北里の英語は標準レベルがメイン
北里大学の薬学部では一般選抜において、英語も他の科目も80分で100点となっています。
以前は70分でしたが、全科目時間が10分長くなりました。
一般選抜でも学校推薦型選抜でも学力試験が大事
公募型推薦でも英語・数学・化学の基礎学力検査があるので注意してください。
2026年は薬学部で293名(薬学科259名)の定員があり、180名が一般前期(薬学科160名)が一般選抜(前期のみ)に割り振られています。
次いで多いのが指定校の学校推薦型推薦ですが、73名(薬学科69名)なので、一般前期でほぼ決まるといって差し支えないでしょう。(残りは公募制の学校推薦型選抜)
基本的な傾向は毎年似ている
英語ではここ数年、多少の変化があるものの、出題傾向が大きくは変わっていません。
正しい分析をすることで、英語の点数を大きく上げることが可能です。
北里以外の大学を併願する生徒がほとんどかと思います。
実際には、過去問分析に頼りすぎず、根本的な英語力をつけることを目指しましょう。
一般選抜にも推薦でも対応できる学力が身に付きます。
ここでは一般選抜をメインに分析していますが、一部は推薦の内容も盛り込んでいます。
薬学部分析 → 慶応義塾大学 東京薬科大学 東京理科大学 星薬科大学 昭和大学
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長文重視の変化
以前は細かい大問設定で大問が7つある年もありました。
一方で2021年以降は大問5つでしたが、2025年は大問が4つでした。
ただし、2025年から大問1の2分割の仕方が変更。
大問1は実質2つの長文があるので、2025年の分量は2024年と同等か、それ以上の分量になったといえます。
問題数でみても、2025年は大問1で26個の問題がありました(前半のAが14個 + 後半のBが12個)。
2024年はAB合わせて大問1で13個。2023年は16個。
2025年の新課程になって、もともと傾向であった長文重視の考えがより進んだといえるでしょう。
ただし、2025年は大問4の長文が非常に短くなったので、全体で考えると長文の量といういみでは2024年、2023年とそこまで差はないという考え方もできます。。
時間が80分になった理由は、長文が増えたり、形式の微妙な変更の対応できる時間を確保したと考えられるでしょう。
少しずつ共通テストに寄っていく
細かい文法問題が減少し、 長文読解を通した総合的な英語力の比率が高まりました。
これは、センター試験から共通テストになったときと同じ傾向であり、北里の薬学部では今後も長文が一定の比率で出題され続けるでしょう。
文法単独で考えやすい問題は多少の変化がありつつ、減ることはあっても増えることはなさそうです。
受験生になって慌てて対策するのではなく、 高校1年、2年からしっかり基礎力を高めた方が有利です。
英語長文は総合力なので、早くから学校の英語ではなく、受験の英語(外部試験含む)を前提にしていきましょう。
これは、ハイレベルな薬学部で共通している傾向ですので、薬学部に興味がある生徒は、早め早めの対策を行いましょう。
2つの長文読解が勝負になる
大問1が最も長い長文であり、900語程度となっています。
ただし、2025年は2つの長文が大問1(AB)で出題されており、Aが少し長めでBは少し短めでした。
大問4も長文読解であり、こちらは300~500語程度となっています。
大問4の長文は、年によって位置が変わることがあります。
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理系文章が中心
テーマは理系の文章から出題されることがほとんどであり、実験やデータに関する記載の箇所があります。
例えば2025年の推薦では、薬学部らしい平均寿命の伸び(高齢化)に関する文章でした。
2025年の一般選抜では、チンバンジーによる虫の薬理的利用という、こちらも非常に薬学部らしい内容でした。
2024年も薬学部的な内容になっており、やはり薬学部らしい内容が出題されやすいのは現在も同様です。
一方で、薬学部でありながら、必ず医学薬学と限定されていません。
過去にはコロナをきっかけとしたリモート勤務に関する長文や、シミュレーションの効果と社会的価値に関する長文も出題されています。
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演習では、他の大学のことまで考慮すると、理系や医学薬学系を中心にしつつも、幅広い分野の長文や単語(Amazonリンク)練習をしておきましょう。
長文の前と後に注目
英語の本文の前に説明書き、もしくは後に出典が書いてある場合があります。
ただし、近年(2025、2024年など)は記載がない場合も増えているので、注意してください。
テーマや出典があれば、本文を読む前に内容の概略がわかります。
また、テーマや出典の記載がない場合には、本文のラストにある英単語の難しい英単語の日本語訳を利用しましょう。
ここには専門用語などの和訳が記載してあり、本文を読む前に内容の予測ができます。
ここに加えて、長文読解テクニックを使うと、本文のメインテーマを間違えることはほぼなくなるでしょう。
単語と文法も大切
最初の10~12問は、類語といった単語・熟語力が必須の問題となっています。
難易度自体は高くありませんが、高校標準レベルの英単語・英熟語力を早くから高めておけば非常に有利になります。
大問4は長文理解
短めの長文読解ですが、内容把握の問題のみとなっています。
2025年は問1で解答のために表が与えられたり、大問1での分量が多いこともあって、大問4は非常に短くなりました。
しかし、2024年や2023年はしっかりとした文章量がありました。
推薦では長文が出題されるのは大問1のみとなっており、文法や基礎力が比較的重要視されています。
文章の難易度としては大問1とさほど変わりませんが、文章量が少ないので抵抗も少ない人が多いでしょう。
内容として間違えている選択肢をえらぶNOTの問題が出題されやすい大問なので、注意が必要です。
文法と会話にかける時間配分に注意
大問2では、文法要素が強い5択の問題となっています。
問題が5問と多くはありませんが、単語だけでなく節での出題が多く、基礎文法をどれだけ真面目にやってきたかで、点数が大きく変わります。
基礎~標準レベルになっているので、難問対策は不要です。
大問3では会話文
大問3の長い会話文は、実質的に長文読解となっています。
近年は傾向が少し変わりつつありますが、何かしらの形で会話文が出題される可能性は高いです。
2025年などは大問2に会話文が出題。
2024年は大問3は会話でははありますが、QA形式でありイメージしやすい会話文とはいえませんでした。さらに、大問4のBで会話が出題されていました。
2023年は従来型の長い会話文が大問3に出題されていました。
他の大学でよくみられる会話の応酬ではなく、一人一人に主張が明確にあり、会話的表現よりも内容理解が重要になります。
大切なのは時間にとらわれて早読みしないこと。
大問3あたりで残り時間が気になるかと思いますが、会話のテンポにつられて速度を誤る生徒もいます。
年によっては短い文章でどんどん話が進んでいきますが、じっくり理解をしましょう。
大問5は出題予測がしにくい
大問数が変更になった影響もあり、この大問5が今後どういう展開になるのか、予想が難しくなっています。
前述したように、2025年はそもそも大問数が4つとなって大問5は存在しませんでした。
短文理解の可能性が高い最も高いといえますので、多少の変更があっても本質的な英語力があれば問題なく対応できます。
私立大ではマークシートが基本ですが、
一部大学では英作文のみ、数学のみ記述式の学校もあります。
過剰な予測や分析に惑わされず、本質的な英語力を育てて、どんな問題にも対応できるよう勉強を進めましょう。
参考書・問題集
英単語と熟語は、標準的なものがおすすめです。
ただし、国公立や北里より難しい私立を狙う場合には不十分が出てくる可能性が高いです。
時間に余裕があれば、分野別の英語、医学薬学歯学などが多い英単語まで出来ると完璧でしょう。
文法と熟語は長文のためでもある
大問1の最初や、大問2では文法や熟語が重要になります。
同時に、基礎文法と英単語ができれば長文が非常に簡単になります。
文法のための文法ではなく、英語の基礎力を上げるために文法練習をしていきましょう。
4択5択を選ぶことが目的ではありません。
読解は300語から
最初の長文がかなり長く、途中の長文も読みごたえがありますが、難易度自体は高くありません。
一般的な900語レベルの長文は難しすぎることがあるので、500~700語レベル(Amazonリンク)を最終目標にすえておきましょう。
まずは300語くらいから初めて、現役生は3年生の夏くらいに共通テストや500語。
浪人生は春~夏くらいに500語レベルを目安として勉強をするのがおすすめです。
実際には生徒一人一人のペースがあるので、自己分析をしっかり行い、すべき問題集を選択してきましょう。
まとめ
保護者の方へ
私立薬学部でも北里(Amazonリンク)はレベルが高く、人気も高く、英語の難易度も高くなっています。
一方で受験生の中には北里なんだから難しい問題集を早く解かなければと、自己分析不十分なまま大学分析や偏差値に振り回されて失敗する生徒が多いです。
問題は標準レベルであり、自己分析と基礎力の向上に時間をかけるようにしましょう。
家庭教師や面談がこまめで、勉強法に関しても相談に乗ってくれる塾や家庭教師がおすすめです。
一方で、薬学部だからこの問題集、北里だから夏までにこのレベル、と大学ベースで話を進めるのは失敗の原因となりやすいでしょう。
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