要求されないイメージです。
今まで以上に本質的な勉強を行い、試験方式や出題傾向の変更に備えましょう。
高校2年生でも夏までに始めれば、普通に間に合います。
細かい知識が要求される
麻布の生物は私立獣医の中でも緻密で深く、広い知識が求められています。
選択肢として、解答の個数がわからなく、正しいものはすべて選ぶ必要があります。
暗記も理解も、なんとなくでは正解できないように作られています。
最近は深さよりも理解度を重視する傾向が見えてきてはいますが、依然として知識の深さを問う問題は数多く残っています。
例えば呼吸では
2025年に実際に出題された呼吸と基質に関する問題(大問5)を見てみます。
3つの問題を通して、呼吸基質の違いによる代謝経路に関する出題でした。
一問一答だけにならないように、タンパク質、脂肪、炭水化物でのルートの違いを理解している必要がありました。
さらに、呼吸基質の違いによって呼吸商が変化するという、計算の理解につながっていました。
基本は全範囲
生物はどの私立獣医でも全範囲を網羅的に勉強する必要性があります。
知識中心なので、苦手を作らずに暗記をしましょう。
広範囲かつ深さのある暗記は、北里や日獣など併願校でも必要になります。
岡山理科などと異なり、麻布では記述する必要はありません。
その分、微妙な選択肢をしっかりと選べるように細かく暗記を進めましょう。
出題率が高い分野もある
全範囲勉強すべきですが、
代謝
遺伝
発生
進化と系統
生態
などは、ほぼ100%出題されます。
特に遺伝は出題率が高いだけなく、2つの大問を使うこともある最重要分野。
2024年も2つの大問で出題がありました。
諸事情で生物にかけられる時間が限定されている場合は、上記の分野を中心に演習することが最適でしょう。
2023年は進化と系統から2つと大幅な出題には驚きました。
一方で、絶対に麻布というわけでなければ、全範囲を勉強した方が併願校まで考えた合格という意味では効果的です。
実験問題は多くて2問
生物の難易度を最も向上させるのは実験問題。
麻布では実験問題は少なく、1~2問程度がほとんど。
知識は細かい部分が必要ですが、参考書に載っていないような、高い思考力が必要な実験問題は少ないです。
ここが国公立の獣医との最大の差ともいえます。
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教科書や参考書の実験は理解しておこう
麻布の入試で出題される実験は、参考書や問題集に載っているのと同じようなものが多いです。
有名な実験なので、その場で長い問題文を読んで、実験を理解する必要性が低い場合がほとんど。
暗記要素の難易度は高いですが、思考力はそこまで必要なく、真面目に細かい暗記を頑張れば合格できます。
ただし、見たことあるような実験を少し変えたものもあるので、暗記だけにはリスクがあります
前述したように、生物の実験問題は現代文的な読解力と理解の習慣が一定以上必要となります
ちなみに、読解力をうまく使うと英語長文や推薦などの小論文に活用できるので、生物・英語・小論文は1人の先生に教えてもらうことが最も効率的です。
難易度・対策と参考書・問題集
麻布の生物は私立獣医でも細かい暗記が要求されます。
一方で、論理的思考力が求められるような実験問題や計算問題の数はあまり多くありません。
最近は思考問題に寄せる方針が見えており、どちらも最低限の水準を超えていないと合格は難しいでしょう。
暗記の難易度は標準~発展レベルで、理解や実験の難易度は標準レベルが中心です。
北里大学や岡山理科大学と比較すると理解や実験の比率も難易度も高いので注意してください。
対策の中心が暗記なのは変わらない
最も重要なのは、細かい知識をまんべんなく勉強していくことです。
参考書を何十回も読むのはもちろんですが、実際に絵を描いて、構造を理解しながら暗記をしなければいけません。
構造と実験理解は教科書では非効率なので受験用の参考書を使いましょう。
図や絵を効果的に描きながら勉強すれば、1年くらいはかかります。
獣医学科を生物で受験する場合は、現役生であれば2年生の1年間は、生物の暗記を中心に。
浪人生であれば夏休みが終わるまでの半年間を暗記に使いましょう。
問題集
難しい問題集は計算や実験問題が多く麻布に合いません。
共通テストは思考力が重要な実験問題の比率が高いので、こちらも麻布対策としてはおススメできません。
基礎暗記が不十分な場合は、基礎要素・暗記問題が多い問題集を使いましょう。
「セミナー」
「リードα」(リードlight)
といった学校でよく使われる問題集がおすすめです。
「MYBEST よくわかる生物基礎+生物」
「基礎問題精講」
「チャート式生物」
などが、いいでしょう。
ただし、基礎問題精講のシリーズは実験問題のレベルが高いです。
麻布単独で考えても難しすぎる問題が含まれており、併願校によっては全くおすすめできません。
計算問題は基礎的な公式を使うものはもちろんですが、標準レベルも多少はしておくと安心です。
難易度が高い応用レベルの計算は不要になります。
早めの赤本で麻布の暗記レベルを知る
他の科目と違い、生物では3年生や浪人生の春に赤本を一度解いておくことをおすすめします。
確認すべきは点数ではなく、暗記の深さ。
そして大問が多く全分野から出題される幅広さです。
参考書をどれくらい細かく読むべきかは、過去問を1年分やればだいたいわかるでしょう。
まとめ
- 理解に基づいて細かく暗記
- 思考力や計算力に比率はとても低い
- 絵を描いて覚えよう
保護者の方へ
麻布をはじめとした私立獣医では、生物を選ぶか、化学を選ぶかで大きな差が生じます。
麻布は難しいですが、質の高い先生がいれば獣医学科合格は現実的に可能。
実際に私の生徒は何人も獣医学科に合格しています。
勉強法や赤本を解くタイミング、かけるべき時間なども異なり、しっかりした自己分析力が必要になります。
自己分析のサポートは、集団指導塾や映像を見る塾ではほぼ不可能。
お子さんの自己分析能力が十分でなさそうな場合や、勉強法が正しいかどうか不安があるときは、プロ家庭教師などを利用するのもよいでしょう。
保護者のサポートで、お子さんの合否に大きな影響があります。
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