慶應義塾大学 薬学部の化学
慶応大学の薬学部は、化学の配点が高くなっています。
英数が100点ずつに対して、
化学は150点満点。
薬学部で学ぶことを考えると、理解できる配点。
併願校を見ても、化学が若干点数が高い薬学部は多くなっています。
総合で60%を目指すために、化学で55%以下となると非常に厳しくなります。
合格最低点は2025年で薬学科189点(54%)、薬科学科199点(57%)。
2024年や2023年はもう少し低く46~50%程度でした。
化学で60%前後をとることができれば、結果が安定します。
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慶応の特徴
大問が5つで100分。
私立薬学部をメインターゲットにしている受験生にとって、化学単独で100分は慶応くらいです。
深い現象理解に加えて、計算も難しくなっています。
難易度は高いですが、理解の習慣と正しい勉強法が身についていれば、英数より対応しやすいです。
慶應義塾にかかわらず、国公立やハイレベルな私立薬学部を狙う場合は、高い理解力で化学で点を稼ぎましょう。
出題傾向
他の大学では大問数が3~4つが多いですが、慶応は5つの大問があります。
基本的に
無機化学を含む化学基礎が1つ
理論化学が2つ
有機化学2つ
の構成です。
5つの大問のうち2大問程度が2つに分割されており、問題のジャンルが変わることがあります。
2025年は理論化学の大問3と有機化学の大問4が2つに分割されていました。
ただし、2023年は分割なし、2022年は分割は1つだけ、2021年は分割が3つ、など年によって違いがあります。
有機化学比率が明確に高い
大問4が、芳香族もしくは鎖状の有機化合物
大問5が、アミノ酸や核酸などの高分子化合物
となっています。
薬学の中心が有機化学ということもあり、大学入試でも有機化学比率が高いのが薬学部の特徴。
これは、慶應だけでなくほかの薬学部や薬科大学にも共通してみられる特徴です。
重要なのに計画段階でで失敗する生徒が続出
一般的な化学の学習には順番があり、有機化学は最後になります。
理由は簡単で、理論化学や無機化学の基礎知識がないと有機化学が勉強しにくいからです。
つまり、有機化学は学習上最後になるのは当然であり、計画的に勉強していないと復習する時間が取りにくい分野となります。
特に注意すべきなのが、中高一貫校に通っている生徒です。
学校や塾の学習の先取りが生徒の勉強ペースに合っておらず、1年生の化学基礎から復習しなければいけないことが非常に多い。
勉強計画は、早ければいいというものではありません。
現状の学力と計画、目指すべき学力の三方向から受験対策をしていきましょう。
正しい基礎があれば、有機化学は点数が取りやすい分野です。
理論化学はまんべんなく
酸塩基
反応速速度や電離
浸透圧
などなど、理論化学は幅広く出題されます。
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一方で、気体の出題率が圧倒的に高く、計算や実験の難易度も高く作られる傾向にあります。
同時に出題率が高い分野として、酸化還元の反応があります。
酸化還元は電池・電気分解や反応速度など複数の分野の基礎となっており、化学反応式を作る上で欠かせない考え方の一つとなります。
慶応で役に立つのはもちろんですが、他の大学でも気体・酸化還元の出題率が低いことはほぼありません。
実験・反応式・計算
化学は変化の学問です。
化学的な変化をとらえるためには、反応の前と後を示した反応式が必須。
その変化をとらえるために実験を行います。
化学において実験と反応式はセットであり、それを数値的にとらえる計算も必須事項となります。
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難しいが納得できる実験
どの大問でも、突飛な実験は出題されません。
実験の内容自体はよくあるものが多く、参考書や問題集に真面目に向き合っていれば、必ず類題を体験しています。
実験工程に一定の量があるので、読解力も必要になります。
最低限中学レベルが明確にわかれば大丈夫ですが、慶應レベルを本気で目指すためには英語にも化学にも役立つ読解力を身に着けておきましょう。
実験を日本語だけでなく、模式図や化学反応式と対応させながら理解しましょう。
問題があると、問題を解くことに集中しがちですが、問題中の実験を理解することに時間を使いましょう。
実験と反応式
実験理解だけでなく、化学には反応式が必須です。
ただ反応式を覚えるのではなく、反応の前後で何が変わったのか
どういう実験操作が、化学反応を引き起こしたのか
といった理解が必要です。
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慶応では細かい知識も要求されるので、すべてを暗記するには無理があります。
理解をすることで単純暗記の量を減らすとともに、化学反応式を理解で再現できる頭をつくりあげましょう。
有機化学では構造式が書ける必要もあります。
グラフ
慶応レベルでは、グラフと組み合わせることが加点につながります。
参考書や教科書に載っている反応式に注意がいきすぎて、グラフは後回し、なんとなくの生徒も多いです。
グラフは理解しなければ、慶応の化学には太刀打ちできません。
グラフを正しく理解する訓練は必須ですが、集団指導では身に付きにくいのが現状です。
グラフに自信がない生徒は、家庭教師などの個別指導が必須でしょう。
当方では、遠方の生徒でも受講できるweb指導も行っており、苦手対策といった短期の集中授業も行っています。
計算
基本的に理論化学と有機化学で計算が出題されます。
有機化学や化学平衡、酸塩基に気体など、たしかに難易度の高い計算が混ざっています。
化学であるにも関わらず、実数値だけでなく、文字式を使って解答する出題もあります。
また、大問1で出題されやすい化学基礎などでは、非常に取り組みやすい計算問題も混ざっています。
計算が苦手な生徒でも問題なく解ける計算も多いことを理解しておきましょう。
特に、いい先生の集中講座などを受けると、短期間で計算が一気にできるようにもなります。
化学は英語や数学よりも短期集中で苦手を解決しやすい科目であると、理解しておきましょう。
計算自体は四則計算
理解に基づいた立式さえできてしまえば、あとは小学校レベルの四則計算と中学レベルの平方根(ルート)の能力で計算できます。
小中学校のときから、単位と計算の理解ができていれば、実は立式(式を作る)もそこまで難しくありません。
高校生からでも対応は間に合うので、正しい式の立て方を身につけましょう。
変な癖がついている生徒は、修正に時間がかかるので、早め早めに対策してください。
参考書・問題集
化学基礎は出来て当たり前であり、最終的にはある程度高い難易度を目指す必要があります。
できれば高校1年生の間には理解しきることを目指しましょう。
高校2年生になってから本格的な進路相談をすると、多くの生徒で慶應クラスは間に合わなくなります。
参考書の候補としては、岡野の化学、ゼロから劇的にわかる、宇宙一わかりやすい、などいくつかあります。
近年は有機化学に特化した参考書も出版されていますので、生徒の理解を助けてくれる1冊があれば大丈夫でしょう。
55%前後で合格できる年が多いことを考えると、標準レベルまでの精度を高めることが最優先。
高難易度に取り組むのは3年生の秋~冬くらいが目安。
そもそも高難易度の問題が解けなくても合格点を超えることは容易です。
浪人生でも秋以降で十分です。
いかに標準レベルまでの精度を高めるか、に注力しましょう。
問題集
基本的には、参考書で読んだ範囲の問題集を、標準レベルを中心に解いていきましょう。
利用するのは、まずは学校レベルで大丈夫です。
具体的にはセミナーやリードα、リードlightなどが該当します。
問題集は1冊をやりこむことが重要なので、何冊も買う必要がありません。
上記のような問題集の標準レベルが8~9割取れるようになると、化学を理解する意味がわかるでしょう。
余裕のある生徒では、秋冬にハイレベルな問題にもチャレンジしていきましょう。
まとめ
- 標準レベルを大切にすることが合格への道
- 論理力を見直す
- 全範囲を網羅する
保護者の方へ
慶応大学の薬学部を受験するためには、化学は最重要科目です。
慶応だけあって、難しい問題も含まれていますが、標準レベルで解ける問題も多くなっています。
慶応だからとお子さんが、難しい問題集ばかりに手を出していませんか?
高校2年の夏を過ぎた時点で勉強法が間違っていると、慶応クラスに合格することは非常にむずかしくなります。
慶応分析よりも自己分析。
お子さん自身に合った勉強法と問題集を利用することで、効率的に成績をあげるとともに、勉強の楽しさを実感できます。
お子さんが楽しく、正しく勉強できるサポートをしてあげてください。
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