北里大学 獣医学部の数学
数学は他の科目より10分長い70分(前期)で、得点は他と同じ100点満点となっています。
北里大学の一般選抜では、前期・中期・後期(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ期)に分かれており、獣医学科は前期と後期のみ。
本分析は前期(Ⅰ期)をメインターゲットとしていますが、Ⅲ期でも使える分析として作成しています。
また、動物資源科学科と生物環境科学科、海洋生命科学部、未来工学部も同じ問題であり、使えるように作成しています。
近年の変化
2020年から獣医学科のみが解く問題が新設され、岡山理科(Amazonリンク)にすこし近くなりました。
問題は7つありますが、
2020は1~4が獣医学科のみ異なる問題
2021以降は大問1の後半の(5)、(6)が獣医学科の受験生のみの問題
となっていました。
2022年、2023年1~3月の試験でも同様の傾向がみられ、獣医学部内で獣医学科のみ(2023年は未来工学部 データサイエンス学科も追加)の問題があります。
この流れは2024年1月以降も継続するでしょう。
また、北里大学では東京にある順天中学・高校との法人合併も発表され、注目度が高くなっています。
変化は少しで、難易度は大きくは変わらない
北里の数学は岡山理科と並んで獣医系で最も簡単。
獣医学科専用問題の出現で少し難しくなりましたが、ほんの少しだけです。
今回の変更は、獣医学科の問題を難しくするためのものではなく、
動物資源科学科
生物環境科学科
海洋生命科学科
の入試を取り組みやすくするためのものでしょう。
獣医学科専用問題が増えた今でも、これまで同様に数学が最も点が取りやすい科目です。
私立獣医内で比較しても明らかに取り組みやすく、数学が苦手な生徒でも対策で点数を上げやすく、合格率を高めやすいといえます。
数学が苦手でなければ、ここで70%は確実に上回る必要があります。
数学が得意な生徒は80%以上を目標にしましょう。
全体的に難易度は基本~標準レベル。
時間も余裕ではありませんが、十分すべてを解答する時間はあります。
他の獣医学科分析は → こちら
2025年1月以降(新課程)の入試に関して
現時点で高校1,2年生および浪人生が対象となります。
獣医学科
獣医学科における数学は、
ⅠAⅡBC
となります。
現時点で数Bと数Cで制限があるという発表は確認されていません。
他の大学は数BとCは数列とベクトルのみということもありますが、北里大学では数Bは統計的な推測、数Cで複素数平面が入る可能性があります。
私立獣医でも統計的な推測と複素数平面が入る学校と入らない学校が分かれてくるでしょう。
とりあえずどちらも対策しておきましょう。
動物資源科学科・生物環境科学科
上記の2学科は数学の範囲が数ⅠAⅡとなります。
むしろ範囲が狭くなるので、より深い勉強を心掛けてください。
とにかく基礎計算
私立獣医の入試では標準レベルの問題が多くなっています。
学校の定期テストでいうと、典型問題や最終問題クラスが中心になっています。
北里も基本的な難易度は同じですが、北里だけの特色があります。
学校の定期テストで出題されるような、必ずおさえておかなければいけない計算問題や、典型的な流れの問題が非常によく出題されているということです。
他の私立獣医では解法の流れを増やすために根本理解をとにかく優先しますが、北里はなによりも基礎計算を重要視してください。
特に浪人生で北里の数学の前半が全問正解できないのであれば即刻勉強法を変えた方がいいです。
基礎計算の中にはパターンを知らないと非常に解きにくいものもあります。
とにかく問題集の分野の最初にあるような基礎計算は確実にマスターしておかなければいけません。
微積以外の範囲を中心に問題1~2くらいは基礎的な問題中心。
問題3~4くらいで、典型的な標準問題が出題されやすくなっています。
計算ミスが合否を分ける
問題の1~6は解答のみを記載しました。
途中式は関係なく、答えの計算値があっているかどうかだけが点数にかかわります。
基礎計算のパターンをしっかり理解しておくだけでなく、計算ミスをいかに防ぐか?ということにも正面から取り組みましょう。
私の生徒にも指導していますが、計算ミスはちゃんとした対策で大幅に減らすことができます。
「ケアレスミスだからまあいいか」と甘く見ないでください。
最後は微分が中心
7つ目の問題(大問2の扱い)は獣医系数学でメインとなる微積です
大問6は他と同じ解答のみを記述しますが、大問7では完全記述。
途中の解法も記載していきます。
複合の微積
単純に微積の問題よりも対数関数や三角関数などの式変形から微積と絡めてくる問題が多く出題されています。
ただし、その複合のやり方は典型的で、一般的な問題集をきっちり練習しておけば、必ず似た問題を見ることができます。
最後の記述も、なぜ最後だけ記述にしているのか不思議なくらいです。
他の問題同様取り組みやすいので、北里の大問7のために記述式を練習するという特別対策はほぼ不要といえるでしょう。
獣医学科専用問題
問題5と6がここ2年の傾向です。
数Aと数Bの範囲からの出題率が高く、おそらくに2024年の試験も同様の傾向でしょう。
2025年の新課程では、数Bと数Cから狙われやすくなるでしょう。
獣医学科専用なので問題の1~4よりは難しく、公式をそのまま当てはめるだけでは満点は厳しいです。
ただし、典型問題がベースとなっており、標準的な勉強で解けること自体は変わっていません。
自分に合った勉強をいかに継続できるか?が獣医学科専用問題を解くカギとなるでしょう。
対策・勉強法
使う問題集のレベルは注意が必要です。
大切なことは難しすぎる問題集は逆効果になるということ。
使う問題集としては黄チャート(Amazonリンク)などがちょうどいいレベルですし、センター問題集もかなり使いやすいです。
注意点として、共通テストではなくセンター問題集であることです。
共通テストは数ⅠAの出題形式が変更されたので、北里対策として使いにくくなりました。
私立獣医レベルの数学には、基本的には本質的な理解に基づいた数学が有利です。
しかし、北里はそこまで高いレベルがなくても合格点にたどり着くことができます。
定理の根本的解説がない4STEPや基礎問題精講(Amazonリンク)などは、他の私立獣医を視野に入れるのであれば推奨しませんが、北里に限っていえば十分に有効な問題集といえます。
新課程でも黄色チャートレベル
新課程では数ⅠAⅡBでも従来と若干ことなり、さらに数Cが入ります。
浪人生は学ぶべき項目が変化したり、増えたりしているので、十分注意してください。
とにかく基礎計算
基礎計算のパターンは網羅しておく必要があります。
対数関数や三角関数、数Ⅰでよく出てくる計算などは、基本的な計算が非常に多く出題されています。
難易度の高い大学ではあまり聞かれないような定理を使っていることも時々あるので、基本計算は何度も反復練習し、身に着ける必要があります。
範囲はしぼりやすい
北里の数学(Amazonリンク)はⅠAⅡBの全範囲から出題されますが、明確に出にくい範囲があります
- Ⅰのデータの分析
- Aの空間図形、整数の性質
- Ⅱの図形と方程式
です。
といっても必ず出ないと決まっているわけではなく、過去に上記範囲から出題されたこともあります。
逆に出題頻度が高い分野は集中的に勉強する必要があります
- Ⅰの計算問題、2次関数
- Aの場合の数と確率、平面図形
- Ⅱの計算、三角関数、指数対数関数、三角関数、微積
- Bのベクトル、数列
です。
出題頻度が低いことは明らかなので、出題頻度の高い分野を優先し、効率的に対策をすすめましょう。
ただし、北里以外が第一志望の場合は、北里の数学に惑わされず、全範囲を根本理解してがんばりましょう。
まとめ
- とにかく基礎計算を大切にしよう
- 典型的なパターンをしっかり学習しよう
- 難しい問題は不要なので、基礎問題を大事にしよう
- 計算ミスを意図的に防ごう
保護者の方へ
数学が苦手でも北里の獣医に合格することは間違いなく可能です。
現在の偏差値が40くらいでも1年半~2年あれば合格ラインまで行くことができるでしょう。
ただし、現在偏差値40~50程度の生徒は勉強法を間違えているので、ちょっと改善した程度では大きな成長は難しいでしょう。
獣医に特化した勉強をするのであれば、ぜひお問い合わせください。
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